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日本全国鐵輪巡礼 ~駅夫と羅針の珍道中~  作者: 劉白雨
第玖話 羽咋駅 (石川県)
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玖之弐


 サンダーバードが入線する4番線に降りてきた旅寝駅夫と星路羅針は、5号車の乗車位置で待つ。座席番号は5号車の9Dと9Cで、今回も琵琶湖側が取れた。


 大阪発、敦賀つるが行きのサンダーバード683系の流線型先頭車が入線してくると、二人とも思わずカメラを向けていた。

「前回乗ったときとは、違う列車なんだな。」

 駅夫が言うのは、この旅で最初に行った近江今津へ向かうときに乗ったサンダーバードを指している。

「ああ、あの時は戦隊物の顔みたいな、のっぺりした先頭車だったか。

 形は違うけど、シリーズは一緒だよ。この前見たのっぺり型と、この流線型の2種類があって、色んな組み合わせで走ってるみたいだね。」

 羅針が応える。


 扉が開き車内に入ると、二人が座席に着く前に、列車は走り出した。

 二人は、荷物を降ろし、席に着くと、駅夫が早速豚まんの箱を袋から出す。

「やっぱり冷めないうちに食べたいもんな。」

 駅夫がもう待ちきれないとばかりに、付属のお手拭きで、手を拭き始めた。

「まったく、餌が待てないワンちゃんかよ。お手。」

 羅針が笑いながら、駅夫の前に手を出す。

「何がお手だよ。」

 駅夫は怒りながら、羅針の手にお手拭きを置いた。

 駅夫がほんのり熱い豚まんの入った箱をテーブルの上に置いて、蓋を開けると、閉じ込められていた湯気が、中からモアっと上がる。


 駅夫が一つ箱から取り出し、一口食べる。

「そこまで熱くないな。丁度良い感じだ。……って、美味い。」

 それを見た羅針も、一つ取って食べた。

「うん。確かに美味い肉まんだな。おっと、豚まんか。

 もっちりとした生地にほんのり甘味があるのが良いし、豚肉と玉葱にきちんと食感があるのが、丁寧に作られてるって感じがして良いね。多分機械で大量に作ってるだろうけど。」

 羅針はそう言って笑った。

「それにしても、肉まんを豚まんとか、なんかややこしいな。関西人が関東に来て、肉まん頼んだら、豚まんが出てきて、詐欺とか言うのかな。」

 駅夫が、関東と関西で豚まんと肉まんの扱いが違うことに、一言言いたそうにブツブツ言っている。

「〔肉〕って言葉に対する認識の違いだろうな。」

 羅針が言う。

「なんだそれ、だって肉と言ったら肉だろ。牛も、豚も、鶏も、何なら羊、鴨、熊、鹿だって全部肉だろうよ。言ったら魚だって魚肉って言うぐらいだから肉の一種なんだぜ。」

「でも、俺たち関東育ちは、肉まんと言ったら、何を思い浮かべる?豚肉を使ったマントウを思い浮かべるだろ、それと同じことだよ。」

「確かに、それはそうだけど、なんか納得いかねぇよな。」

 羅針の言葉に、駅夫がブツクサ言っている。

「お前が納得いかなくても、関西では〔肉〕が牛肉を指すってだけだよ。神戸とか近江とか、牛肉の一大産地が色々集まってるから、食卓に牛肉が上ることが多くて、肉イコール牛っていう認識になったっていうし、単なる習慣の違いってだけだろうよ。」

