猫カフェ
ある日曜日、日曜日は渚はバイトは休みにしている。
薫子は言わずもがな休みだ。
前日の夜に、とある猫を撮影する動物カメラマンの番組をTVで見ていた。
2人とも動物は好きだが、1人暮らしでは飼うのが難しかった。
特に薫子は出張が多いので無理に近い。
思い立ったが吉日、「猫カフェ」に行ってみようと話になり、
さっそく近くの「猫カフェ」を探す。
電車で数駅行ったところに、保護猫で構成された「猫カフェ」がある。
希望があれば、トライアルなどを経て譲渡も可能という
お店だった。
まずは譲渡など考えず、ふれあいを楽しむために遊びに行ってみる。
「ルコさんって動物飼ったことあるんですか?」
おもむろに渚が聞いてくる。
「実家にいたことは、中型犬1頭と猫が2匹いたよ。
だから、こうして猫カフェにいけるの楽しみなんだ。」
薫子は目をキラキラさせて話をしている。
渚は薫子がかなり動物好きだと思った。
「実は私、動物飼ったことが無いんですよ。だからドキドキで。」
「そうだったんだね。動物飼っていると、日々の癒しって感じだよ。」
「そうなんですか!どんな感じか気になります!」
「きっと楽しいと思うよ。」
薫子は自分の経験をから、動物の居る暮らしを渚にも体験して欲しいと思った。
「猫カフェ」へ向かって電車にのる。数駅行ったところにある。
そこのお店では、お店の玄関的なところで上着を脱ぎ、2重に扉があって
1重目で、靴を脱ぎ、服や靴下を消毒スプレーをしてから、やっと
猫たちが寛ぐスペースに入れる。
会計を済ませ、貴重品をしまい、手を丁寧に石鹸で洗ってから
いよいよお待ちかねの猫ちゃんたちとのふれあいタイムだ。
おもちゃは用意されているものを適宜使っていいとのことで
早速、紐のおもちゃを取り出してみる。
猫たちは思い思いの場所で寛いだり、おもちゃで遊んだり
寝転がったりしている。
「ルコさん、猫ちゃん、いっぱいいますねー!触って大丈夫ですか?」
店員さんが優しく
「そっと撫でていただければ大丈夫です。猫たちも喜びますよ。」
と声を掛けてくれた。
「なぎちゃん、床で寝そべっている子とか、静かにしているから撫でても大丈夫だよ。」
渚はそっと、そっと撫でてみる。何とも言えない柔らかい体毛と
温かい体温がじんわりと手に伝わってくる。
「ルコさん、すごく可愛いです。おとなしいですねー。」
「ここの猫ちゃんちは人間に慣れているみたいで、みんな大人しくていい子だねー!」
「撫でていたらゴロゴロいっています。これはどういう意味でしょうか?」
「嬉しいんだねぇ。嬉しいとゴロゴロ言うんだよ。
なぎちゃんはネコキラーだね。」
「やったー!ネコキラーの称号もらえた!!」
無邪気な姿の渚に、薫子は思わず笑みを浮かべる。
薫子はおもちゃの紐で器用に猫をじゃらしていた。
「ルコさんは流石に慣れていますね。猫のおもちゃの扱いも上手ですねー!」
「ありがとう!実家で遊んでいたからね!」
楽しい時間もあっという間、選んだコースの1時間が来た。
店員さんに声を掛けて、手を洗って部屋を出る。
帰り道を歩きながら、薫子は渚に嬉しそうに話しかける。
「ルコさん、猫ちゃんたちすごく可愛かったです!また来たい!」
「おっ、やっと敬語がなくなってきたね!うん。猫ちゃんたちすごく可愛かったね。
それに人間にとっても懐いててどの子もすごくいい子だった。」
「へへっ。敬語もそろそろ卒業かなって思って。
猫って自由気ままなところが可愛いよね。」
渚は、だいぶ心を渚に許せるようになり敬語も自然と消えていった。
「そうなんだよね。犬はすごく従順なんだけど、猫は自由気まま。
そこがワンちゃんとは違って、すごく可愛いんだけどね。それに小さい!」
「うん。小さい!私たち、猫ちゃん飼うことできるかなぁ。」
渚は叶うか分からない願望をそっと呟いてみる。
「きっと、いつか飼えると思うよ。その準備、少しずつ、始めてみようか。」
「それ、賛成!ルコさんが出張でも、私がいるから大丈夫だよ!」
「心強いなぁ。じゃあ、家に帰ったら、早速計画立てようね。」
薫子は実家で猫を飼っていたことを思い出しながら何が必要か
考え始めていた。キャットタワー置くなら場所を確保しないとな。
これを機に、読まなくなった本を処分しようかな。
などと考えている。
猫が飼える日もそう遠くないかもしれない。




