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トラブルルーム3

 カタンとパソコンのキーボード打つ音が響いた。

 一仕事終わらせて僕はチラリと瑞乃の方へ視線をやった。

 いつの間にか僕の書斎に入っていたようでそこには涼宮ハルヒシリーズが何冊も転がっている。

 そして、大量に積まれた本の真ん中に、幸せそうに眠りこけた瑞乃がいる。

 いつぶりかな、こんな瑞乃の笑顔を見るのは。

 時計を見ればもう午前五時。眠るには遅すぎるくらいの時間になっていた。

 変わらずに華奢な身体に触れていいものかと、自問自答の末に僕の寝室へと瑞乃運ぶ。お姫様抱っこで。

「おやすみ」

 来客用の布団を引っ張り出し、僕はその部屋を後にした。ひらりと落ちた一枚の写真には気づかずに。


***


 普段はセットしていないため、目覚ましの音を聞くのは久しぶりだった。

 デジタルの時計が七時をさしてじりじり音を立てているところをみると、早見さんは健康的な生活を送っているようだ。

 って、なんで私、ここで寝てるの!?確か涼宮ハルヒのなんちゃらを読んでいたはず……あ、寝落ちしちゃったのか。

 早見さんに悪いことしたなー、と思いつつ、おそらく寝ているであろうその男のもとを、忍び足で目指す。

「いったぁ……」

 思い切り、小指をベッドの角にぶつけた。

「うわぁ!?」

 その弾みに、私は何かを踏んでしまって、思い切り転んだ。家と視界がぐらぐら揺れている。

 ひらひらと舞い降りたその物体は、写真だった。

 紛うことなき、写真。それだけなら、問題は無かった。問題は、その写真に写っている人物だった。

 その写真にに写った人物。それは──

「なんで、なんで私の写真が?」

 実家の近所の高校の制服を着た、16歳の水上瑞乃だった。

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