 羅針はどこかで仕入れた知識を受け売りして、追い打ちを掛ける。


「じゃ、なにか、関東人は貧乏だから、牛肉は特別扱い、関西人は牛肉しか食べないから、豚は肉じゃないって言いたいのかよ。関西人は御貴族様きどりか。」

 駅夫がなんだか変な方向で憤り始めた。ただ、そんな文句を言いながらも、既に半分以上豚まんを美味そうに食べ終えていた。

「そうじゃなくて、逆だよ。関西人にとっては豚肉が高価だから、特別扱いなんだよきっと。」

 羅針が適当なことを言って、駅夫を宥める。

「そうなのか。関西では豚肉の方が高級肉なのか。それは大変だな。」

 そう言って、駅夫が半分納得したような様子を見せて、騙された。

「知らんけど。」

 羅針は、ぼそりと関西人がよく使うフレーズを真似た。

「ん?」

 駅夫は聞こえなかったのか、豚まんを頬張りながら、羅針を見る。

「ああ、この豚まん美味いなって話。」

 そう言って羅針は誤魔化し、とぼける。


 そんな茶番を言い合ってる間に、列車は京都に到着した。

「そう言えば、2週間前か。京都からこの特急に乗ったのは。」

 駅夫が2つ目の豚まんを口に運びながら、感慨深げに言う。

「ああ、もう2週間が経つんだな。」

 羅針も、2つ目の豚まんに手を伸ばしながら応える。

「なんか、もう既に懐かしく感じるな。竹生島ちくぶしまだよな。桜の時期は絶対行くからな。」

 駅夫が何かの決意のように言う。

「まだ言ってるよ。いつまで覚えていることやら。」

 羅針は呆れたように言う。

「お前が覚えておいてくれないって言うから、絶対忘れないようにしてるんだよ。絶対。」

「まあ、がんばってな。」

 そう言って羅針は笑う。


 そんなことを言っている間に、京都を出た列車は、湖西線へ向けて爆走を始める。

「弁当食べるか。」

 豚まんを食べ終えた羅針が、お茶を飲んでいる駅夫に聞く。

「ああ、食べようぜ。楽しみにしてたんだから。但馬牛たじまぎゅう。」

 駅夫はそう言うと、姫路駅で購入した弁当の袋を開ける。


 パッケージの横に但馬牛について説明があった。それによると、但馬牛たじまうしとは黒毛和牛の最高峰で、兵庫県から全国に素牛もとうしとして子牛が売られていき、全国のブランド牛へと肥育されるのだという。ちなみに生体を〔うし〕、牛肉を〔ぎゅう〕と言うそうだ。


「これは美味いぞ。」

 早速手をつけた駅夫が唸っている。

「まじか、……ああ、確かにこれは美味い。関西風の味付けなんだろうけど、この甘辛い味付けが良いな。」

 羅針も、一口食べてみて、唸るように言う。すっかり冷めてしまっていたが、甘辛で濃い味付けの但馬牛が表面にたっぷりと敷き詰められ、アクセントとしてシシトウの素揚げが載り、箸休めのタクアンやナマスの漬物が美味いのもポイントが高い。

「これ下に敷いてあるの、舞茸と榎茸だよな。」

 駅夫が牛肉の下に敷き詰められたキノコ類を指して言った。

「多分そうだね。この舞茸と榎茸から出る出汁が、この美味さに繋がっているのかも知れないな。」

 羅針は、そう言って食べ進めていく。

 二人は景色そっちのけで、あっという間に平らげてしまった。

「美味かったな。おかわりしたいぐらいだ。」

 駅夫が腹をさすり、お茶を飲みながら、そんなことを言う。

「そんなに喰ったら太るぞ。」

 羅針はそう言って笑い、お茶に手を伸ばした。


 列車は近江今津を通過しようとしていた。

「この景色を2週間前に見たばかりなんだよな。なんかすげぇ懐かしく感じる。」

 駅夫が、まるで長年来ることが出来なかった、故郷の景色を見るような眼差しを車窓に向けて呟いた。

「ホント、ここが最初の目的地だったからな。なんか感慨深いな。」

 そう言う羅針も、駅夫と同じような目をしていた。


 列車は、そんな二人の気持ちに忖度することなく、猛スピードで近江今津の駅を通過し、山間部へと駆け抜けていく。前回来た時は折り返した近江塩津も、駅の様子を視認する間もなく通過し、全長5173mの新深坂しんふかさかトンネルに入っていく。関西と北陸を隔てている野坂山地のさかさんちを、このトンネルであっという間に潜り抜けると、そこは北陸路、敦賀駅はもう間もなくである。


