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アイテムが欲しい、ただそれだけ  作者: 秋海棠


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22.不思議なフィールドダンジョンだった

 

 やっと来ることが出来た、鳥取。


 「シューズ」の設定を完了してから2日。

 昨日には着いてるはずだったのに、航空券の日付を1日間違えて購入してしまった私。

 ただのアホである。

 購入後のメールで気付いて、変更しようかとも思ったのだが、別に急ぐものでもなし、良いかとそのまま今日になった。

 ちゃんと確認したつもりだったのだが……片道だけの購入にしておいて良かった。


 空港に着き、まずはバスで市内を目指す。


 はじめにスーパーへ行き、1週間分くらいの食料を購入する。

 「テント」の中に冷蔵庫はまだないけれど、私のアイテムボックス内は外との経過時間差が二十分の一だ。

 特大のクーラーボックスに保冷剤を入れれば少しは長持ちするだろう。

 早く「コンパクト冷蔵庫」欲しいな……

 

 次に来たのは大型ホームセンターだ。


 今回の「可動掃除機」がある鳥取市第二初級ダンジョンには植物系と虫系のモンスターが多く出現するらしい。

 そこで、除草剤や殺虫剤などが効くかもしれないと考えた《挑戦者》が試してみたら、倒すことはできなかったが弱らせることはできたとSNSに載っていた。

 初級だから油断しなければ負けることはないと思うけど、どうやらボスモンスターも植物系らしいから、念には念を入れて私も除草剤と殺虫剤を購入することにしたのだ。

 いろんな種類のものをカートに入れていく。

 それ以外にもホームセンターだと色々なものが売ってるから寄り道しまくってしまった。

 おかげでカートはパンパンだ。

 雪ももう降ってないからレンタカーを借りれば良かったかも。

 取り敢えず全て購入し、袋に入れてまたカートに積む。ちょっと袋の数が多い。さっきのスーパーの比ではないくらいの量になってしまった。

 人気の少ないところに行き、さりげなく一つの袋をアイテムボックスに。

 そして、また一つといれていく。

 なんだか後ろめたい気持ちになる。

 ちゃんと購入しているんだから何も問題ないはずなのに、可笑しいな。


 あらかた買い物を済ませ、鳥取市第二初級ダンジョンへやってきた。


 前回の初級ダンジョン攻略時は、ボス前まで弟がいてくれた。

 だけど、今回は初めから一人。

 大丈夫だろうが、やはり緊張はする。

 平日の15時頃だからか前回の土日より人は少なめだが、若い子が多いように感じる。

 あれかな?春休みとか学校を卒業したばかりの子とかかな?

 そんな若人を尻目に着替えて受付を済ませ、ダンジョンへ入場した。


 ここでは初めてIDC所属の《挑戦者》限定アプリを使っていく。

 自分が見つけた新ルートや、他の所属《挑戦者》が見つけた新ルートが自動更新される仕組みだし、新モンスターが出たら撮影しないといけないので起動しておくのは必須だ。


 一階層、そこは前回の洞窟タイプと違い、全面に草原が広がっていた。

 これをフィールドタイプと言うとネットで見た。

 事前調査をしてはいたが、実際目にすると不思議な感じだ。

 

 この一階層で出るのはバッタ型のモンスター。

 大きさはバッタサイズではなく小さいうさぎくらい。

 ピョンピョン跳ねるけど、動きに合わせれば殺虫剤を使う事なく難なく倒せる。

 でも、試しにシュッと吹きかけてみたら、動きが鈍くなった。

 やはり効果はあるようだ。でも倒すことはできないので、結局自分で薙ぎ払う。

 虫は大丈夫だが、あまり大きいと気持ちのいいものではないなと思いながら倒していく。


 続いて二階層。

 ここは畑みたいな感じのフィールドだった。

 降り立った瞬間、前層との違いにびっくりして「えっ?」と声が出てしまった。

 出現モンスターはジャガジャガってジャガイモ型のモンスター。

 ちょっと意味がわからないなと思いながら戦闘に入ると、コロコロ転がって体当たりしてくる系だからその動きに慣れるのに少し時間が掛かった。

 でも攻撃力は少なく、体当たりの瞬間に薙ぎ払って倒す。

 倒してもジャガイモは手に入らない。なんか悲しい。


 三階層はまた草原フィールドに戻る。

 今度のモンスターはスライムだった。

 スライムは千葉市第三初級ダンジョンで対戦済みだ。これも核を狙って難なく倒していく。

 

