オゼロ官邸
オゼロとの交渉は、明日の昼からと決まった。
場所は王宮ではなく、オゼロ官邸。ダウィート殿がそこでお待ちとのこと。
「ダウィート……ダウィート……。
名が一致する方は複数人いらっしゃいましたが、よくある名ですから……どの方かを特定するには、時間と情報が足りませんでしたね。
地位が上ならば、公爵家の末端に。下ならば、男爵家に。年齢的に考えれば伯爵家の方……ですが……」
「どちらの方も姓を捨ててはおられない?」
「はい。どちらの方も……というか、どの家の方も、ですね。ですから、どれも外れ。という可能性すらあります」
マルの情報と伝手をもってしても、ダウィート殿が何処の誰であるか。その特定が難しかった。
オゼロ公爵様の元には極秘事項が多い。
大きな秘匿権を二つも抱え、それを守る地であるからこそ……とも言えるのだが……。
「北の地で、影を持つ公爵家。更にあれだけ傘下の貴族が多いと、この短期間では特定なんてしてられませんね……」
土地柄的に、余所者を受け入れない風潮が強く、影を持つがゆえに、懐深くに潜り込みにくい。
更に調べる家があれだけ多いと無理です。と、マル。
「そもそも貴族ですらない可能性もありますしねぇ」
「そうなの?」
「オゼロ公爵様は、何処からともなく人材確保してくる人なんですよ。口が回るお方ですしねぇ」
公爵様に心酔し、手足となって動く者はとても多いのだという。
その人心掌握術の一端は、俺も体験したわけだけど、確かにな……と、頷くしかない。
「うちの主が、簡単にコロリといっちゃう初心な成人前でなくて良かったですよ」
「そうだったらマルは俺に仕えてくれなかったんだろうしな」
「いえいえ仕えますよぅ。貴方が馬鹿でも、貴方の気質のままでいてくださったなら。
…………まぁ、その場合は当初の予定通り、掌で転がしてますけどね」
怖い。
冗談抜きで言ってるところが。
「良かったですよ本当。貴方がそうならなくて。
今の、この状況、今の貴方の方が、僕が想定していた貴方よりよっぽど上等で、有能です。
僕の掌であったなら、貴方はこんな場所には立ってはいませんでした。
…………ほんと、サヤくんは、僕らの女神様ですねぇ」
そう呟いたマルは、笑っていたけれど……。
その瞳が、決して冗談を言っているのではないと、語っていた。
こんな風に進むつもりで、歩んできたわけではなかったけれど、いつの間にか、歩みたい道と、歩むべき道が、俺の中でひとつになっていた。
そしてその道行を示してくれたのは、どう考えてもサヤなのだ。
先細りの道が、尽きるまで進むしかなかった俺の前に、新たな進む先を切り開き、示してくれた。そんなサヤと共に歩みたい世界は、獣人を虐げる世界ではなくて、皆で笑い合える世界。
「明日の会談、文官は僕を伴ってください」
「言われるまでもないよ」
明日は、マルとサヤ、ユストを伴うつもりでいる。
ダウィート殿がいらっしゃるなら、レイモンドが付き従っている可能性が高いからな。
だけど当日は……。
またしても想定外となった。
「すいません……俺が腹下しちゃって……」
血の気の引いた顔で、ユストはそう言い、寝台に横たわっている。
「腹痛が治りません……」
◆
オゼロ官邸は、貴族街の一角にある。
この貴族街は、王宮に仕える子爵家が多く暮らしているのだけれど、公爵家は役職柄もあり、官邸を有している。
伯爵家にも貴族街に屋敷を持つ人は多いが、男爵家ともなるとそんなもの……持ったところで年の一度、春の挨拶に使うだけなんてこともザラで、維持費が馬鹿らしい。
よって、春の挨拶には、行きつけの宿を予約しているのだ。
俺はギルと、バート商会の厚意で、裏庭の離れを丸々借り受けられ、正直かなり楽をさせてもらっている。
老舗の大店だもの、王都のことは知り尽くしているし、その人脈も広い。警備もしっかりしており、情報の漏洩を心配する必要もないし、何より人目を憚らずにのんびり、セイバーンにいる時と同じように振る舞える。
料理人だって連れてこれるし、バート商会の使用人は、用がある時以外は、離れに近付いてこない。
貴族と関わる上での、そういう細かい配慮が行き届いており、更には身内も同然ってくらいに大切にしてもらえるのだから、有難いしか出てこない。
宿とかだと、御用伺いの使用人が常時部屋に在中して視線が張り付くし、その人たちも貴族に粗相がないようにと緊張していて、気が休まらない。
その御用伺いだって信用できるわけじゃないから、下手なことは口にできないし、行動できない。