 終点の敦賀駅は北陸新幹線の開業に伴い、大きくリニューアルされ、一階に在来線、二階が乗り換えコンコース、三階が新幹線ホームとなっていた。

 在来線特急は新幹線の真下に造られたホームに到着するため、そのままエスカレーターで上へ上へと向かうだけである。

 標準乗り換え時間は8分とあったが、次の新幹線まで乗り換え時間は30分程あるので、慌てることはない。

 二人は、新しくなった敦賀駅を、まるで田舎から出てきたお上りさんの如く、足早に乗り換えを急ぐ人々の流れから外れ、キョロキョロ見て廻った。

 二階のコンコースにはコンビニとお土産物屋があり、ひやかしがてら覗きに行く。北陸定番のお弁当類から、お菓子の詰め合わせなどが揃っていた。弁当を食べていなければ、マス寿司やかに飯などの定番弁当を購入していただろうが、流石に今は二人とも腹が一杯で、美味そうとは思いながらも買う気にはならなかった。


 真新しく綺麗で清潔なお手洗いに寄って、乗り換え改札口を潜り、新幹線ホームへと上がってくると、2面4線の新幹線ホームに出てきた。今は金沢、東京方面にしか行けないが、ここがいずれ延伸して、京都、大阪方面、そして何十年か先には出雲方面に延びる可能性もあるのだ。


 二人は14番線ホームで、青と金のラインが印象的なE7系のかがやき512号に乗り込む。路線は新しいが、車両はもう何年も使用されているため、もちろん新しさはない。それでも、新路線に乗るというのはワクワクするものである。

 全席指定で、グリーン車やグランクラスもあったが、40分程の乗車時間ではもったいないので、普通車の3号車、7E、7Dにそれぞれ座を取った。この席は進行方向右側で、山側になる。


 敦賀駅を出発した列車は、すぐに長いトンネルへと入っていく。

 元々、旧北陸本線は、敦賀と今庄いまじょうの間に聳える鉢伏山はちぶせやまを避け、海岸部に近い杉津すいづ回りの旧線を使っていたが、スイッチバックを駆使する難所だったこともあり、これを廃止して、1962年に北陸トンネルを開通させ、所要時間を大幅に短縮させた。当時、科学文明発展のシンボルとして、地元は大いに賑わったという。

 しかし、文明の発展はプラス面だけではない。1972年には急行きたぐにの食堂車で火災が発生し、運悪くこの北陸トンネルを通過中だったため、30人の犠牲者を出した。今でもこの区間で不思議なことが起こると、犠牲者の亡霊の仕業だとまことしやかに語られ、心霊スポットとしてもマニアの間では名が通っているようである。


 現在、その北陸トンネルはハピラインふくい線として、新たなスタートを切った。だが、その隣には、全長19,760mに及ぶ新北陸トンネルが新たに開削され、北陸新幹線がこれを10分程で通過してしまう。昔の難所が、今やあっという間に通り過ぎることが出来るのだ。まさに科学文明の発展である。


 新北陸トンネルを抜けると、越前たけふ駅をあっという間に列車は通過し、次第に福井の街並みが近づいてくる。福井駅到着の車内放送が流れると、田園風景だった車窓が、街の賑わいへと変わった。

 福井と言えば、今は恐竜というイメージがあるが、昔から交通の要衝で、日本海側の重要な拠点として栄えてきた。北陸と関西を繋ぐ重要な拠点だったことを思うと、歴史の重みをヒシヒシと感じられる。

