捌之参
6時間近くの旅程を終え、旅寝駅夫と星路羅針は、初めて降り立つ地がどんなところなのか、期待に満ちた眼差しであたりを見回しながら列車を降りた。
「漸く着いたな。」
ホームに降り立った旅寝駅夫は、伸びをしながら呟く。
「ああ、お疲れさん。」
羅針も伸びをしながら応える。
大きな駅構内は、鉄道施設が変わりないため、どこの駅も停まってる列車以外は、案内板や看板などの文字や写真などで、その駅の雰囲気の違いを感じ、人々の雰囲気の違いを観察するに留まるが、こうして単線のホームに降り立つと、周囲の景色が見渡せるため、その地独特の雰囲気を直接感じることができるのだ。
線路を挟んで小さな駐車場があり、道路を挟んでその奥にはどこかの会社の工場のような建物があった。更に目を遠くにやると、周囲が山に囲まれた、閑静な住宅街であることが分かる。
1962年に開業したこの駅は、赤穂線が伊部駅から延伸したときに開業した。開業当時から無人駅ではあるが、駅前広場に、ロータリー、バリアフリートイレを備え、一日平均乗車人員は200人から300人を推移している。
この香登という地名は、カガを草地とする説や、崖の下を意味する懸処が転じたという説があるようだ。
この地は吉井川の流域にあることから、草地が広がっていたということは充分あり得るし、その特徴を地名にしたというのは充分考えられる。
また、周囲に山が広がる地域でもあることから、懸処と呼ばれ、その崖が崩れないように止める〔懸止〕が、香登に変化したというのも充分ありうる説である。
二人は駅名標と一緒に、いつものように記念撮影をし、階段を降りて駅前ロータリー側からも撮影する。
「で、この後どうするんだ。着いたら予定を教えてくれるんだろ。楽しみにしてたんだから。」
一通り撮影を終えると、駅夫がそう言って、期待に満ちた顔で羅針を見る。
「もちろん。この後は、石長姫神社と大内神社が徒歩圏内にあるから、それぞれ参拝して、16時半の列車で隣の伊部駅に向かい、そこで投宿だね。で、明日は登山を考えてる。」
「なるほどね、また神社巡りか。って待て、明日は登山だって?」
駅夫は危うく羅針の最後の一言をスルーしてしまうところだった。
「そうだよ。なにせこの周辺の観光地はハーバーがある、5駅先の日生駅周辺に集中してて、この香登駅周辺だと、熊山あたりが唯一の観光地なんだよね。隣の長船に刀剣博物館があるけど、入館には予約が必要だから、ここは選択肢から外れる。で、残るは熊山というわけだ。熊山周辺には神社もあるから、そこを巡ってくるコースで、予定では大体10時間かな。」
「まじか。10時間も歩きっぱなしじゃないよな。」
駅夫が目を見開いて聞いてくる。
「それはないよ。当然、お昼含めて休憩は取るし、各所で参拝、見学時間もあるし、予備時間も入れての10時間だから、実質歩くのは7時間位の行程だね。」
駅夫がざっくりとした行程時間を告げる。
「まじでそんなに掛かるのかよ。ところでさ、もしかして、この目の前にある山に登るのか?」
行程時間に驚きつつも、駅夫がここから見える、目の前に聳え立つ山々を指して聞く。
「もちろん。大した高さじゃないだろ。でも、低山とは言え山登りだから、きちんと準備して登るから、そのつもりでな。」
駅夫の驚き、慌てように、意を介さないように羅針は答える。
「だから、ちょっと待てって、まじで登山するのか?」
「ああ。500m程の山だから、高尾山よりも低いぞ。」
高尾山は以前二人してハイキング気分で登った、東京郊外にある山で、標高は599mである。年間登山者数270万人は世界一を誇る、人気の観光地である。
「一応確認しておくけど、レインウエアはあるよな。ビニール製じゃない、ちゃんとした奴な。」
羅針が持ち物を確認してきた。
「ああ、一応持ってる。」
駅夫は聞かれるがままに応える。作業者向け用品を扱う店舗で購入し、ずっと愛用してるのを持ってきていた。
「それと、ヘッドライトは流石にないよな。」
「いや、持ってる。」
「流石に、トレッキングポールは持ってないよな。」
「それもある。」
羅針が聞いたものを駅夫はすべて用意していた。夜道を歩くこともあるかも知れないし、災害に巻き込まれることがあるかも知れないと、頭に付けるヘッドライトは用意したし、長距離を歩く可能性を考えて、トレッキングポールは用意しておいたのだ。
