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23 アイラのアイテムボックス


「あっ!」


思わず出た言葉にジェイドが返した。

「なんだ、また失言したのか?」


「・・・そうじゃなくて失念してました。あの、この世界でも

 人の物を黙って持ってきちゃったらいけないですよね?」

「当たり前だ。今その話をしたばかりだ。」

「それが盗まれた物でも?」

「どうした?いきなり意味深長な言い方をして。」


少し悩んだアイラがアイテムボックスから無断で拝借した古文書を出現させた。


「これなんですけど、私が王都を発つ前日、元の世界へ戻してもらう話が

どこまで進んでいるか気になって神殿に忍び込んだんです。

そしたら神殿長とジェフェリー魔術師がこれを持ってきて

”明日召喚の儀を行う”って話してるのを聞いちゃって・・・

腹いせに二人が居なくなってから保管庫に仕舞っていたこれを

勝手に持ってきちゃったんです。」


「二人に会ったのか?!」

「いいえ、隠蔽魔法で姿は隠していました。」

「隠蔽魔法・・・危ない事をしたな。」

「一応ミズキの格好をしていたんですけど

今になってみればそう思います。」


「それでこれは何なのかしら?」

問いかけたジュリアに手渡しながら応える。

「多分 お探しの古文書で間違いないと思います。」


「「!」」

慌てて開いて二人で見入る。


「間違いなさそうだな。」

「ええ確かに・・・古代文字で書かれているわ・・・」

ジュリアの目から知らず知らずのうちに涙があふれて来る。


「こんなに容易くに手にする事が出来るなんて夢でも見ているようだわ。」

ジェイドはジュリアよりも落ち着いている。

「しかし叔母上、古文書が有ったという事は腕輪も揃っていた筈です。

召喚の儀を行うつもりであったなら尚の事です。」


「そ、そうね。つい嬉しくて・・・腕輪の事も気になるわね。

アイラさん、その時腕輪の話はしていなかったかしら?」

「腕輪の話は無かったですけど・・・古文書を持って来たから

朝一番で儀式が行えると言っていました。」


「やはり同じ場所に置いてあったのかもしれないな。」

二人が顔を見合わせ落胆しているのを見てそれとなしに聞いてみる。

「あの、先ほど質問なんですけど やはり他人の物を持ってきてしまうのは

不味いですよね?」


「なんだ、まだ他にも何かあるのか?」

「・・・腹が立ったので、そのちょっと正気を失っていたというか

それで・・・」

「それで?」

「保管庫の中身全部持ってきちゃったんです・・・神殿の。」


「! 何が入っていた?!」

「見てないです・・・保管庫の外から”全部”って念じて

アイテムボックスに入れてしまったので。」


「それならここ出して頂戴。」

二人は先ほどまでとは打って変わってまさに水を得た魚のように目が輝いている。

言われた通りアイテムボックスから保管庫の中身を出現させた。


ドサドサッと出てきたのは書類の山と

幾つかの箱、布袋などであった。



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