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漫才師 鈴佐 バレンタインの話

作者: 命野糸水

   漫才師 鈴佐 バレンタインデー


「どうも、鈴佐です。よろしくお願いします。さぁ今日はバレンタインですけど、鈴木はバレンタインの思い出なんかありますか」


「ありますとも。あれは2013年ですね」

「だいぶ前だね」


「バレンタインの日って一つでもチョコ貰えたらうれしいじゃないですか」


「それはそうですね」


「でもモテる子っていうのはいっぱい貰うんですよね。私はね60本貰った人を見たことがありますよ」


「本?個じゃなくて」


「ええ、個ではなく本です。いや佐藤、60個って多いですよ。日本記録ですよ」


「いや、多いけど本っていうのが気になるな。それに日本記録ではないだろ。もっと貰ったことある人たくさんいると思うし」


「いや、日本記録ですよ。フェンスの向こう側に60本は」


「それバレンティンの話」


「え?」


「それバレンタインの話じゃなくてバレンティンの話。チョコ関係ないから」


「ヤクルトの後ソフトバンクに移籍したんだよな」


「それもバレンティンの話だから。バレンタインに関係ある話して」


「2005年に日本一の監督になったんですよ」


「それ別のバレンタイン」


「でもチョコは関係してるだろ」


「確かにボビーバレンタインはロッテの監督だからチョコは関係してるけどバレンタインデーの話ではないから。野球から離れて」


「えー。なら学生時代のとある子のバレンタインデーの話します」


「初めからしてよ」


「その子は、隣のクラスの子でね、名前は個人情報の関係で太郎にしますけど」


「役所の記入欄かよ。太郎にするのね」


「太郎にはクラスに好きな子がいまして。その子は料理部に所属していてクラスで一番モテる子だったんですよ」


「モテ(じょ)だ」


「太郎はその子からチョコ貰いたいな。でも無理だよななんてバレンタイン前に私と会話しまして、私も無理無理諦めなよなんて言ってたんですけどね」


「鈴木ちょっと冷たいな。まぁ高根の花だから厳しいなって言うかもな」


「そしたらバレンタインデー当日にその子が太郎にチョコをあげたんですよ」


「おー、太郎にも春が来たんですね」


「太郎すごく喜んでたんですよ。本命だ本命だって。でも私は義理だと思うんですよ」


「鈴木さっきから冷たいって。本命だって思えよ。太郎の春を奪うなよ」


「だってね、その子が太郎にあげたものチョコボールですよ」


「あー、それは義理だわ。うん、それ義理」


「だろ」


「だって偏見かもしれないけど普通本命相手にチョコボールあげないからね。たぶん手作りチョコ渡すでしょ。その子料理部ならおそらく作れるだろうし」


「ただ、太郎は人が作ったもの怖くて食べられない時があるって言ってたんだよな」


「なら本命だよ。その子太郎が手作り苦手って聞いたんだろう。だからチョコボール渡したんだよ」


「でも太郎チョコボール嫌いですよ」


「なら本命でも義理でもなくいやがらせだわ。その子性格悪いな。期待させるなよ」


「でももらったの太郎がチョコボールの中で唯一好きなイチゴ味だったんだよな」


「なら本命だろ。普通興味ない子のチョコボールで好きな味なんか覚えないからね。それは本命だわ」


「でも太郎貰った時に当たればいいねって言われたらしいんですよ」


「それは本命か義理か分からないな」


「分からない?」


「だってチョコボールには金のエンゼル銀のエンゼルあるからさ。それのことを言ってるんでしょう。友達に渡すときも当たるといいねって言うからな」


「いや、エンゼルの話じゃなくて食に当たればいいねって」


「やっぱいやがらせじゃん。食あたりってことでしょ。その子太郎にいやがらせしてましたよ」


「でも太郎は喜んでましたよ。好きな人からチョコももらえて食あたりももらえるかもしれないって」


「太郎幸せ過ぎませんか。もうね結論は本命でも義理でもなくいやがらせです」


「でも義理だと思うな」


「鈴木、太郎が貰ったのはいやがらせ。義理でもない」


「だってその子クラスの男子全員に食に当たればいいねってチョコボールあげたらしいですから」


「なら義理だしその子はギルティ―しようとしてるじゃん。どうもありがとうございました」


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