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第百一話 王国の改革

 グラスジュール殿下はプロジェクトチームの人たちとともに、小麦の収量を向上させる為に動き出した。


 まず水の問題を解決する為、灌漑設備の整備を行うことにした。


 そして、王国が中心となって小麦の品種改良と、農作業効率の向上に着手した。


 連作障害を避ける為、休耕地を作り、土地の生産性を回復させる対策を取った。


 それだけではなく、小麦のみという農業形態から脱却する為、トマト、ナス、ジャガイモ、キャベツ、キュウリを中心とした野菜、オレンジ、ブドウ、レモン、ナシ、イチゴと言った果物の作り方を農民に教え、農業形態の多角化を目指すことにした。


 小麦畑の一部を転用するとともに、新しい開墾地にこうした作物を作ることを奨励した。


 連作障害を防ぐため、休耕地を作るとともに、こちらでは輪作を奨励することにした。


 また、王都や各都市の商業を振興させる為々な規制を撤廃する方針を打ち出した。


 道路の整備と宿屋の整備を行い、他国の商人が訪れやすい環境も整えた。


 こうした施策に対しても、反対勢力が立ち向かってきた。


 財政に痛手を与えるということで反対をする人たち。


 農業というものは農民に任せておけばよく、王太子という立場の人が動くことではないということで反対をする人たち。


 ウスタードール殿下を推していた勢力がここでもこうした人たちに結びついてくる。


 しかし、グラスジュール殿下は、ここでも高圧的な話し方を抑えつつ、こうした人たちを辛抱強く説得し、推進していく。


 国王陛下とわたしもグラスジュール殿下に一生懸命協力をした。


 こうした施策の効果が現れてくるまでには、どうしても時間はかかるものだ。


 しかし、グラスジュール殿下が説得の為に大変な苦労をし、わたしたちがそれに一生懸命協力をした結果、グラスジュール殿下の方針は少しずつ理解されてきた。


 このまま進んでいければ、きっとボランマクシドル王国は発展し、素敵なところになっていくだろう。


 グラスジュール殿下はそう信じていたし、わたしもそう信じていた。




 わたしの方は、グラスジュール殿下の病気を治したということで、国王陛下とグラスジュール殿下から聖女と同じような扱いを受けるようになっていた。


 この王国にはもともと大聖女であるソフィディーヌ様が崇敬されている。


 しかし、聖女の認定とは別の話。


 ここ百年ほどは聖女が認定されることがないままだった。


 王室の多くの人たちが、


「世をまどわすもの」


 として魔法を嫌い、医療を重視していたことによるところが大きい。


 今の国王陛下も魔法を嫌っていた。


 しかし、グラスジュール殿下は、もともと魔法を嫌っていなかった。


 医療のできることには限界があり、魔法はその限界を打ち破ることのできる可能性があるものとして期待をしていたのだ。


 グラスジュール殿下は、もしその力を発揮するものがいれば、聖女に認定して国民の為に能力を発揮してもらうとともに、魔法を使える人材を養成していきたいと思っていた。


 わたしの力を認識した後は。国王陛下もグラスジュール殿下と同じ考えを持つようになった。


 そして、二人にとってわたしは、そういった願いをかなえてくれそうな存在だと認識された。


 二人のわたしへの願いは、わたしが大聖女様から示された使命と同じものだった。


 聖女認定は王都にある教会が行う。


 国王陛下とグラスジュール殿下がわたしのことを教会に申請し、それを教会の総司教が認定することになった。


 わたしは国王陛下とグラスジュール殿下とともに教会に向かった。


 この王国の王都の教会では、聖女についての知識はかなりの部分で持っていた。


 しかし、実際には、この百年もの間、聖女の認定どころか申請すらされたことがない。


 そこで、現在でも聖女が存在する王国にある教会の司教を派遣してもらい、対応をすることになった。


 教会の中にある部屋において、国王陛下とグラスジュール殿下、そして、王都の教会の総司教と派遣されてきた司教が見守る中で、わたしは病人たちに対し、治癒魔法を使用することになった。


 この病人は貴族と平民の二人で、かなりの重い病気にかかっている。


 ベッドに寝かされているのだけれど、衰弱が進んでいたので、治療を急ぐ必要があった。


 心配そうな付き添いの人たち。


 本人たちの了承を得て、治療を行う。


 わたしは心を穏やかにした後、治療魔法を使用していく。


 毎日の練習の成果で、一日ごとに魔法の力は増大してきていた。


 この人たちの病気が治りますように!


 そう強く思い、魔法の力を送り続けた。


 すると、あっという間に、二人は元気になっていく。


「リランドティーヌ様、ありがとうございます」


「リランドティーヌ様、ありがとうございます」


 涙を流して感謝の言葉を口にする病人たちと、その付き添いの人たち。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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