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プロローグ
刑事ドラマに憧れ目指した警察官の夢は、先輩から警察学校の厳しさを聞いて諦めた。
弁護士ドラマに憧れ法律の勉強を始めるも、参考書の分厚さに断念。
地元に貢献したいと公務員試験を受けるが、マークシートに勘で挑んでもロト6より分が悪い。
『いやいやいやいや、自分の未来にはすんげ〜チャンスがあって、こんな仕事に落ち着かないよう神様が操作してんだな、きっと』
とか、8割くらい本気で思ってるわけ。
要するに何をやっても中途半端な痛いヤツ。
どこにでもいる『持ってない』男。
これまでそうだったように、これからも平均よりちょっと下くらいの極々平凡な生活が続いて行くんだろなって、実は気づいてたけどね。
なのに何故だろう。
なんで今リングに立ってんだろう。