僕達の文化祭。Ⅲ
窓の外を見れば、正門に人がごった返していた。それも、出る人で。いやあんたら文化祭中にどんだけスマホいじってんだよ。
気付けば、部室には客は行なくなっていた。だからどんだけスマホいじってんだよって。
というか流され過ぎだろ、人間。創作物の評価くらい、自分で決めやがれ。
評判が悪くなったら即サヨナラ。酷いよなぁ。いや十万あれば十分なんだけども。
だが、この状況。遊んでいるわけにもいかないだろう。
「羽衣、適当に遊んで来い。水上、チョコ買って来てくれ。月夜、教師陣徹底マーク」
三人に指示を出した。
久しぶりに、本気だすか。
心の中でそう呟きながら、僕は動き出した。さあ、消火活動開始だ。
羽衣はコミュ力が高い。だから遊ばせているだけで大量の情報を集められた。というかお面どこに売ってたんだよ。縁日か。しかもア○パ○マ○って……
水上には集中するためのチョコを買って来て貰った。ちなみにMeijiのやつ。僕の好みのブラックを。
月夜には教師を徹底的に調べて貰った。勿論僕はその間休憩タイムだ。
ここからが勝負だ、犯人。僕に勝てると思うなよ。
羽衣が集めた情報の中には学校が嫌いな教師の話があった。
月夜に教師を調べさせたのは、学校の裏情報を公開して特する人の仕業。もしくは、よほどの正義感の持ち主。さらにその情報は月夜が調べられないほどの極秘情報。つまり、知れるのは教師ぐらいの物。
そこから導き出される答えは──
「七峰 響也。32歳。吹奏楽部の顧問。音楽科の教師」
月夜は淡々と犯人(仮)の情報を述べる。
「集団生活が嫌いで、吹奏楽が好きで教師になったような人」
だそうです。吹奏楽が好きならそれを続けるためにこんな事やらなそうじゃない?
「吹奏楽は飽きたから、教師をやる理由がなくなった。と授業中に言っていたそうよ。今となってはただの問題教師ね」
吹奏楽部がこれから講堂で演奏するそうなので、見に行くことにした。
やはり人は少なく、最前列で聞く事が出来た。
この学校、何気にレベル高いよねぇ。メチャクチャ上手い。サッカー部とかもなにかで優勝してたし。
問題は、七峰先生のトーク。曲紹介の合間に学校の批判と取れるセリフが多々みられた。なるほど、もう決定的だな。
取り敢えず僕は仕込みに行く事にした。
準備を終わらせ、舞台裏に果たし状を貼り付ける。場所は、またもや屋上だ。




