序
巡礼とは日常的な生活空間を離れて、聖地や聖域に参詣し、聖なるものにより接近しようとする宗教的行動のこと、と物の本にはある。
その歴史は古く、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教、そして仏教においても、数多の人々が巡礼という行為を行ってきた。
しかし、令和になった現在、〔聖地巡礼〕と言えば、漫画やアニメ、ドラマ、映画などに登場した場所やロケ地を、ファンなどが〔聖地〕と呼んで訪れる、いわゆるファンツーリズムやコンテンツツーリズムのことを指すようになった。
では、目的もなく、ただ行き当たりばったりに行き先を決め、巡礼者のようにひたすら旅を続けることを、何と表現すれば良いのか。
そうそれが〔鐵輪巡礼〕である。鐵輪とは鉄道を指し、ひたすら鉄道に乗って旅を続けること、これをすなわち〔鐵輪巡礼〕と呼ぶことにする。
この〔日本全国鐵輪巡礼〕には、旅寝駅夫と星路羅針の二人が参加する。果たしてどんな珍道中になることやら。乞うご期待。
是非地図やガイドブック片手に一緒に旅をお楽しみください。
最後にこれは小説、フィクションです。
登場する様々な観光地や商品、物品、企業などは実在の物を参考にはしていますが、筆者の想像で書いているものであり、実在の物とは違うことをあらかじめ申し上げておきます。お含み置きください。