表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

#記念日にショートショートをNo.23『月に結びて』(Tie to the Moon…)

作者: しおね ゆこ

2019/9/23(月)秋分の日 公開

【URL】

▶︎(https://ncode.syosetu.com/n2569id/)

▶︎(https://note.com/amioritumugi/n/n613ada0836e6)

【関連作品】

なし

僕たちのクラスに転校生がやって来たのは、2学期がはじまる9月のはじめの頃だった。

髪の毛を左右2つのお団子に纏めた、女の子だった。

「秋野月葉」

黒板に書かれた彼女の字は、とても繊細で綺麗だった。


彼女はおとなしかった。休み時間も1人で本を読んでいて、僕たちは話しかけることさえ躊躇われた。

女の子とさえも、挨拶程度しか交わしていなかった。せっかく新しいクラスメイトになったのに、友達になれないまま、ただ時が過ぎていった。


そして9月も下旬に差し掛かった頃。母親から牛乳とティッシュペーパーを頼まれてコンビニに買い物に出た僕は、その帰り道、彼女を見かけた。

月が輝く秋分の日の夜のことだった。

時計の針が、9時を指した時。

彼女の身体(からだ)が、白い光を放ちはじめた。泡のような光を全身に纏い、光がきらきらと闇に溶けていき




そして消えた。



街の夜の闇に、彼女はいなかった。



街行く人は誰も、見えていないみたいだった。



僕だけが、彼女を、見ていた。



彼女は、月に消えた。




翌日の学校で、秋野さんは家庭の事情で転校することになったと、先生は告げた。先生も突然のことに驚いているようだった。クラスメイトも、先生の言葉に、戸惑いを隠しきれないでいた。


でも、僕は知っている。


彼女は、月の精だということを。

【登場人物】

●僕:語り手

○秋野 月葉(あきの つきは/Tsukiha Akino)

【バックグラウンドイメージ】

◎ロシアの絵本『ゆきむすめ』

【補足】

【原案誕生時期】

公開時

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