 やがて、列車がホームに入線すると、ホームの向こうにチラリと見えた屋上公園の恐竜像が、古代と現代を繋ぐ境界線を象徴しているようにも感じた。

 ただ、この歴史ある地を新幹線であっという間に通り過ぎてしまうのは、少しもったいない気がした。


 福井を出発すると、列車は次々と駅を飛ばしていく。芦原温泉あわらおんせん加賀温泉かがおんせん小松こまつと、北陸に居並ぶ温泉郷が、ひっそりと車窓の向こうに佇み、温泉の湯気が立ち上り、ゆったりとした時間がそこにあるはずなのに、列車はそれを味わう間もなく通り過ぎていった。


 時折トンネルの暗闇に飲み込まれ、外の景色が一瞬途切れる。しかし、トンネルを抜けるたびに、窓の向こうに広がる山々が傾き始めた夕陽に染まり、反対側の窓には、一瞬だけ顔を見せる日本海に、揺れる波がまるで時間を止めたかのように静かに輝いていた。その美しい景色を観賞する短いひとときに、二人は旅をしているという実感と喜びを感じていた。


 金沢駅が近づき、新幹線の旅路が終わりを告げるように到着放送が入ると、物足りなさを感じ、後ろ髪を引かれながらも、二人は目を合わせて降りる準備を始めた。


 金沢駅に着いた列車を降りると、目の前にはどこか豪華な雰囲気のある、加賀100万石の中心地に鎮座する駅が広がっていた。二人が以前から来たかった場所でもあり、これが金沢駅かと、感慨も一入である。

 感動もそこそこに、乗り換え時間が20分程しかないため、あまりのんびりはしていられないと、二人は急いで乗換え口へと向かった。


 しかし、12番ホームから降りてきた二人はすぐ目の前にある乗換え口を見て、そんなに慌てる必要がないことを悟る。乗換え口の向こうには、IRいしかわ鉄道に上がる階段とエスカレーターが並んでいたからだ。乗り換えには5分も必要ない。


「そうだ、鉄印帳の記帳をしていこうぜ。」

 羅針が急に思い立ち、乗換え口へそのまま向かおうとする駅夫に声を掛ける。

「鉄印?」

 駅夫は忘れてしまったのか、ぽかんとしている。

「ほら、九州の大刀洗たちあらい駅に行ったときに、甘木あまぎ駅で記帳して貰っただろ。これだよ、これ。」

 羅針が、鞄から紺色の鉄印帳を取り出して駅夫に見せる。

「ああ、それね。ここでも記帳して貰えるのか。」

 駅夫がどうやら思い出したようだ。

「ああ、ここで貰えるよ。ただ、一階の改札口を出て、案内カウンターに行く必要があるけどね。」

 羅針が少し手間が掛かることを説明する。

「それなら急ごうぜ。」

 駅夫はそう言って、乗換え口に向かっていた足を、一階へ降りる階段へと方向転換した。


 一階に降りてきた二人は、新幹線改札口を一旦出て、IRいしかわ鉄道の案内カウンターへと向かう。

 窓口でカウンターの女性に、鉄印帳の記帳をお願いすると、〔乗車来駅記念 未来へ伸びる愛ある鉄道〕と書かれた紙にスタンプを押して、渡してくれた。

 料金を払うと羅針は紺の鉄印帳に、駅夫は臙脂の鉄印帳にそれぞれ挟んだ。


「これで二路線目だな。」

 羅針が嬉しそうに、貰ったばかりの鉄印を眺めている。

「これで、このIRいしかわ鉄道は制覇か。」

 駅夫がそう言いながら、バッグに鉄印帳をしまう。

「ああ、そうだな。一応この金沢駅の他に、津幡つばた松任まつとう小松こまつ加賀温泉かがおんせんの4駅で記帳して貰えるけど、一路線一鉄印が原則だからな。書き置きなら貰えるかも知れないけど、鉄印帳以外への記帳は原則禁止だから、集印帳とか御朱印帳にはして貰えないし、鉄印帳に空きがなければ、貰えないんじゃないかな。だから、これで制覇と言うことになるな。」