食べ物だって毒味やらなんやらを経て冷え切った豪奢なものが出てくるのだが、冷え切っている時点で、豪奢でも味は格段に落ちている……。
皆で温かいものを、一緒に美味しく食べられる。それが何より心が安らぐと、俺は常々思っているのだけど……。
「おっかしいなぁ……みんな同じもの食べたのに、なんでユストだけ腹痛?」
「……ホントすいません……」
そんな風にテイクは言うが、病なんてなろうと思ってなるものじゃない。
だらだらと脂汗が止まらないユスト。かなり痛いのだと思う。先程まで不浄場に引き篭もっている感じだった。
やっとひと段落して部屋に戻ってきたけれど、小康状態といったところです……と、か細い声で言う。険しい表情。近くまた、不浄場に逆戻りする予定のようだ。
「仕方がないさ。医師だって人だもの、体調不良はあるよ。今日はゆっくりと休んでおいて。
…………オブシズ……護衛を任せる。用意して」
「もう済ませてます」
「駄目。オブシズでと言ったはずだ。
目は隠しなさい。服装も、貴族みたいにしなくて良い」
何故か臨戦態勢のオブシズ、着替えてこないならクロードを護衛に選ぶと言うと、渋々引き下がった。
オゼロ官邸でダウィート殿との面会……。だから、レイモンドが付き従っている可能性が高い。
オブシズを連れて行くしかないのだとしても、オブシズだとは、極力気付かれないようにしておきたかった。
引き下がるつもりが無いのは、表情を見れば分かったし、下手に突き放して、これ以上思い詰めても困る。見えない場所で行動されると対処できないから、もうここは腹を括ることにした。
「サヤ……申し訳ないけど、オブシズにも注意しておいてもらえる? 思い詰めすぎてる気がするから……」
「畏まりました」
先程は、クロードを護衛に連れて行くと、オブシズを脅したものの……。
オゼロ官邸にクロードを伴うと、アギー公爵様の時みたいに警戒心を煽って、交渉どころじゃない状態になりかねないから、これは控えた方が良いだろうと、思っていた。
だってきっと、待っているのはダウィート殿だけではない。
拠点村までわざわざ出向いてきたダウィート殿が、敢えて結果を持ち越したのは、オゼロ公爵様からの指示なのだと思う。
春の式典の時から、オゼロ公爵様は俺に興味を抱いていた。策略を巡らし、俺を手中に収めようとされていたのだ。
そんな方だから、必ず邪魔が無い形で、接触してくると、俺は読んでいた。
会合の時は、まったくこちらに無反応だったけれど、それはきっと周りの目があるから。
オゼロ官邸内では必ず、接触してくるだろう。
暫く待っていると、長衣を短衣に着替え、前髪をざんばらに下ろしたオブシズが戻ってきた。
若干ムスッとしている。
俺は覚悟なんてもうとっくに固めているのに……とか、そんなことを考えているのだろうけれど。
オブシズの前に立って、前髪を掻き分けた。
急な行動に面食らったみたいな、びっくりと見開かれた瞳が俺を見る。蜜色で、縁が翡翠に染まった、綺麗な色。
そこをしっかりと見据える。
「俺が守りたいものには、オブシズも含まれているんだよ」
そう言うと、更に動揺したように、瞳が泳いだ。
「どうか俺に、オブシズが誇れる主になる機会を、与えておくれ。
オブシズの助けが必要な時は、ちゃんと呼ぶから」
思い詰めて、ひとりで苦しくならないで。
二十年の戦いはきっと孤独だったろう。貴族のイザコザに、立場の弱い傭兵団の仲間を巻き込まないよう、怒りも苦しみも押し殺し、ひとりで対処してきたのだと思う。
だけど……。
レイモンドはジェスルに関わっている。ジェスルは北に、北は獣人に絡まる枷で、世界は長くて重い鎖で雁字搦めになっている。
全部は繋がってる。これはもう、オブシズだけの問題じゃないんだ。
この問題は、世界の理に絡まり、歪んでいる。
俺たちはこの大きな歪みに挑まなきゃならない。世界の均衡に抗う。そのための今で、俺たちじゃないか。
「オブシズの抱えた重荷は、俺にも繋がっている。孤児や流民にも繋がってる。ここの皆が、何かしら関わっているんだ。
だから動く時は、みんな一緒。誰かを犠牲になんてしない。だって俺たちは、仲間なんだから」
「…………それをご自分にも、しっかりと、言い聞かせていただきたいものです」
ハインが、ボソリと釘を刺した。
………………っ。
「わ、分かっているよ! 俺だってもうそろそろ、学んだしっ!」
「口先で分かってるなどと言ううちは、身に染みていません」
容赦無く切り捨てられ、反論できない……。
い、いや、自覚してるけども……。俺も散々周りを振り回してきたって、分かってるけども!