「まじか、だからこの大荷物なのか。漸く合点がいったよ。まさかと思うけど、寝袋とか持ってたりしねぇよな。」
「あるよ。一番底に入ってる。」
当然、寝袋も用意しておいた。なにせ、行き当たりばったりの旅である。野宿の可能性は大いにあるし、野宿にならなくても、駅のベンチで始発待ちなんて可能性も考えて、一応用意してきた。
「マジかよ、そりゃこの大荷物にはなるはな。」
羅針は駅夫の背中に聳え建つ巨大なザックを見て言った。
「準備万端だろ。何があっても問題ない。」
駅夫がドヤ顔で言う。
「お前らしいや。とにかく、明日の登山に必要なのは、防寒着に合羽とライトぐらいで充分なんだけど、取り敢えず装備はそれで問題ないから、明日の朝、水と食料を調達して登るから。」
羅針は、少し呆れたが、取り敢えず必要なものと予定を伝えた。
「ホントに登るのか。面倒くせぇなぁ。」
羅針の説明を聞き終えた駅夫はまだ、ブツブツ文句を言っている。
「おいおい、そんだけ準備万端で、面倒くせぇはないだろ、面倒くせぇは。って、そう言えば、お前はそうやって嫌々を力に変えるタイプだったな。」
「そんなことねぇよ。面倒くせぇものは、面倒くせぇよ。この準備は登山するために準備したんじゃねぇし。」
「そうか? まあ良いや。じゃ、早速1つ目の神社、石長姫神社に向かうとするか。」
「了解。了解はするけどよぉ……、ってちょっと待てよ。」
日程を言うだけ言った羅針は、岩長姫神社へ向けてさっさと歩き始め、駅夫はブツクサ言いながら、慌てて追いかけた。
「でもさ、なんか選択肢がいくつかあるとかなんとか言ってなかったっけ。」
駅夫が、羅針に追いつくと、歩きながら聞いた。
「ああ、選択肢はあったよ。でも、お前の準備の良さに、その選択肢は全部消えた。」
羅針は、駅夫の問いに、笑いを堪えながら答えた。
「なんだよそれ。どういうことだよ。」
「実は、レンタカーとか、レンタバイク、それかレンタサイクルって手も考えてたんだ。ただ、レンタサイクルはこれから行く伊部駅にあるらしいけど、流石に山道をチャリは辛いだろ、で、レンタバイク、レンタカーって話になるんだけど、借りられる場所が近場にないから、わざわざ遠方へ行かなきゃいけないんだよね。もし、装備が整ってないなら、それも仕方ないと思ったけど、装備が整っているなら、別に借りに行く必要ないかなと、こういう訳だ。」
「こういう訳だ、じゃねぇよ。じゃ、俺が準備万端だったから楽はできなくなったってことかよ。」
「そういうことだね。」
羅針が堪えきれずに笑っている。
「まじかよ。分かった。お前がそう言うなら、ここで全部捨てていくから、レンタカーにしようぜ。運転はもちろん俺がするからよ。借りに行くのが大変なら、俺が借りに行ってくるからよ。頼むよぉ。」
駅夫が懇願するような眼差しを羅針に向ける。
「だぁ~め。そんな物捨てていって、誰が片付けるんだよ。」
「そうだけどよぉ。まじかよぉ。本当に慈悲がねぇよなお前。」
「慈悲は生まれた時に、お袋の腹ん中に置いてきたからな。」
「マジか、道理で冷酷無比なわけだ。」
そんな茶番を言い合いながら、二人は岩長姫神社へと向かっていく。
「冗談は置いといて、真面目な話、車で行くにしても、もの凄い狭い山道を上がっていくことになるから、慣れない車で慣れない道は危険だろ。俺が運転するにせよ、お前が運転するにせよ、できれば避けた方が良いことは確かなんだよ。ほら、これ見てみろ。」
羅針がそう言って、山頂近くまで行く山道の画像をスマホで見せる。
そこには舗装されているとはいえ、両脇が崖になり、ガードレールも何もない道が写っていた。
「これマジか。こんなとこ流石に運転はしたくねぇな。ちょっとミスったり、対向来たりしたら一発でアウトじゃん。こんなとこでバックして、ちょっとでもはみ出したら、谷底へまっしぐらだよ。」
駅夫が写真を見て恐怖に戦いた。
「だろ、だから車は最終選択だったんだよ。車で行けなくはないけど、事故の恐怖に怯えながら登るより、辛くてもゆっくりと自然を満喫しながら登る方が、何倍もマシだろ。」
羅針が論破した時にいつも見せるドヤ顔で、駅夫に畳みかける。
「分かったよ。車は諦めるよ。」
駅夫はとうとう完全に折れた。
途中国道2号線を越える歩道橋の上から、新幹線が通り過ぎるのを眺め、再び閑静な住宅街を抜けて歩いて行き、突き当たりの道路を右へ曲がる。
