02話 救世主?
「さぁて、今度は靴でも舐めてもらいましょうか。」
レンはルカの頭上から薄ら笑いを浮かべながら、見下ろしていた。
本当に人が変わってしまったようだった。
「あんま調子に・・・。くっ・・・!」
起き上がろうと両足に力を入れるも、上から重力が容赦なくのしかかり、頭を押さえつけられ、ついにはレンの靴にまでルカの顔が近づこうとしていた。
――突如『ピピーッ!』と笛の音が周囲に鳴り響いた。まるで競技のホイッスルかのように。
「レンさんですよね、山梨県から来ましたオズマです。僕とコラボレーションして下さい。」
笛を鳴らした人物は大柄の男で、黒のベースボールキャップ、黒のパーカー、迷彩柄のズボンを履いており、スマホを取り付けた自撮り棒を持って乱入してきた。
「はぁ!?何よあんた?いまイイとこだったのにさぁ、邪魔するならお前から――」
「メントスソーダやりましょうよ!」
オズマと名乗る男はレンの言葉などお構いなしに、声高らかに自分の主張をぶつけてきた。
(いや、人の話聞けよ・・・。)
ルカはよつん這いになりながらも、ぽかんとしていた。
「鬱陶しいわねアンタ!跪きなさい!!」
レンは標的をオズマに変え、先程の重力による攻撃をしかけた。
「ん?コラボレーションしてくれるってことでいいっすか?てか、いま僕に何か攻撃しました?」
オズマは何事もなかったようにレンの元にスタスタと歩き、次第に距離を詰めていった。
それと同時にポケットからメントスとソーダのペットボトルを取り出していた。
「な・・・何なのよアンタ!なぜ私の重力攻撃が効かないのよ!?」
「なぜってそりゃあ、僕のほうがフォロワーが多いからですよ。ちなみに僕のフォロワー数は75,000人ですよ。」
「戦闘力75,000!?う、嘘よ!あんたみたいなのに75,000人もフォロワーがいるなんて!」
「人を見かけで判断しないほうがいいっすよ。・・・さて、と」
オズマはソーダ水にメントスを入れ、レンの顔に向けた。
次の瞬間メントスを入れたソーダ水が大量の水を噴射し、レンの身体を勢いよく吹き飛ばした。
まるで消防車のジェット噴射のようだった。
(え、メントスソーダってそんな威力だったの!?やばい、やばすぎる。真似しないようにしよう・・・。)
ルカは起き上がり、間近でみた光景に唖然としていた。
「大丈夫ですか?」
オズマはメントスソーダをリュックに入れ、話しかけてきた。
「あ、はい・・。ありがとうございます。えっと今のは・・・?」
「あぁ、僕の相棒メントスソーダですよ。勿論僕の水流操作系の能力で出力は上げていますけどね。」
(この人も特殊な力を持っているのか・・・。レンも前はあんな性格じゃなかったし、特殊な力も持っていなかった。さっきの二人の話の中でフォロワーとか戦闘力がって言ってたけど、いつからこんなバトルマンガみたいな世界になったのよ・・・!)
「あの、オズマさん。よければフォロワーとか超能力について教えてくれませんか、何故か私いつの間にか別の世界にいるような気がして・・・。」
レンはオズマを信用した訳ではなかったが、危機的状況を助けてもらったことから勇気を出して聞いてみた。
オズマは、ルカの身体を下から上に舐め回すように見て不敵な笑みを浮かべながら
「ああ、いいっすよ・・・!では少し移動しましょうか。僕に付いてきて下さい。」
と答え、小さくガッツポーズをしているのが見えた。
(大丈夫かな、この人・・・。)
ルカは相談する相手を間違えたかな。と少し後悔していた。
だが、この世界では無力なルカは藁にもすがる思いだった。
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