お屋敷
嫌だぁ!こんな屋敷住みたくない!
「結局は野宿か..........ん?」
空から白い粉が風に揺られながら降ってくる、幻想的な風景だ
「うぉ~雪だ~!」
野宿は死ぬな~
「背に腹はかえられないのか......」
ギギ~
「お邪魔しま~す.....見た目通り広いな~」
てか、ホコリの量エグッ!
まぁとりあえず....掃除でもするか
「元々人が住んでたなら掃除用具とかあるばず....」
掃除用具を探しに屋敷の中を歩いたが......至って普通だ、怪奇現象も無ければ生き物の気配すらしない
「『倉庫』......この部屋かな?」
ギギ~
扉を開け中に入ると『倉庫』にはぼんやりと光る球体がゆっくりと飛び回っていた
「蛍か? 綺麗だな~.....ん? あの蛍....こっちに来てないか?」
特に恐ろしくもなかったので避けようとはせず、
そのまま光の球体はコウスケの体に入り込んだ...
入り込こんだ!? 死ぬ!?......
「...................体に異常も無いし........そういう生物なのか?」
何もないならそれでいいか
「掃除用具は.......ここにも無いのか」
広すぎなのも考えようだな....
ガシャンっ!
「!!......何かが倒れた音.....」
音の方向へ振り返ると廊下の角から女の人がゆっくりと歩いてくる
「誰!?」
彼女は質問には答えず歩みも止めない
「ねぇ誰なの!?」
はっきりと見える距離まで近づく
「......っ! 何であんた....足が無いんだ.....?」
『み.....見え....てる....の?』
しゃ....喋った!?
『さっきまで.....見えて....なかったのに....?』
「さっき.....?」
彼女が唐突に頬に手を伸ばす
「冷た!? 何だいきなり顔に触りやがって!?」
『触れ.....れる.......話.....せる.....』
彼女の顔が感極まった表情になる
『あなたは.....いったい?』
「俺のセリフだよ! あんたこそ誰何だよ!」
『私....私達は.....80年以上前に.....このお屋敷に.....招かれた.....亡霊です』
亡霊.......確かによく見たら.....半...透...明...
ドサッ!
『え....!?......急に倒られて......大丈夫ですか....』