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第百三話 領民の幸せ

 わたしの使命はこれだけではない。


 フィリシャール公爵家内と領内の改革も進め、領民を幸せにしていくこと。


 それが、わたしの使命の一つだ。


 当主である父と継母による長年の搾取は、父と継母と異母妹の贅沢に使われ、フィリシャール公爵家領内の困窮・荒廃を招いていた。


 人々の多くは、貧困に苦しむ結果となっている。


 ボランマクシドル王国の直轄地よりも酷い状態だ。


 当主に就任したわたしは、領内のこの状況をすぐにでも改善しなければならなかった。


 領民の不満がたまり、反乱発生の機運が高まっていたからだ。


 わたしもプロジェクトチームを作り、改革をしていこうと思ったのだけれど。すぐ壁にぶち当たってしまった。


 というのも、改革の為の優秀な人材が足りないのだ。


 この領内にも優秀な人材自体はいる。


 その人たちがみな招聘に応じてくれればいいところなのだけれど、そういう人がほとんどいない状態。


 わたしの悪役令嬢としての印象がまだまだ強いということが一番の理由のようだ。


 招聘に応じたはいいが、そこでわがままを言われたり、傲慢な態度を取られたりして、つらい思いをするのは嫌だということだろう。


 自分では改善してきたと思っても、そのいい印象が浸透していくのは時間がかかるということだ。


 これが悪い印象であれば、一気に浸透していく。


 多くの人に浸透しているわたしの悪い印象も、あっという間に領内に浸透していったようだった。


 その印象を好転させれば優秀な人材が競って招聘に応じてくれるようになるのだろうけど、そこまで待つ時間的な余裕はない。


 招聘に応じてきた人は、わずか二人。


 面接をした結果、メンバーにすることができたものの、まだまだ足りない。


 その為、わたしはグラスジュール殿下にお願いをして、グラスジュール殿下のプロジェクトチームにいる人材の内三人ほどを、このプロジェクトチームと兼任してもらうことにした。


 この三人にはもちろん手当は出すものの、業務負担が増えることになり、申し訳ない気持ちになる。


 グラスジュール殿下にも協力をお願いし。快諾を得て、ようやくフィリシャール公爵家の改革はスタートを切ることができた。


 まずは財政再建。


 赤字額が膨らんいて、税率をいきなり昔に戻すのは、赤字をさらに膨らませることになるので、反対は多かったのだけれど、わたしは、


「今しなければならないのは、領民の負担をすぐにでも減らし、反乱の芽を摘むことです!」


 と強硬に主張し、その反対を押し切って減税を実施した。


 もちろんそれだけでは財政が苦しくなるだけだ。


 そこで、フィリシャール公爵家内の支出の切り詰めを行った。


 また、今まで、父・継母・異母妹が買いあさっていた高価な宝石・豪華なドレスなどの贅沢品を、すべて売り払った。


 もともとわたしは、豪華な食事を全くといっていいほどする機会がなく。豪華なドレスには縁がなかったので、こうしたことはすぐに決断できた。


 しかし、これだけでは根本的な財政再建はできない。


 領民を幸せにすることもできない。


 フィリシャール公爵家領内は、ボランマクシドル王国直轄領よりも税率が高く、しかも長期間それが続いていた為、産業もボランマクシドル王国直轄領以上に活気がなく、振るわなかった。


 そこで、わたしは、ボランマクシドル王国の改革案と同じく、


「主力である小麦の生産力の増強とともに、野菜や果物の栽培を奨励する」


「商業も発展させる為、規制を撤廃し、他国の商人を誘致していく」


 という改革案を立てた。


 それだけではなく、わたしは今まで活用されていなかった場所を活用しようと思っていた。


 それは、フィリシャール公爵家が持っている唯一の港。


 ここは、山がそばにあって風を遮る為、一年を通して波が静かな時が多い。


 しかも、水深も適度に深い為、大型船も入ることできる。


 フィリシャール公爵家の中心にも、馬車で半日ほどの距離。


 海沿いの道を通ることにはなるものの、道が狭いわけではないので、往来はそれほど難しいわけではない。


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