この道路は、幅4m程しかないが、〔西国街道〕という立派な街道である。山陽道とも称される、江戸時代に整備された、京都から下関、もしくは太宰府まで続く街道である。
車一台擦れ違えない狭さであっても、ここを大名が参勤交代の度に通り、飛脚が駆け抜け、旅人が行き交ったのだ。当時の面影を残すものはほぼ残っていないが、立派な門構えの邸宅や、漆喰塗りの壁と虫籠窓などを設えた古民家に、往時の面影を僅かに感じることはできた。
岩長姫神社に着くと、常夜灯と立派な樹木が二人を迎えてくれる。
岩長姫とは、〔古事記〕では〔石長比売〕と表記し、〔日本書紀〕、〔先代旧事本紀〕では〔磐長姫〕と表記される日本神話の女神様である。大山津見神の娘で、木花之佐久夜毘売の姉である。
神話によると、岩長比売と木花之佐久夜毘売は、共に天孫邇邇芸命に嫁いだ。しかし、邇邇芸命は岩長比売を、醜女は要らないとして、父の元へ送り返してしまった。それに怒った父、大山津見神は、岩のように長生きする岩長比売を蔑ろにした報いとして、邇邇芸命の寿命が短くなるだろうと告げた。
これが人類短命の起源であるとされる神話である。
「その長命の岩長姫を祀っているのがこの神社ってことか。」
駅夫が羅針の説明を聞いて確認する。
「そういうことだな。ある地方では、木花之佐久夜毘売を褒めたりすると、不幸にあったり、不作や不漁になったりするなんていう信仰もあって、手厚く祀られているらしいよ。全国的に色んな話が尾鰭を付けて広まってるみたいだな。」
「女の嫉妬は神代の時代からあったってことだ。くわばらくわばら。」
駅夫がさも恐ろしそうに岩長姫神社に向かって手を合わせる。
「ほら、入り口でグダグダしてると、岩長姫様の怒りを買うから、早く参拝しようぜ。」
羅針が促す。
「そうだな。」
駅夫が頷くと、二人は脱帽し一礼して鳥居を潜り、境内へと進んでいった。
参道の奥、神門の先には更に随神門があり、左に豊磐間戸命、右に奇磐間戸命が鎮座し、門を守っていた。
門を潜ると、境内は結構広く、手入れも良く行き届いていた。それだけ大切にされてきているのだろう。
正面の拝殿で二人は参拝し、長寿の御利益をお願いした。
拝殿の裏に回ると、弊殿と本殿が続いており、いわゆる権現造りになっている。
境内社も稲荷神社を始め、祇園神社、虫神社、天神社、荒神社の祠が建ち並ぶ。二人は一つ一つ手を合わせ、御加護を祈念した。
二人は、参拝を終えて、鳥居のところで脱帽一礼して、岩長姫神社を後にした。そして、西国街道を次の大内神社へ向かって進む。
「あのさ、さっきの岩長姫だけどさ。醜女ってだけで送り返されたのはひでぇ話だよな。」
駅夫が神社を後にし暫くしてから、呟くように話し出した。
「まったくだよな。美女で薄命、醜女で長命なんて、木花之佐久夜毘売と対称的に描いているところは、いかにも神話って感じだけど、実際彼女の性格はどうだったんだろうな。美女は姦悪、醜女は篤厚なんて昔は良く言ったけど、実際には逆もあるし、人に依るってのは当たり前の話だし、こういう神話が残るってことは、古来ずっと女性の美醜に拘って人生を棒に振った男性諸氏が後を絶たないってことなんだろうな。」
羅針が、つらつらと分析するが、答えはない。
「でもよ、美醜に拘るなって教訓は分かるけど、元々の発端は美しい木花之佐久夜毘売と、醜い岩長比売を両方嫁にしたってことなんだからさ、美醜両方愛せっていうのが、根本の教訓じゃねぇのかな。美しい方しか愛さなかったから邇邇芸命は寿命を縮められたんだし。」
駅夫が自分なりの解釈を言う。
「なるほど、美しいものも、醜いものも分け隔てなく愛せって教訓か。それも一理あるな。でも、まあ、そもそも論で言えば、女性の美醜云々言う前に、己の美醜を問題視するべきだと俺は思うけどな。邇邇芸命は良い男だったのかって話。」
「確かにな。他人の美醜、性格の善し悪しを言う前に、自分を見てみろか。その通りだな。お前の言うとおりかもな。」
駅夫が妙にしんみりと、噛みしめるように羅針の言葉を繰り返し、立ち止まってしまった。
「どうした。お前らしくないな。」
立ち止まった駅夫の所に引き返してきた羅針が、俯いている駅夫の顔を覗き込むようにして言う。
「俺らしいってどういうことだよ。」
「ん?、そんなの決まってるじゃん。猪突猛進の脳天気。」
羅針が冗談めかしてからかうように言う。
「なんだそれ。俺だって考えなしで行動してるわけじゃねぇぞ、俺だって。」
しかし駅夫は、いつものように突っかかってこない。
