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第百七話 グラスジュール殿下に溺愛されていくわたし

 わたしたちは、しばらくの間、お互いに恥ずかしがっていた。


 ここまで恥ずかしい気持ちになったのは初めてかもしれない。


 やがて、グラスジュール殿下は、心を整えると、


「リランドティーヌよ、今日の結婚式が行われる前に、平民の代表者があいさつに来ていただろう。そして、『これまでのグラスジュール殿下とリランドティーヌ様の政治のおかげで、われわれは困窮を脱しつつあります。このことはわれわれ全員で認識していることでございまして、ありがたいことでございます。平民の代表として、感謝の言葉を申し上げさせていただきたいと思います』と申してきた。そなたも聞いていたと思うが、こうした言葉を聞くことができるのは、わたしたちの政治方針が正しい方向に行っていることだと思っている。ホッとしてくるし、ありがたいことだと思っている」


 と言った。


 それに対し、わたしが、


「わたしもありがたいことだと思っております。わたしたちの一生懸命努力したことが、少しずつこの王国を良くしていると思うとうれしい気持ちになってきます」


 と心を整えながら応えると、グラスジュール殿下は、


「わたしもうれしい気持ちになっている。ただ、まだまだやらなければならないことはいっぱいある、わたしはそなたと一緒にこの王国を豊かにし、この王国の国民が幸せになれるように一生懸命努力していく。そして、そなたのことを絶対に幸せにする!」


 と力強く言った。


 わたしは胸が熱くなっていく。


 そして、わたしも、


「グラスジュール殿下、わたしはグラスジュール殿下の理想の実現の為、これからも一生懸命努力してまいりたいと思っているのでございます。そして、わたしはグラスジュール殿下と二人で幸せになっていきたいと思います!」


 と力強く応えた。


 グラスジュール殿下はわたしを抱き寄せる。


「リランドティーヌよ、わたしはそなたのことが好きだ」


「わたしもグラスジュール殿下のことが好きです」


 わたしたちは見つめ合った。


「リランドティーヌよ、わたしはそなたを愛してる」


「わたしもグラスジュール殿下のことを愛しています」


 わたしに唇を近づけてくるグラスジュール殿下。


 グラスジュール殿下に唇を近づけていくわたし。


 わたしたちの唇と唇が重なり合っていく。


 甘くてとろけていく気持ち。


 やがて、グラスジュール殿下は唇を離す。


 いつもはキス止まりのわたしたち。


 しかし、今日はこれからその先の段階に入っていく。


 胸のドキドキがこれまで以上に高まってきていた。


「リランドティーヌよ、これからわたしたちは、恋人としての最高の段階の一つに入っていき、恋人としての総決算をしていく。そして、今日からわたしたちは夫婦になるのだが、その夫婦としても最高の段階の一つに入っていくことによって、夫婦としての基盤を固めていくということになる。今までのわたしたちは婚約者どうしであり、恋人どうしだったのだが、その最高の段階の一つに達していくことはなかったので、そこに到達していきたいと思っている。そして、それと同時に、今日は、わたしたちの夫婦としての出発点になるので、夫婦としての最高の段階の一つに到達することで、恋人という今までの関係を夫婦という形に発展させていきたい。そして、わたしたちの夫婦としての基盤をここで固めたいと思っているところだ。その準備はできているね?」


 グラスジュール殿下はやさしくそう言ってくる。


 準備はもちろんできている。


 これからグラスジュール殿下と二人だけの世界に入ってくことによって、恋人としても夫婦としても最高の段階の一つに入っていくのだ。


 わたしは恥ずかしい気持ちを乗り越え、


「グラスジュール殿下、わたしはこの時をずっと待ち続けておりました。わたしはグラスジュール殿下のものでございます。改めて、この身をグラスジュール殿下に捧げる所存にございます」


 と応えた。


「ありがとう。リランドティーヌ。わたしの方こそ、そなたのものなのだ。わたしは改めてこれから、そなたの為、この身を捧げていく」


 グラスジュール殿下はそう言った後、わたしの唇に唇を重ねた。


 わたしの心はますます甘くとろけていく。


 グラスジュール殿下は唇を離すと、


「愛しい、愛しいリランドティーヌ。わたしはそなたの為だったら、すべてを捧げてもいい」


 と甘い声でささやく。


「もったいない言葉でございます。わたしの方こそ、グラスジュール殿下のことが好きで好きでたまりません。グラスジュール殿下の為であれば、すべてを捧げることができます」


「リランドティーヌよ、いつも申していることではあるが、そなたの声はとても甘い。声を聞くだけでも心がとろけていく」


 わたし自身はそこまでの自覚はないのだけれど、甘い声を出すということで評価をしてもらっているのはうれしいことだ。


「そう言っていただいて、とてもありがたいと思っております」


 わたしが少し恥ずかしがりながらそう言うと、グラスジュール殿下は、


「これからもわたしのそばにずっといてほしい。年老いてからも仲のいい夫婦として過ぎしていきたいと思っている」


 とやさしく言った。


「もちろんでございます。わたしもグラスジュール殿下と夫婦としてずっとご一緒に過ごしたいと思っております。そして、年老いてからも仲のいい夫婦でいたいと思っております」


「その言葉は、わたしにとて何よりもうれしいものだ」


「グラスジュール殿下……」


「リランドティーヌ……」


 わたしたちは見つめ合う。


 今までで一番素敵なグラスジュール殿下。


 うっとりするわたし。


 でもこれはまだ始まったばかりのことだ。


 これからわたしたちは夫婦として一緒に過ごしていくので、もっともっとグラスジュール殿下の素敵な姿を見ることができると思う。


「リランドティーヌよ、それではこれから二人だけの世界に入っていく」


「お願いいたします」


 わたしがそう言うと、グラスジュール殿下が唇を近づけてきた。


 わたしも唇を近づけていき、唇と唇が重なり合う。


 そして、わたしたちは二人だけの世界に入っていく。


 今まで味わったことのない幸せな時。


「わたしはそなたのことが好きだ!」


「グラスジュール殿下、好きです!」


「大好きだ!」


「グラスジュール殿下、大好きです!」


「わたしはそなたのことを愛している!」


「グラスジュール殿下、愛しています!」


「わたしはそなたのものだ!」


「わたしはグラスジュール殿下のものです!」


「わたしはそなたを一生愛し続ける!」


「わたしもグラスジュール殿下を一生愛し続けます!」


 わたしたちは、こうしてお互いに愛を伝え合いながら、恋人として、そして、夫婦として最高の段階の一つに入っていった。


今回が最終回になります。


読んでいただきまして、ありがとうございました。




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