episode9~重役会議~
とある日の事だった。会社の会議室では重役会議が行われていた。社長が真ん中に座り、その横には副社長・常務・専務・取締役などお偉いさん方が座っている。
重い空気の中、口を開いたのは社長で
社長「君たちを突然呼び出して悪いね」
副社長「それもそうですが。急に重役会議を開きたいというのは」
社長「分かっている通り。この会社の社員の中に、横領をしたものがいる」
他の重役らは驚いた顔をする。
副社長「社長。我々は初耳です。どういうことでしょうか」
社長「あぁ知らなかった?いや1年ぐらい前から横領していたらしい。経理部からその通達があった」
更に他の重役らは驚きの顔をする。副社長は少し戸惑いながら
副社長「社長。その犯人の目星はついているんですか?」
社長は至って冷静な顔になり
社長「ついている」
副社長「誰なんですか?」
他の重役らも気になり、社長に一気に目線を送る。
社長「それは。この重役の中にいる」
副社長らはかなり戸惑いながら
副社長「社長。この中に横領したものがいると言うことですか?」
社長が深く頷く。他の重役らはかなり動揺していた。何故か犯人探しまでするようにまでなっていた。
副社長「社長。名前を言ってください。そしたらたとえ重役でも厳しい処分を送ることが出来ます」
社長「そうか。なら話そう」
固唾を飲んで社長を見る。重役たち。
社長「それは…俺だ」
重役ら「は?」
社長は何故か真顔で
社長「だから、俺だって言ってるんだ。俺が会社の金を1億円使った。以上」
副社長らの目は睨みつけるように変わった。空気を察した社長は
社長「だ、だからね。ごめんねってこと。俺社長でしょ、だから穏便に済むかなって思ってね」
あまりにも許せなかったのか。副社長らは社長の周りに近づき囲んだ。社長の顔にはひたすら汗が流れて。
社長「ご、ごめんなさい」
副社長らはまだ囲んでいる。そして副社長が怒りの声で
副社長「自首しますか?」
社長「はい。調子に乗りました」
社長は下を俯きながら
社長「横領あかん」
~終~