「オブシズ、貴方が暴走するとレイシール様の手綱が緩みます。
間違っても目を離してはなりませんよ。この人は本当に、信用なりませんから」
あの事件で身に染みたでしょう? と、ハイン。
その向こうで、傷の癒えきってないシザーも縮こまっている。守りきれなかったと恐縮しているのだろう。
クロードが、必死で笑いを噛み殺していて、だけど堪えきれなくて、肩が小刻みに震えていた。
そうですね! よりにもよって俺は、一番危険な前線に突っ走った大馬鹿野郎ですからね!
誰も何も反論してくれないのは、皆がそう思っているってことですよね!
「オブシズさん、私も頑張りますから、二人で気を引き締めましょうね……」
「貴女もですよサヤ。男爵夫人になろうと言う身を、そろそろ自覚なさい」
「ごめんなさい……」
「二人とも、ご自分だけで何でもかんでも解決しようとしないでください。
マル、オブシズ、責任重大ですからね。
あと、ジェイドも。お願いですから頼みますよ」
「金くれンなら、その分の働きはする。ヤバイと思ったら殴ってでも止めてやンぜ」
そう言いつつ、何故か小綺麗な服装でジェイドが現れた。
いつもざんばらな草色の髪は、綺麗に中心で分けて梳られており、低めの身長も手伝って、十五歳ほどの幼さに見える。
まるで貴族か、良家のご子息さながらに洗練された所作で、上着の内側のホルスターに挟んだ小刀を確認し、アイルから小剣を受け取って、腰に括り付けた剣帯に下げた。
ジェイドの変装は今までいくつも見てきたけれど……今日のはまるで、誰かに仕えている小姓のようだな。
「良いぜ。俺ももう行ける」
「どこに行くんだ?」
「お前らの監視」
………………。
先程ハインは、何故かジェイドに頼みますよと、言ったな?
「ハイン……」
「信用なりませんから」
ハインはとうとう、己の葛藤を飲み込んで、吠狼と結託しだしたようだ。
獣人と深く関わる吠狼のことを、黙認はしていてもあまり自分から関わろうとはしてこなかったというのに、まさかジェイドを雇うとは。
いや、仲良くなったなら喜ばしいことだけどね……だけどそれは、あんまりじゃないか?
「レイ様愛されてますからねぇ」
「……愛かな、これは……」
立派な主となる道は、相当遠いようだと、何か暗澹たる気持ちになった……。
◆
貴族街へは馬車で向かう。
馭者はジェイドが務めてくれ、オブシズは馬で後方に。
サヤは本日、女従者のいでたちで、マルも珍しく、文官らしいきちんと見える服装だ。
貴族街に入るための大門で、オゼロ公爵との約束があることを伝え、印綬を見せると、すんなり中に通され、そこから先はただ馬車を走らせるのみ。
貴族街は歩行者が少ないし、道が空いている。馬車は軽快に進んだ。
「学舎って、貴族街にもはみ出しているんですね」
「うん。貴族街への外壁を、学舎が跨いでいる感じになる。学舎の中は、身分関係なく学ぶ場だったから、立地としても丁度良かったんだ」
寮生活だったから、普段の俺たちは外に出る時、申請が必要だった。
「平民の場合、貴族街に抜けるには許可がいる。遊びに行きたい程度の理由では通してもらえない。
また貴族の場合も、平民街に抜ける時は届出がいるんだよ。責任の所在をはっきりさせておかないといけないから」
俺は陛下の替え玉を務める時以外は、ほとんど平民街に抜けていたから、平民街側の門番には顔を覚えられており、書類よりも顔で通されていた感があったな。
そう呟いたら、それは違いますよとマルから訂正が入った。
「レイ様、提出書類がまるで印を押すみたいに、一字一句違わず同じ内容なんですもん。
内容が常に一緒だから、日付けしか見てないって門番が言ってましたよ」
「だって何をしに行くにしても、まずはバート商会に立ち寄るから……」
「途中でハインが申請担当に変わって、それでもやっぱり文面が同じだって愚痴ってました」
「……ハインの書類内容まで知らないよ。
ていうか、みんな毎回いちいち違う内容で申請を出すものなの?」
「違いますってば。なんで一字一句揃えるんですかって話ですよ」
俺たちの問答に、クスクスと笑うサヤ。
身を犠牲にしたけれど、場が和んだので良しとする。
あの頃はほら……色々まだ手探りで、物事を深く考えたりしなかったんだよ……。
問題無かったことなら、それを続ければ正解。そんな風にしていたから……。
