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第六話 婚約を破棄する理由

 オーギュドリュネ殿下は話を続け、


「きみは、傲慢な態度を取っているのではなく、気品のある態度を取っていると言っているが、それが最初から間違っているのだ。きみの周囲に対する態度は傲慢そのものだし、わたしの前では抑えているようだが、それでも傲慢さを感じることは多い。まず指摘をしなければならないのはそこだ。妃となるものは、気品を持っていなければならないということは、きみも理解をしているだろう。ルゼリアはその点、妃としてふさわしい気品を持っているのだよ。傲慢な態度と気品がある態度というのは、ぜんぜん違うものだ。きみはそういうことさえも理解をしていない。きみはただ傲慢な態度を取る女性でしかないのだよ。これでは妃としてふさわしくはない。これが、わたしがきみとの婚約破棄をしようとする理由の一つだ」


 と言った。


 わたしはますます腹が立ってくる。


「オーギュドリュネ殿下、お言葉ですが、オーギュドリュネ殿下こそ傲慢と気品というものの違いを理解しておられないようです。それでもこれから王位につこうとされるお方なのでしょうか? ただ理解をされていないだけではなく、それを理由として、わたしとの婚約を破棄しようとしています。いくら王太子殿下だからと言って、していいこととしてはいけないことがあると思います。わたしは信じられない気持ちでおります」


 どうだろう。


 これでオーギュドリュネ殿下は理解をして、婚約破棄を撤回してくれるだろうか?


「まあ、いい。傲慢と気品の違いをきみに理解してもらうのは無理なことがわかった。それがここで理解できただけでもよしとしよう。しかし、わたしがきみとの婚約を破棄する遺留はこれだけではない」


「と申しますと?」


 オーギュドリュネ殿下は何を言おうとしているのだろうか?


 想像がつかない。


「わからないのか? 全くきみはどうしようもない人だ……」


 オーギュドリュネ殿下はあきれていたが、すぐに厳しい表情に戻る。


 そして、


「きみは通っている学校で、イジメを繰り返していたそうだね。それも、あいさつがきみの思っているようにできないとか、きみのことを別に嘲笑したわけでもないのに、言いがかりをつけたりして、およそわたしの婚約者としてふさわしくない態度を取っていた。イジメを受けた側の人たちは、きみがボワデシャール公爵家の人間ということで、ただそれを受け入れることしかできなかったと聞いている。その中には、精神を病んでしまった人もいるそうだ。それなのにきみは、この頃ますます調子に乗っているそうではないか? そういう人たちがかわいそうだと思わないか? わたしがきみとの婚約を破棄するもう一つの理由は、学校内でイジメを続けていたことだ。イジメをするなど、わたしの婚約者としてあるまじきことだ」


 と言った。


 それに対し、すぐにわたしは反撃する。


「オーギュドリュネ殿下、お言葉ですが、わたしと他のものには身分差がございます。そして、今、オーギュドリュネ殿下がおっしゃったようにオーギュドリュネ殿下の婚約者でございます。わたしにまともにあいさつをすることができなかったり、わたしのことを嘲笑したりするのは、わたしだけではなく、ボワデシャール公爵家、そして、オーギュドリュネ殿下のことをけなしていることになると思っているのです。そう言った人たちをわたしがイジメるのは、われわれの名誉を守ることにつながるのです。むしろそういった人たちは、イジメられて当然だと思っております。褒められてもいいくらいだと思います」


 わたしは胸を張って言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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