バッドマンズビジネス5
「――パームカンパニーを壊滅させるだって!?」
どうにかこうにかして、落ち着きを取り戻し話を聞いてくれることになったルマンが驚嘆する。
「頭のおかしい奴だとは思ったけど……ここまでとはね……」
「ふーん。てめえらみたいなワルでもびびっちゃうくらいなの?」
「当たり前だっ! 兵隊なんかと関わるのは戦争屋か密貿易商だけだ。私らのしのぎなんてあいつらに比べたら子どもの遊びみたいなもんさ」
「ってことは、だ。あいつらも結構悪どい事に手え染めてんだろ?」
未だに俺を警戒しているのか、ソファの端っこで身を小さくしているルマンと、その部下のハゲ頭が顔を見合わせる。
「俺は、短い間だが傭兵団で働いていた時期がある。そんときパームカンパニーの噂ならよく耳にした」
ハゲの話によると、パームカンパニーは、百年以上も前から存在する世界でも五本の指に入る老舗の傭兵団らしい。
「――だがな、奴らの裏には経営者がいるんだ」
その経営者というのが、この国の銀行家一族だという。
この一族は、相対する二つの国に資金提供し、戦争を長引かせることで大儲けしてきたらしい。
「――戦争が長引くほど奴らが儲かる仕組みになってんだよ」
そして、そいつらの後ろ盾によって、パームカンパニーは武器や麻薬の取引など、法に触れるような行為でも免責されているという。言い換えれば、その銀行家たちが表沙汰に出来ない商売を、パームカンパニーが担っているということだろう。
「奴らには国境も法もない。あんたの実力は身を持ってわかってるが――悪い事は言わねえ。死にたくないなら奴らに関わるな」
「おい! ってことは超金持ちってことだろ?」
「…………」
憂鬱な顔をして雰囲気たっぷりに話していたハゲが、俺の質問に固まる。
「……あんた俺の話ちゃんと聞いてたのか?」
「要は銀行が経営してる企業ってことだろ? そんならたんまり金目の物があんだろ? ほれ見たことか! 俺の睨んだ通りじゃねーか! ぶははっ! おい、ラダ! こりゃ大金稼げるぜ」
「あ、あのさ。うちの父ちゃん助けてくれるって話じゃなかったの?」
忘れてた。そういや、こいつらの父ちゃんを助けるって話だった。
「も、もちろんだ! だけどちゃんと支払いもしてもらわねーとな。こちとら商売なんだから」
「ちょっといいかい?」
俺とラダの話にルマンが割って入って来る。
「もしかして……あんたの父ちゃんってニーム人かい?」




