episode7~ヘンキング~
とある日の事だった。テレビ局でこれから始まる生放送の準備をしていた。
タイトルは「ヘンキング」。司会の山下忍でお昼にやっている番組である。今回ゲストに呼ばれた男性芸人は初めての出演で、少し緊張していた。
なぜならこの司会者はかなり厳しい人で、芸能界からは怖がられている存在である。
男性はコメンテーター席で、司会者が来るのを待っていた。
芸人「緊張するな」
すると隣にいた大物女優さんが
女優「大丈夫よ。山下さん意外と優しいから」
芸人「本当ですか?」
女優が笑いながら前を向き始める。芸人は少し疑っていたが、とりあえず前を向こうと思いスタンバイしていると
スタッフ「山下さん入りまーす」
司会者が少し重めの顔をしながら入ってきた。芸人らコメンテーター出演者が立ち上がり、挨拶をする。
すると山下は
司会者「今日もよろしくね」
そのまま司会の定位置に立ち、そのまま生放送がスタートした。司会者は少し微笑みながら
司会者「さぁ今日も始まりましたヘンキング。今日のコメンテーターの皆さんです」
コメンテーターの出演者が頭を下げる。そして男性アシスタントアナウンサーが
男性「えぇ最初のニュースはこちらです」
そのままニュースのVTRが流れると、司会者は大物女優に近づき、完全に甘えた声で
司会者「今日はどこで食事する?」
芸人「え?」
芸人は戸惑いながらその光景を見ている。すると女優が笑顔で
女優「そうだね。今日はステーキが食べたいかなぁ」
司会者「分かったぁ。じゃあいつもの店予約しとくねぇ」
終始甘えた声で言う。芸人は少し引きながら見ていた。そのままVTRが終わりスタジオでの放送が始まると、司会者の所定の位置に立ち。
司会者「さぁ。こんなニュースばかりで本当に困っちゃうんですけど。重村さんどう思いますか」
女優に話を振る司会者。
女優「そうですね。やはり政治家としてちゃんと国民に誠意をもって、活動してほしいですし。やっぱり我々国民の税金で働いているのをきちんと身に染みて、頑張ってほしいですよね」
司会者「そうですよね。じゃあ、浜山君。どう思う」
次に芸人の自分に振ってくる司会者。なんとかしないと思い
芸人「そうですね。政治家は我々のことをもっと好きになって。ファイトと送りたいですね」
ボケたつもりがめっちゃ滑った。司会者は少し芸人を睨みつけていた。
司会者「まぁ、ずっとさきほど重村さんがおっしゃった通り、僕たちの税金で働いている事を胸に残し、そして誠実に向き合ってほしいですね。続いてはこちらのニュースです」
芸人は地獄だと思いながら待っていると。番組がCMに行くと、司会者は再び女優の方に行き
司会者「今日は食事した後、車でドライブする?」
女優が笑顔で
女優「いいよ」
それを見て芸人が小言で一言。
芸人「この番組の裏表激しすぎだろ。てか付き合ってるだろこの二人」
~終~