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第四話 継母と異母妹

 ドアを開けてオーギュドリュネ殿下の執務室に入室してきた女性たち。


 それは……。


 わたしと対立を続けている人たち。


 そして、一番この場にいてほしくない人たち。


 わたしの継母と異母妹だ。


 二人はオーギュドリュネ殿下のそばまでやってきた。


「よく来てくれた」


 オーギュドリュネ殿下は、今までのわたしにしてきた対応とは違い、うれしさで顔がほころんでいる。


 継母が微笑みながら、


「オーギュドリュネ殿下、本日はわが娘ともどもお招きいただき、ありがとうございます」


 と言って頭を下げると、ルゼリアも微笑みながら、


「オーギュドリュネ殿下、本日ここにお招きいただき、ありがとうございます。名誉なことでうれしくてたまりません」


 と言った。


 わたしは唖然とした。


 いったい二人を何の為に呼んだんだろう?


 わたしと二人の仲が悪いことは、オーギュドリュネ殿下も知っているはず。


 まさか、オーギュドリュネ殿下はルゼリアを婚約者にしたいと思っているのだろうか?


 そんなはずはない。


 いくらなんでも、わたしのような魅力的な女性の婚約を破棄し、母が違うとはいうものの、妹を婚約者にするなどということがありえるのだろうか?


 いや、今日の話でいくと、オーギュドリュネ殿下はどうやらルゼリアに心が傾き始めているようだ。


 その方向に進むというのも、ありえない話ではない。


 でもわたしとしては、一番信じたくない話だ。


 いくら美しいとはいえ、その美しさからいえばわたしの方が上だ。


 わたしはオーギュドリュネ殿下の婚約者。


 そのわたしを捨て、オーギュドリュネ殿下がルゼリアを選ぶことなどありえないことだ!


 わたしがそう思っていると、オーギュドリュネ殿下は、


「ルナディアーヌよ、わたしがルゼリアとお前の母親をここに呼んだ理由を理解しているのだろうか?」


 と聞いてきた。


「わかりません」


 そう言うしかない。


 オーギュドリュネ殿下は、微笑みながら、


「先程きみには話したと思うのだが、もう忘れてしまったのだろうか?」


 と言ってくる。


 忘れてはいない。


 オーギュドリュネ殿下がルゼリアに心を奪われてしまっているということを。


 でもわたしはその言葉を口には出したくない。


「何のことでございましょうか?」


 一旦はこう答えた。


 しかし、オーギュドリュネ殿下の言葉からすると、やはりわたしが一番信じたくない、


「わたしとの婚約破棄」


「ルゼリアとの婚約成立」


 に向かって進みたいのではないかと思う。


 そうはさせるものか!


 わたしは続けて、


「今日は、明日に備えてオーギュドリュネ殿下と二人きりでの打ち合わせをすることになっております。そんな中、二人を呼ぶというのは理解に苦しみます、まあ、継母もルゼリアもわがままな人たちですから、気まぐれにオーギュドリュネ殿下と会いたいと思ったのでしょう。オーギュドリュネ殿下はおやさしい方ですから、わたしの親族ということもあって、そのわがままに抗すことができず、招き入れてしまったのだと思います。どうです。わたしの思っている通りでしょう」


 と言った後、高笑いをした。


 ルゼリアと継母は、わたしの言葉を聞いてムッとした。


 そして、継母は、


「わがままですって……」


 と言った後、続けて反論しようとした。


 しかし、その前にオーギュドリュネ殿下が、


「まあ、あなたも言いたいことがあるでしょう。その気持ちは理解します。でもここはわたしに先に言わせてください」


 と言ったので、その動きは抑えられた。


 継母の反論が抑えられたので、ほんの一瞬だけではあるものの、ホッとしたわたしだったのだけれど……。


「きみは自分の置かれた立場というのが理解できていないようだね」


 オーギュドリュネ殿下は先程の笑顔から厳しい表情に変化していく。


「わたしはオーギュドリュネ殿下の婚約者です。その立場であれば理解をしています」


「きみは理解をしていない。わたしはきみがもう少し自分の立場を理解できる人だと思っていたのだがな。まあきみがそういう人間であれば、もう少し周囲の人たちの評判も良かったのだろうが……」


 オーギュドリュネ殿下は残念そうに言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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