ルマン一家の行く末2
「ああ、お前らが決めたんなら止めねえよ。ただ報酬はちゃんと受け取っていきなよ……」
「待ってくれみんな」
悲し気に呟くルマンの肩に手を置いて、ウィンが前に出る。
「どうだろう、これからはルマンではなく、僕たちに雇われないか? こんな状況の僕が言っても説得力はないだろうが、これは我が社の最初の一歩に過ぎない。少し前まで、まさかあの街のパームカンパニーが本当に壊滅すると思っていた奴はいるかい? いないだろうね。僕らは言葉通りそれをやり遂げた。これからも約束は守ると誓おう。もし、僕らの社員になってくれるなら、今回の報酬だけでなく、今後の安定した収入も約束する」
ウィンの提案に雑魚共がまたざわつき始める。
ルマンも鳩が豆鉄砲を食ったみたいな顔してやがる。
「すぐに答えを出さなくても良いよ。次の港まで君たちには選択する自由があるんだし、じっくり考えてくれ。ルマン、君もみんなと話があるだろ?」
そう言って、部屋を出て行くウィンが俺に目で合図してきたから、それに続いた。
が、なんだか釈然としねー。これじゃあ俺のが下みたいじゃねーかよ。
「てめえはほんと口だけは良く回るよな。勝手にあんな雑魚共勧誘しやがって」
船舵室を出て、嫌味を言う俺にウィンは微笑む。
「まあまあ。お前はあんまり関わってなかったから知らないかもしれないけど、今回の作戦であいつらがそこそこ使えるのはわかっていたんだよ。でもそれも、ルマンとイバンという強力な司令塔あってこそだ。ルマンが……まあ、その、ああいう風になってしまった事でそのバランスが崩れてしまっているだけだ」
こいつは遠回しに自慢しているのだろうか……なんかムカついてきた。
「ってか、イバンって誰だよ?」
「えっ!? お、お前……あれだけ絡みがあったのに名前も覚えてないのか……イバンはあのでかい坊主頭の男だよ」
あー、ハゲの事か……あいつイバンって名前だったのかよ。
「まあ、とにかく、彼らを仲間に引き入れるのは悪い判断じゃないさ。しっかり手綱さえ握ればね」
「おい、ペテン色男。なんかごちゃごちゃ有能ぶってるところわりーが、ルマンがああなった原因がてめえにある以上、てめえが全ての元凶ってことは忘れんなよ! あいつらは今後一切てめえが面倒見ろ、いいな?」
痛い所を突かれたらしく、気まずそうな顔をして立ち止まるウィンをよそに、少しだけ溜飲を下げた俺は前を歩く。
さて、次は俺が話す番だが……。