「なんだよ、マジでいつものお前らしくないぞ、どうした?」
「ああ、ちょっとな。」
「もしかして、あいつのことか?」
羅針の言うあいつとは、駅夫の元妻のことだ。
二人の間には子供もあったが、彼女の浮気、いや正確には元々駅夫と付き合う前から付き合っていた男の存在が明らかになり、結果、離婚に至ったのだ。子供もDNA鑑定で、駅夫とは血の繋がりがないことが判明し、裁判の結果、家族関係、親子関係の抹消に至った経緯がある。
離婚裁判も慰謝料の攻防で、まるで駅夫が寝取ったかのように元妻とその男に訴えられたが、子供とは血縁関係もなく、結婚詐欺であるとして民事、刑事の両面から逆訴訟を起こした。
泥沼の裁判劇は2年程掛かったが、駅夫の勝訴で結審した。しかし、結果は微々たる慰謝料を叩きつけられただけで、謝罪もなかったし、刑事罰に至っては執行猶予がついたので、件の二人は、今でものうのうと暮らしている。
このことは、駅夫の心に大きな傷を残したのだ。
「まあな。」
駅夫はそう言って、遠くを見る目をした。
「お前の過去だから、腐すようなことはしたくないし、なかったことにしろとは言わないけど、お前のせいじゃないんだからよ。言いたいことがあったら吐き出しちゃえよ。」
「ありがと。トラウマじゃねぇけど、あんなんでも一生愛そうって決めた女だったからな。裏切られた時は流石にな。」
溜め息をつくように、駅夫は言った。
「お前は、邇邇芸命と違って、美醜で選んだんじゃない。性格の悪い姦悪を返品したんだから、正解なんだよ。今は幸せなんだろ。」
「独身貴族としてはな。ただな、岩長姫のことを考えてたら、あの子のことがまた脳裏を過ぎって、心が痛くなったんだ。」
駅夫はそう言って顔を顰める。
「子供に罪はないけど、結局血の繋がりのない赤の他人だったんだ。責任はあの女と、間男が取るべきであって、お前が罪の意識に苛まれる必要はないんだぞ。何度も同じこと言うようだけど。」
「そうだけどよ。それは分かってるんだけどよ。パパって呼んでくれたあの顔が、頭から離れなくてな。何かのきっかけでふと脳裏に浮かぶと、苦しくてな。もう30年近くも経ってるのにな。」
いつも脳天気に巫山戯ている駅夫だが、このことは彼の心に大きな傷を残したのか、いつものように脳天気に、冗談めかして笑い飛ばすことができないでいるようだ。
「そうか。もうそんなに経つか。確かにあの子は良い子だったもんな。お前がいまだに気に病むのも道理か。そうやって、心に折り合いを付けようと、ずっと頑張ってきたんだよな。でもよ、お前が歩んできた人生だし、これからお前が歩む人生だから、俺がとやかく言う筋合いはねぇけどよ、一つだけ言っとく。
前を向け。
今更の言葉かも知れないけど、お前の生きてきた経験が、お前の足を引っ張るなら、振り切って前を向くしかないんだよ。そうだろ。」
「そうだよな。」
駅夫は溜め息をつきながら、肩を落としている。
「なかったことにはできないだろうけど、受け入れて前を向くことはできるだろ。」
「そうだな。ありがと。少しは気が楽になった気がする。」
羅針の言葉に少し口角が上がった駅夫の表情を見て、羅針が続ける。
「まあ、辛いものは辛いんだ。時間が解決しないものを、あんまり考え込むなよ。考え込むなら、俺に吐き出していいからな。聞いてやることぐらいしかできねぇけどよ。
それと、お前は良い奴だからな。自分の美醜なんて気にするなよ。性格も含めてお前は俺の一番の親友なんだからな。」
羅針はそう言うと、照れくさいのか、駅夫の顔も見ずに徐に歩き出した。
「ありがとな。」
過去の蟠りを抱えたままであった駅夫は、先に歩き出した羅針の背中に向かって礼を言った。
いつも、心の中にズカズカと入ってきては、勝手に整理整頓していく。まるで掃除のできない息子の部屋に入ってきては、勝手に掃除していくオカンのようだ。
それでも、そんな羅針には感謝しかない。
とはいえ、人のことは言えないなと、自分も羅針の心の中にズカズカと入っていくことはある。駅夫も自分自身の行動を振り返ってみて、俺たちは結局似たもの同士、この歳になっても持ちつ持たれつの、唯一無二の親友なんだよなと、改めて実感した。
「ほら、次に行くぞ。」
羅針が、振り返って駅夫に声を掛ける。
「ああ。了解。」
駅夫は、邪念を払うかのように、首を大きく振って、両頬を平手で打ち、羅針の背中を追いかけて、歩き出した。