戦闘開始、疾風は砲撃と共に。
此処は襲撃されている船の中。
「くっ、姫っ!早く奥へ!」
鎧を着た女性が結界を張り続ける着物を着た少女に声をかける。
「馬鹿者!どちらにしろ結界を解いたらすぐに沈む!こちらの魔砲の使い手は何人じゃ!」
近くで船を操縦している大男に聞く。
大男は大声で答える。
「うちの魔砲士は2人じゃ!それに比べ向こうは1隻に6人程いるみたいだぞ!どうするお嬢!」
「くっ!ここまでかっ!」
少女が諦めそうになった時、ソレは来た。
鋼鉄の船、超兵器【ヴィルベルヴィント】
80ktという、とんでもない速度をで近づく船に気づいたのは海賊達だ。
「何だあの巨大な船は!?それに帆が無いぞ!」
「何て速さ何だ!化け物じゃないか!?」
「怯むな!ただデカくて速いだけだ、あっちを先に狙うぞ!」
海賊達が砲を此方に向け砲撃を開始するが
とんでもない速度で全て避けられる。
運良く当たっても36cm装甲に阻まれ、ダメージ無し。
そして【ヴィルベルヴィント】の28cm三連装主砲が海賊船に火を吹く。
砲撃が轟く。
主砲から発射された砲弾は前方に捉えた海賊船を真っ二つにするだけでは飽き足らず、
その後続にいた2隻の海賊船を文字通り、粉砕した。
海賊船を蹂躙して行く姿は、王者のソレだった。
それを結界を張り続けながらも見ていた少女はこう呟いた。
「大海の王者....」
と。
砲撃が止み、静かになる。
周りには海賊船だった木片が一帯に浮かんでいた。