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第九話 継母・異母妹の味方をする婚約者

 今こうして思ってみると、継母だけでなく、ルゼリア、そして、ボワデシャール公爵家の人たちに対しても、わたしがイジメをしているということになってしまっていた。


 いつの間にか継母の策略にはまってしまっていたのだ。


 今日のこの時のことも想定の一つに入っていたのだろう。


 残念ながら、継母の方が一枚上手だったと言わざるをえない。


 わたしがイジメをしていたのだというのなら、継母だって同じように言われなければならないと思う。


 継母は、わたしをイジメ、ボワデシャール公爵家の人たちをイジメてきた。


 とはいうものの、オーギュドリュネ殿下に今までの経緯を話したところで、状況が好転するとも思えない。


 今までのオーギュドリュネ殿下の話からすると、継母の言い分を信じ切っているように思えるからだ。


 それでもわたしは反撃をしなければならない。


「わたしは決してイジメはしておりません。オーギュドリュネ殿下、わたしがこれからお話しすることをどうかお聞き下さい」


 わたしはそう言った後、今までの継母やルゼリア、そして、ボワデシャール公爵家の人たちとの経緯を説明しようとした。


 しかし……。


 オーギュドリュネ殿下は、


「きみの言い訳など、聞くだけ時間の無駄だ。どうせ、先程と同じく、『傲慢な態度を取っていたのではなく、気品のある態度を取っていた』と言うだけの話だろう。全くどうしょうもない人だな、きみは」


 と言って、わたしの話を遮ろうとする。


 わたしはその態度に腹が立ってきた。


「オーギュドリュネ殿下、そんなことをおっしゃらないでください。あまりにも一方的ではないですか?」


「どこが一方的なのだ? きみは傲慢と気品の区別がつかない人だ。そんな人が、言い訳をしたところで、先程と同じような話を繰り返されるだけのことだと思っているのだよ。ここにいるきみの母親とルゼリアは、いくら言い訳をしようとも、きみにイジメらえたことには変わりはない。そうだろう?」


 オーギュドリュネ殿下は、継母とルゼリアの方を向きながらそう言った。


「その通りでございます。オーギュドリュネ殿下、わたしはこの子にどれだけイジメられたことか……」


「わたしの母だけではなく、この姉にどれだけわたしがイジメ続けられたことか……」


 継母もルゼリアも涙声で言う。


「あなたたちの苦しみやつらさは、良く理解している」


 オーギュドリュネ殿下も少し涙声だ。


 ずっと黙って聞いている国王陛下と王妃殿下も同情するような表情をしている。


 わたしの味方は、誰もいないのだろうか……。


 そう思わざるをえない。


 オーギュドリュネ殿下は、またわたしの方を向くと、


「その点、ここにいるルゼリアは、きみと才色兼備なところは同じだが、きみとは違って。心やさしい子だ。傲慢を気品の違いもきちんと理解している。きみよりもはるかに妃としてふさわしい子だと言える」


 と言った。


 すると、ルゼリアは、


「まあ、オーギュドリュネ殿下、そうおっしゃられると、恥ずかしくなってまいります。わたしなどオーギュドリュネ殿下に釣り合う人間ではございませんのに」


 ともじもじしながら言う。


「そんなことはないさ。きみは、自分が思っている以上に素敵な女性だ。もっと自信を持っていい」


 歯が浮くような言葉を言うオーギュドリュネ殿下。


 それに対し、


「オーギュドリュネ殿下、そうおっしゃっていただいて、わたしはとてもうれしいです」


 と柔らかい口調で応えるルゼリア。


「ルゼリア、わたしはきみが好きだ」


「オーギュドリュネ殿下、わたしもオーギュドリュネ殿下のことが好きです」


 見つめ合う二人。


 このオーギュドリュネ殿下とルゼリアのやり取りは、わたしの怒りをさらに増大させるものだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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