 羅針がそう説明して、鉄印帳をバッグにしまう。

「そういうことか。御朱印なら貰いたいだけ貰えるけど、記帳する場所が決まっている鉄印帳だとそういうことになるのか。」

 駅夫が納得いったような、いかないような、何とも言えない表情で呟く。

「まあ、そういうことだろうな。それよりも、まだ少し時間があるから、駅前のあれ見に行こうぜ、折角だし。」

 羅針が駅夫を誘って駅の外に見えてるあれを指差す。

「ああ、いいね。」

 羅針が指差す先を見た駅夫は、羅針について歩き出す。


「でもさ、こういうのって、全部集めたいって思うんだよな。全駅制覇したいじゃん。単なるスタンプ集めじゃない、思い出集めだし、旅の記録だし、自分がその場所に訪れた証明にもなるんだからさ。」

 駅夫は歩きながらも、まだブツブツ言っている。

「確かにな。全駅集めたいっていうのが人情だとは思うけど、諦めな。全部コンプリートしたら貰える認定証ってのがあるから、どうしても不正取得防止のためにはやむを得ないし、人気があるから、人が殺到して各鉄道会社の負担を増やしたくないだろうし、そのための仕組みだからな。」

 羅針は少し足早に歩きながら、そんな風に分析して言う。

「まあそうだよな、そんなところだろうな。世の中悪巧みする奴はいるからな。いくらでも貰えるってなったら、金に飽かして何枚もって奴は必ず出てくるだろうし、不正し放題ってことになりかねないしな。まったく世知辛いよな。」

 そう言って駅夫はどうやら納得したようだ。

「とにかく、これでIRいしかわ鉄道の鉄印はゲットしたんだから、この後は乗車体験を楽しもうぜ。でもその前に、これだよ。」


 二人の目の前にあったのは、金沢駅の新しいシンボル〔鼓門つづみもん〕である。高さ13.7m、天幅24.2mの巨大な門は、二人を圧倒した。見上げる程の門の柱は、まさに鼓を模した形状で、〔調べ緒〕と呼ばれる構造が、迫力ある形で再現されていた。

 この鼓門は長野から北陸新幹線が延伸してくる際に、駅の改修工事に合わせて建築された新しいシンボルである。

 この門を潜ると、新しい金沢駅とその先にある古くからの街並みを繋ぐタイムトンネルのような、そんな感覚になった。


「ここが加賀100万石の街、金沢か。」

 羅針が感慨深げに呟き、あたりを見渡す。

「まさに、古き良き日本と、新しい日本が融合したって感じだな。」

 駅夫もあたりを見渡して、北陸新幹線が開業してから大きく変わったであろう金沢駅前の景色を目に焼き付けていた。

「ここを、武士や町人が闊歩してたかと思うと、ホント歴史の長さを感じるよな。」

 羅針も感慨深げに呟く。


 駅前の巨大なバスロータリーには、帰宅ラッシュに掛かる時間帯とかぶったので、観光客に加えて地元の通勤、通学の客が長蛇の列を作っていた。また、鼓門から見える噴水時計の先にある大通りの交差点では、渋滞の始まった車が隊列を組み、信号の指示に従って順序よく捌けていた。


「おっと、時間、時間。さっさと写真撮っちゃおうぜ。」

 羅針がスマホで時間を確認すると、次の列車の発車時刻まで後10分を切っていた。


 二人は門の周囲で何枚か記念撮影をし、噴水や金沢駅前の様子を、慌ただしくカメラに収めた。このまま加賀100万石の街、金沢を満喫するために、街に繰り出したいのをぐっと堪えて、再びIRいしかわ鉄道の改札口に、急いで戻っていった。



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