表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/35

にゃんお迎え準備と禁煙と

 猫を飼うための準備を粛々と行う2人。

まずは保護団体の方から渡されたリストを基にいろいろ通販サイトで買い込む。

なんだかんだ揃えたら、部屋が狭く感じた。

「るこさん、お部屋少し狭くなっちゃいましたね。」

渚がちょっと悲しそうな声で、呟く。


「まぁ、仕方ないよ。これも猫たちの為と思ったら少し我慢しなきゃだよね

って、ちょっとなぎこっち来て!」

薫子は準備の終わりが見えてきて、ちょっとソワソワし始めた。


「どうしたんですか?」

と寄ってきた渚に薫子は急に抱き付いて、ギュッとハグをする。

「えぇっ?本当にどうしたんですか!」

「禁煙始めたでしょ、なんか急に虚無感というか口寂しくなるの。

でね、タバコ我慢するために、代わりに”なぎをギュとする”作戦。」

薫子はふぅと安堵のため息をつく。


この人は全く、と渚は心で思う。

「私がいない時はどうするんですか? 学校やバイトで結構いないですよー。」

「会社ではひたすらがまん。家では猫ちゃんを"くんくん"する。」

「猫ちゃんもいい迷惑ですよー。猫ちゃんが嫌がらなかったら、まぁ少しなら許せるかなぁ。」

「ありがとう、なぎ様ー。」

「あくまで短時間ですよ。猫が嫌がったらすぐ離してあげてくださいね。」

最近はどっちが年上か分からない時がある。

元々、人見知りの薫子がこんなにも心開くのは本当に珍しい。

というか、初めてかもしれない。

それだけ、渚の事を信頼しているということだろう。


 準備もあらかた終え、キッチンでコーヒーを淹れてソファーで(くつろ)ぐ2人。

薫子はサイドテーブルから無意識にタバコを探していた。

「くぅ。タバコ吸いたいー。」

「はいっ!」

といって、渚から薫子に抱きついた。

「あぁ、安心するぅ。落ち着くわぁ。」

「もう、るこさん、私がいなかったらダメダメじゃないですか!」

「ダメでもいいもーん。なぎがずっといてくれたら解決だもん!」


「また、そんなこと言ってぇ。仕方ないですね。」

「仕方ない大人です。許してくださーい。」

じゃれ合いながらも、2人とも猫が来てくれるのが待ち遠しかった。


薫子は改めて、部屋を見渡すと、やっぱりリビングに圧迫感を覚えた。

ケージに猫トイレだけでもやっぱり、場所をとるからそう感じるのは同然だ。

もし飼える事になったら、そのうち引っ越しも考えた方がいいかもしれない。

でもまずは、猫ちゃんたちが私たちとこの環境に

慣れてもらえらたらラッキーくらいに思っておこう。

そう思うのであった。


 それから数日、渚は大学とバイトに、薫子は来月に取材の出張が入ったので

それぞれに忙しくも穏やかな日々を送っていた。

そして、ついに、トライアルの日がやってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