表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアルな異世界・突然編!  作者: 慣 海桜
異世界転送!?・準備編!
8/22

プラスワン

「......確かここら辺.....おっ! 武器庫見つけた!」


 なぜが人が少なくて助かった.....マジで少ないな~何なんだ?


「まぁいっか」


 恐る恐る扉を開けると見るだけでも鋭さの分かる剣....斧....槍....盾....レプリカではなく、本物を見るのは初めてだった


「これか…? ハンマーはこれしかないからこれだよな」


 腕一本分ぐらいの長さの黒塗りハンマー.....ハンマーにグリップがある珍しいハンマー


「よっしゃ後はこれを牢屋まで.....重!?」


20分後....


「マジで持って来たのか!?」


「ああ......重かった...はい、コレ」


 表情は驚きを隠せないまま、牢屋の隙間からハンマーを手渡される


「まさか....またコイツを握れるとは......おい、退()いてろ」


 ハンマーを握った瞬間、手錠を軽く引きちぎりハンマーを構えだした


「はぁ!!」


 ジンバッド・ギルの一撃は分厚い檻の出入り口を吹き飛ばした。 飛ばされた扉は形を変え、鉄の強度を疑ってしまう


人間(にんげん)(わざ)じゃないな…」


「お前が言うか?」


「これで…クランに入ってくれるんだろ?」


「まぁ…約束だからな。 でもまさか…本当に出れるとは…」


よっしゃ!


「だが! 俺にも条件がある」


「条件?」


「クランには入るが、お前の命令を聞く訳じゃない。 基本的には好き勝手やらせてもらうぜ」


「…じゃあ、それで」


 そんなやりとりの中、視界の端に巨体が見える.....怒りに燃えるカリアン大佐(たいさ)


「終わったか? その下らないやりとりは?」


「何だ....待っててくれたのか? まぁいい....好都合だ、殴りたい奴が自分から来てくれるんだからよ!.....下がってろコウスケ」


 カリアン大佐の血管が浮き上がり、目を見開きこちらを睨む


「いいだろう! どの道コイツらは死刑囚、今ここで殺してくれる! やれ! 串刺しにしろ!」


「「「え!?」」」


 驚くのも分かる.....お前はやらんのかい!って思う....


「どうした? 俺の命令が聞けないのか?....行け!!」


「.........ですがカリアン大佐(たいさ)、相手はあのジンバット....我々では太刀打ち出来ません....」


 カリアン大佐(たいさ)は声のした方を向く


「今....発言したのはお前か?」


「え......?」


 戸惑う兵士に裏拳を放ち、兵士は檻に叩きつけられる


「グハァ!!」


「「「中佐!」」」


「敵に立ち向かう勇気もない腰抜けは、政党軍(せいとうぐん)で生きる価値もない! 死を覚悟で立ち向かえ! それが嫌な奴は俺が殺してやる!」


 命の価値が中世(ちゅうせい)以下だなこの軍隊....


「......っ! ジンバッドっがこっちに」


 ジンバッド・ギル迷いなく駆け抜けると跳躍しハンマーを振りかざす.....狙いはもちろん


グチャッ!


「「「カリアン大佐(たいさ)!!」」」


 ハンマーの一撃を食らってもまだ立っている.....大佐の名前は伊達じゃない


「......っぐ! 俺はこの強さで街を守ってきた! 俺より弱い奴は俺の命令を聞いて当然! それは守ってやってる市民も同じ事だ!」


「だったらテメェが来いよ....またお前の顔面にぶち込んでやるからよ」


「舐めるな罪人がぁ! 俺を誰だと思ってる! 俺はこの街の権化(ごんげ)巨兵(きょへい)のカリアンだ!」


 カリアン大佐は武器を出し、振り回す......棒に鎖とその先端に大きな刺付き鉄球


「出た、カリアン大佐の巨大星球式槌矛(モーニングスター)


「うぉりゃ!!」


 カリアン大佐(たいさ)の一撃は避けられるも巨大星球式槌矛(モーニングスター)は地面を大きく砕いた


......っ! あんなの受けたらひとたまりもないな.....


「他の者は弓を持てっ! ジンバッドを近付かせるな、撃ちまくれ!」


 刺付きの巨大な鉄球だが、それを振り回しているカリアンの巨体は鉄球を自由自在に操る…まるで鉄球から重さが消えたかのような動き…


 だが鉄球が壁や地面に当たる度に鉄球の持つ『重さ』と『破壊力』を再確認される


「逃げるだけか、ジンバッド・ギル!」


「クッ…!」


 攻め(あぐ)ねているジンバッド・ギルに追い打ちのように鉄球が襲い、立ち止まれば矢が降り注ぐ…そしてついにジンバッド・ギルの左足に矢が命中した


「───っ!」


「そこだ!」


 突然訪れた好機にカリアンは笑みをこぼす。 それと同時に天高く投げられた星球式槌矛(モーニングスター)は光を遮ると影となってジンバッド・ギルを包み込んだ


 ジンバッド・ギルの頭上に上がった星球式槌矛(モーニングスター)の鎖をカリアンは全力で引き下ろし、鉄球を真下へと叩きつけた


「『星落とし』!」


 カリアンの叫びと共に落とされた一撃は今までの攻撃とは非にならない威力、その衝撃は地面を通してその場の全員が理解する。 コウスケはその次元の違う戦いを、ただ震えて見ているしかなかった


「ジ…ン…?」


 星球式槌星(モーニングスター)によって生み出されたクレーター、それに誰もが注目する中、カリアンは違った…(みずか)ら生み出したクレーターよりも、目の前に居るジンバッド・ギルに視線が奪われていた


「あ…足を()()かれてこの速さ…」


「待ってたぜ、その油断を!」


 ジンバッド・ギルは檻を壊したときのようにハンマーを構え、カリアンの持つ鎖に足をかけた


「な......!」


「終わりだ、『殴打(おうだ)』!」


グチャッ!


「ぶっ!!」


 鈍い音をさせながらハンマーは顔にめり込む......渾身の一撃が顔面に入り、カリアン大佐(たいさ)は後頭部から勢い良く地面に倒れ込んだ...


「.....................。」


 顔中から血を流し大佐(たいさ)は動くことは無く、カリアンが倒された事実に一同が驚愕する


「カリアン大佐(たいさ)が.....やられた....」


「何て奴らだ!」


大佐(たいさ)は倒した.....それでもまだ俺らに立ち向かう奴はいるか?」


「「「..........................。」」」


 政党軍(せいとうぐん)は互いに顔を見合わせ、次々と武器を捨てる..........そして心なしか安堵(あんど)の表情だ


 左足の矢を引き抜きながらコウスケの元へ戻り、震えるコウスケに終わったと告げる


「なぁ...何だよ今の一撃! なんか...こう....凄かったぞ!」


「ん? スキルだよ...お前も壁を通り抜ける時に使ってたろ?」


あ......『霊体化(れいたいか)』とかってスキルだったんだ....へぇ~


「俺はまだ基本スキルしか使えないが、いつかはオリジナルスキルを手に入れて.....俺の腕を証明する!」


 オリジナルスキル......そんなのもあるのか


「そういやお前は戦わなかったな」


「俺が戦力になるとでも?」


「ハッ…それもそうだな.........しっかりしろよ、クランマスター」


「分かってるって、ジンバッド・ギル」


「フルネームはやめろ.....」


「じゃあ....ジンで....」


「それならいいぞ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