24 お宝?発見しちゃいました
ドサドサッと埃と共に現れたのは
大量の紙の山と幾つかの箱、布袋であった。
余りの多さに三人とも暫しの間絶句して動けなかったが
気を取り直して手近な紙の束をパラパラとめくってみたジュリアが呆れ顔で呟く。
「杜撰な物ね」
「ええ・・・」
ジェイドが相槌を打ちジュリアが更に続ける。
「こんなに古い書類を一緒くたに・・・」
「国の政の現れですね。」
埃まみれの国の重要書類らしい紙の山に我を忘れて見入っていた二人だったが
はっ、と我に返り箱や布袋に目を移す。
そしてこれぞ、と思った箱に駆け寄り中を確認し始めた。
アイラも話に聞いただけでどの様な物か分からないが一緒になって探してみる。
箱や袋の中身は祭事に使用する神具、その際に着用する法衣などや
全く訳の分からない物まで様々だ。
暫くあちらこちらの箱を調べていたジュリアの動きが止まった。
そして再び涙を流し始めた。
ジェイドもその箱の中を覗き込み二人で頷き合った。
箱を抱えたジェイドに付いてジュリアも移動する。
中身を丁寧に取り出しテーブルの上に並べていく。
勇者の遺産と言われる物の数々が並んだ。
そして最後に謎の薄汚れた革製の袋が一つ・・・
「ああ、一度にこんなに揃って戻ってくるなんて・・・
まるで夢でも見ているようだわ。
アイラさん、何とお礼を言って良いか・・・
先ほどジェイドが約束したように私たちに出来得る事なら何なりと言って頂戴。
私達 グラント家は貴方の望みを叶える為に協力を惜しまないと誓うわ。」
「そんな、偶々持って来てしまっただけの物です。
お気遣い頂くような事では無いです。」
「そんな訳にはいかないわ。ねえ、ジェイド?」
先ほどから一人でテーブルの上の物を吟味しているジェイドに話が振られた。
「その話も重要でしょうが・・・
まだ手放しで喜ぶには早いです。
ここには勇者の剣と魔王の魔石がありません。
それにこれは恐らくかなり古い魔法袋でしょう。」
ジェイドの言葉に二人の視線も古びた皮袋に移る。
「それならその中に勇者様の剣も魔王の魔石も入っているのではなくて?」
はっと気付いたジュリアの問いに首を横に振りながら答える。
「おそらく魔法が掛けられていて
中身は入れた本人しか取り出せない仕様になっています。
200年以上前の物で今では国宝級の魔法袋だと思われます。」
ジェイドの言葉にジュリアが再び問い返した。
「貴方、試してみたの?中身が入っていないのではなくて?」
「収納を試みましたが出来ませんでした。
品物を入れた本人が中身を取り出すまでは他の者は使用できない様です。」
「それが200年以上前の物なら益々中身が気になるわ。
何とかならないの?」
そこでジェイドがアイラを振り返る。
「俺の魔力では何ともならないがアイラの魔力量なら
力ずくで何とかならないか?」
「力ずくって・・・貸してみて。」
アイラが袋を受け取り鑑定魔法で機能を探る。
そして取り出しを念じた。
テーブルの上に現れたのは文章が書かれ印章の押された羊皮紙一枚だった。
ジュリアが手に取り内容を確かめる。
それにはかなり古い言葉使いで
”報酬金貨1000枚と交換にギリニス王国所有の勇者の遺産を持ち出し
我が国に引き渡す事
引き渡しが滞る事なく成された暁にはナリア国での生活を保障するものとする。
ナリア王国国王マリウス・ナリア”
という内容が書かれ王印も押されている。
「これは密約書ですね・・・」
「ええ。しかも200年前何者かによって奪われた我が国の宝についての。」
「実行犯の名前は無いが依頼主がサインしたうえに
ご丁寧に印章まで押してある。」
「まさかこんな物が出て来るなんて。」
「実行犯が大切に隠し持っていたのでしょう。」
「しかしサインと印章があっても
200年前の物では本物と証明する事はほぼ不可能では無いかしら。」
そこでジェイドが先ほどのごみの山に目をやりほくそ笑む。
「歴代のナリア国王のサインと印章ならそこに山ほど有るのではないですか?
マリウス王の物を探しだす事も出来そうです。」




