公園(4)
目が醒めた。
いつもの公園に、ボクたちはいた。毎度のことだけど、この感覚、もう慣れてしまったよね。まったく人間の環境適応能力って素晴らしい。
――ここは、元の世界なのかな?
前回は、無事戻って来ることができたけれど、今回はどうなんだろう? 周りを確認してみたけれど、特段おかしなところはないようだが。
つなぐも、同様にあたりをキョロキョロしている。
そのとき、あの「美幼児」が公園に入ってきた。よし、戻ってきたんだな、うむ。
「ねえ、キミぃ――」
つなぐが、優しそうなお姉さん風を装って(なんだそれ)、そのコに声をかけた。
「何、おねえちゃん――?」
しめしめ。敵はまんまと彼女の術中に、はまったようだ。(こんなふうに描写すると、犯罪の臭いがぷんぷんとするなぁ)
「今日って、いつだっけ――?」
思っきり笑顔を満面にたたえて、問いかけている。何を言っているのか分からない。たぶん本人も同じだから心配する必要はない。(え?)
「さっき会ったばかりなのに、どうしたの――?」
「え――?」
つなぐは、固まった。ボクも、だけれど。
「どうしたの、おねえちゃん?」
「い、いや、いやいや、な、何でもないのよ、何でも……」
つなぐは、思っきり失望の色を満面にたたえて、応えた。まあ、当然の反応だよね。
前回もそうだったんだけど、別世界に行っても、こちらの時間が進むわけではないようだ。やはり、ボクとつなぐだけの「夢」なのだろうか。ますます、訳が分からないよ。
つなぐは、またそのコにバイバイと手を振った。確か前回も同じことをしていたような気がする……。
やはり、今回もつなぐのウチにお世話になることになった。
帰り際、背中に変な気配がした。何か首筋あたりが一瞬ぞくっとするような。ちらっと目をやってみたのだけれど、たいして気に留めなかった。特に変わった様子もなかったから。
……だけど、そのとき、本当はもっと気にしてればよかったのだ。たぶん。




