魔法世界(3)
ボクたちの乗った未確認飛行物体(笑)は、そうこうしてるうちに、学校(だよね?)に着いた。
まあ、予想通りの展開だけれど、この学校らしき建物も普通のそれとは全く違っていた。
その建物は、天井に丸いドームのようなものがついていて、オリエンタル風(?)な寺院のようだ。で、やっぱり色彩はハデハデなのだけれど。
校門には、「王立魔術師魔女養成専門学校(夜間部)」と書かれた看板が掛かっていた。な、何なんだ、この学校。魔術師あんど魔女だって……? それに専門学校っていうのは、一体……。
ツカツカと中に入っていこうとしている、セーラに、つなぐが慌てて尋ねた。
「こ――ここって、ま、まさか……魔法使いの学校なの……?」
すると、彼女は大きく目を見開いて――。
「ええぇ~~っ! 今さら、何言ってるの。そんなこと、あっったりまえじゃないっ――!!」
ホントにびっくりした様子で、つなぐを凝視している。驚きのあまり、生命活動が停止してしまっているようだ。何だか、完全に瞳孔も開いているような。ひぃ〜〜、言葉による殺人事件か?!
「ね、ねぇ、セーラさん――?」
ボクは、固まっている彼女に恐る恐る声をかげてみた。まさか、『死んだ』とは思わないけれど。
手のひらを彼女の目の前でヒラヒラ振ってみた。
「はっ――! 一体、あたしってば、どうしたんだろう……?」
突然、セーラさんは復活した。
彼女は、あたりをキョロキョロしている。なんだか、記憶が錯綜している感じだ。ちょっとぼ~としている。つなぐの発言がこんなにも影響を及ぼすなんて
もうこの話題に触れないようにしよう、とボクは思った。セーラさんがお亡くなりになったらまずいし。(苦笑) ……しかし、魔法使いの学校が当たり前のことなのだろうか? ボクの頭の中こそ錯乱状態になってしまった。
とりあえず、この場は話を合わせる他ないみたいだ。ボクは、誤魔化すように言った。
「ささ。は、早く行こうよ。遅れちゃうよ。ね――?」
セーラは、どことなく腑に落ちない様子だったけれど、何となくボクに急かされるままに頷いた。
そのとき、後ろから声をかけられた。
「おっす〜、セーラ――」
ボクたちは振り返った。すると、セーラみたいな、ちょっと変な格好をした、やっぱり超可愛い女のコが立っていた。
「あれ? このコたち、新入りさん――?」
そのコは、ボクたちを一瞥した。
「そう、ミッチとトオリよ――」
すると、その新たな女のコは、ボクたちに笑顔を向けた。
「そうなの。よろしくね――」
そう言うと、ボクたちの返事も待たずにタッタッと走っていってしまった。なんて、気が早いコだろう。
セーラは、後姿を目で追いながら言った。
「あの娘、魔法のトップアイドル・セイントスターよ。みんなで、スターちゃんって呼んでるの」
お、おう。また、このコも魔女っコだったのか~。何なんだ〜、この世界。ボクらは、魔女っコの世界に紛れ込んでしまったのだろうか。信じられないよ……。
……と、いうわけで、ボクたちは魔女っ子養成学校に通うことになったのだった。(ボクは男なんだけど、何故、魔女っ子なんだ……)