 そして次の四階層も畑フィールドだった。

 このダンジョンは草原と畑のフィールド交互に存在するようだ。

 しかし、草原なら何となくダンジョン感はあるが、畑はちょっと違和感でしかない。

 今度のモンスターはキャロというニンジン型のモンスター。

 これもコロコロ転がって体当たり系。

 さっきのジャガジャガよりは先端が尖っている分攻撃力は高そうだ。

 だが、難無く躱せるし薙ぎ払える。

 

 この階層あたりから《挑戦者》の数が増えているように感じる。

 それも皆若人。初々しさが目立つ。しかも数人でダンジョンに入っている風だ。

 やはり皆休みなのかも。

 なので、私は邪魔にならないよう先を急ぐ。

 所属《挑戦者》用のアプリもなかなか使い勝手が良く、セーフティーエリアまでの最短ルートも見つけてくれるからありがたい。


 しかし、4階層のセーフティエリアは入る前から人が沢山いる気配がビシビシ感じたので、スルーして7階層まで突っ走った。

 7階層のセーフティエリアはそこまで混んでなくて休むのにちょうど良かった。

 時刻も19時頃だから学生組はそろそろ帰り始める時間かな?

 

 一階層から休みなく戦闘も含め結構動いていたから疲れた。

 早速人の少ない端に行き、「テント」を設置。

 以前に出会った斉藤さんと高田くんに教わったようにチャイムのところに貼り紙は忘れない。


 靴を脱ぎ、手洗いうがい。

 アイテムの「シューズ」タクティカルタイプは大変動きやすかった。

 しっかり足を支えられている感じもしっくりくる。

 靴擦れもなく、これは自動調整が効いているおかげなのだろうか?


 手洗いうがい後、装備をつけたままソファにグダっと寄りかかる。

 ちょっと水を飲みながら休憩だ。

 

 しかし、このダンジョンは下調べしていたとしても色々びっくりする事ばかりだ。

 五階層では草原フィールドでてんとう虫型モンスター、六階層では畑フィールドでスイカ型モンスター、七階層では草原フィールドでうさぎ型モンスターがそれぞれ出現。

 モンスターの規則性がよくわからない、スイカ型モンスターってなんだ?って言ってしまったもん。

 通常のスイカよりも二回り以上も大きい。ちょっと、お腹がすいた。


 七階層のうさぎも俊敏だが対応できる。

 頭についた尖った小さなツノが怖いが、これも躱せる速さだったから当たることはなかった。


 部屋で寛ぎながら今日を思い返していると、スマホが鳴った。

 所属《挑戦者》用のアプリの通知だったのだが、北海道、秋田、長野、大阪、広島、佐賀のいくつかのダンジョンセーフティエリアでダンジョンショップが出ていると言うものだった。

 羨ましい!

 ダンジョンショップは本当にランダムだが、現れる時は一斉に現れる。

 私はまだ出会えない。

 広島か大阪が近いか……と言って今から行ったとしても間に合うかわからないから行かないけども。


 ダンジョンショップが出たらSNSをチェックするようにしている。

 何が出るかもランダムだから、他の《挑戦者》がアップする写真を見るのも楽しい。

 今出ているダンジョンショップでは魔石はもちろん、そのダンジョンのボスを倒すと獲得できるアイテムもあれば、その県のダンジョンでは手に入らないアイテムも並んでいる。

 私が今見た中でイチオシは、「美容液」だ。

 どんなものかわからないけど、肌のお手入れを大事にしている人ならば気になるアイテムだ。

 しかし、それを載せた人のSNS上では、経験値二千五百万と交換と書いてある。

 二千五百万……どのレベルの人だと手に入るんだ?

 IDCの公式でおおよそのステータスが出ているのを確認すると、レベル48〜49くらいの人で累計経験値が二千六百万から三千万超えるくらい。

 これ、頑張った経験値が払ったらその分引かれるシステムよね? だから、レベルが下がるのよね?

 結構鬼だな『神の声』。

 だからこそ、この「美容液」の価値がわかる。相当すごい美容液だろう。SNSに載せた《挑戦者》よ、続報を求む。


 そんなダラダラした時間を過ごしてこの日は終わった。

 全然階層を進めていないが、明日は朝からガッツリ頑張る!



お読みくださりありがとうございます。

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