クラン
白い物資でできた変わった形の建物…というよりオブジェ、ここが政党軍の基地か....デッカイな~
「おい!お前っ!ここで何をしてる!」
「ん?」
この騎士っぽい奴らが政党軍か?
「ジンバッド・ギルって奴がどんな奴か気になって....」
「お前.....まさかアイツの手下か!?」
手下?
「大人しくしろ! お前を連行する!」
.....もしかしてヤバい状況?
「おい......騒がしいな....何事だ?」
「カリアン大佐! ジンバッド・ギルの手下と思われる者が基地の周辺で不審な行動をしてたので捕まえました!」
大佐ってコイツ......っ!? 何だよこの図体のデカイさ....3メートルはあるぞ.....!
「ジンバッド・ギルの手下か............奴と同じ牢屋にぶち込んどけ....どうせこの基地からは逃げられないからな」
5分後...
「ほらここだ入れ!.....よぉジンバッド、お前の手下だそうだな....仲良く余生を楽しみな」
あの兵士....乱暴だな
「おい、今入ってきた顔色の悪い野郎....俺は手下なんて募集した覚えねぇぞ!」
コイツがジンバッド・ギルか....
褐色で黒髪、特徴って言っても灰色のバンダナ位だな......
「俺の名前はコウスケ なぁアンタ....俺のクランに入らないか?」
【クラン】:共通の目的を持った集団の事
「はあ? 急に牢屋に入って来て何言ってんだ?.....そもそも何を目的とした集団だよ?」
「『魔王』退治.....俺の目標だ!」
ジンバッド・ギルは眉間にしわを寄せ、顔をしかめる…まぁその呆れ顔は予想してたが
「テメェに『魔王』何て奴が倒せるとは思えねぇがな」
「ああ、だから仲間を集めるんだ…俺一人じゃ倒せない自信がある」
「そもそも何でお前がやるんだよ、それこそ政党軍の奴らにでも....」
「俺が政党軍に『魔王』の事を言ったら...動いてくれると思うか?」
その言葉にジンバッド・ギルも押し黙る
「『魔王』の事を誰も信じないし、誰も動かない...でも存在してこの世界に危害を加えてるのは事実なんだ...なら、誰かが動かないと」
「それがお前って訳か....ハッ! 『魔王』が本当だったとして...確かにお前だけだったら頼り無さ過ぎるな…」
そこまで言うか....流石に傷つくな....
「もしここから出られたら、入ってやるよ...お前のクラン」
……え?
「マジで!?...っ! 言ったからな! キャンセルは無しだぞ!」
「そう叫ぶな、出れたらの話だ。 魔王討伐を目指すんなら、こんぐらいの事は出来ねぇとな」
う~ん、どうしようか...
「お前、破壊者って呼ばれてるんだろ? だったらこんな檻破壊してくれよ!」
「あ? 素手じゃ無理だ....俺のハンマーがあれば、こんな檻...」
ハンマー...それがあれば良いのか...!
「じゃあ、お前のハンマーって何処にあるんだよ?」
「多分…武器庫だが...聞いてどうすんだ? 武器庫に行くにもそもそも檻から…」
『霊体化』
ガシャン!
「…は? お前....手錠が....手から....すり抜け...何で!?」
夢で源精霊が見せてくれた加護の一つ
「いいリアクションだな、俺は亡霊の源精霊から加護を受けたんだ、大概の幽霊ぽい事は出来る」
「へ....へぇ...そうか....」
「武器庫ならここに来る途中で見た気がするから…じゃあ、行って来る...」
「.......っ! 牢屋まですり抜けやがった....! 何でも有りかよ...」