雑談してるうちに、街並みはより重厚なものに変わっていき、大きな屋敷ばかりが連なるようになり、外の風景を見ていたマルが「程なく到着します」と言った。
マルの頭には王都の地図も入っているのだと思う。学舎に在学中、平民のマルが何度貴族街に出たかは知らないけれど、でもきっと、全て把握済みなのだ。
「公爵様との交渉はレイ様に任せ、僕は情報収集と補佐に徹します。サヤくんとオブシズは、周りの警戒。不審な音がある場合は、早めに知らせてください。
レイ様も、あれに関しては、もう頭に叩き込んでますね?」
「大丈夫。
でも切り出せるかは話の進み次第だな」
「そこは任せておけって言うところですってば」
「善処するよ」
うん。集中はできているし、緊張も然程じゃない。
なにより守るべきもののための戦いだから、尻込みなんてしていられない。
この交渉は、ただ木炭を得るだけでは成功にならない。
オゼロに、俺たちの研究を承知させ、協力を得なければ。
その上で、レイモンドとその背後の繋がり……それを探る。
ダウィート殿の配下とされているのだから、きっとそれなりに重要な立場を得ているだろうレイモンド。
けれどオゼロの傘下でありつつ、ジェスルに与している可能性がある。つまり、ジェスルの間者である疑いだ。
できるならばその狙いも探りたいところだが……今はそれよりも、サヤとオブシズ。そしてセイバーンを守ることが重要。
レイモンドがオゼロの重要な位置にいては、今後、セイバーンとの関わりが生まれかねない。
彼をオゼロから排除する。これが二つ目の、重要な目的。
タン! と、不意に小窓が開いた。いきなりだったからびっくりしたのだけど。
「着くぞ」
ジェイドの声。
「気合入れとけ」
それに分かっているよと言葉を返し、俺は服装を改めて確認。
今日はサヤが、自ら触れられる唯一の場所である俺の髪を、久しぶりに結ってくれた。
まだ怖いのだろう、震える手で、それでも一生懸命、そうしてくれたのだ。
後頭部から、麦の穂のように垂れる、長い三つ編み。
そして襟にある真珠の襟飾が、俺の守りだ。
馬車が止まった。暫く待っていると扉が開き、ジェイドが「どうぞ」と降車を促す。
いつもならばハインがしてくれていることを、今日はジェイドがしてくれる。その小姓ぶりに全く違和感は無く、まるでずっと続けてきた職務であるみたいに馴染んでいた。
まずはマルが降り、続いてサヤ。最後に俺が馬車を降りると、馬車の御者台にはオゼロの使用人が乗り、馬車を進めていく。
オブシズもいつの間にか馬を降りており、もう誰かに託してきたよう。
ピリッと緊張した様子のオブシズ。
何やら不穏な様子に、オブシズの視線の先に目をやると、そこにはダウィート殿と……レイモンド。拠点村の時同様の、同じ三人が、出迎えに立ってくれていた。
「よくお越しくださいました。先日は、オゼロの者が失礼を致しましたそうで、私からもお詫び致します」
「ダウィート殿。その話はもう良いのです。
お伝えしました通り、それをご理解いただけましたならば、それで……」
拠点村での、レイモンドの振る舞い。それも先日の件に絡んでいるのだと匂わせたら、ダウィート殿の表情が険しくなる。
何か複雑に思考を巡らせた後、スッと身を起こした。
「本日はそのお詫びも兼ねて、我が主がレイシール様をお待ちしております」
やはりそう来たか……。
「直接公爵様へお目通りが叶うとは。ご配慮に感謝致します」
礼を言って頭を下げ、そのついでに広を見る視線に切り替えた。
視界の中にいるレイモンドを見ると、何やら彼は不機嫌そう。
村に仕掛けた嫌がらせ。それが然程の効果を上げていないと悟ったからだろうか?
それとも、今回の件で、村での不敬の数々を咎められでもしたのだろうか。
事情は分からなかったけれど、とにかく視線は俺に集中しており、サヤに興味は無く、オブシズにも気付いていないようで、それに関しては、内心でホッと息を吐いた。
やはり……。
サヤに反応が無い。
レイモンドが狙っていたのはあくまでカタリーナとジーナ。
サヤを得ようとしていたのは、レイモンドと裏で繋がっている誰かだ。
そしてその目的だけでなく、サヤを狙っていたことすらも、レイモンドには伝えられていない様子だ。
俺の斜め後ろに立つオブシズの呼吸が、浅く、早い。
久しぶりに目にしたレイモンドに、気持ちが揺さぶられているのだろう。
オブシズが受けた仕打ちを思えば、その反応は当然だったけれど、後ろにまわした手で、そっとオブシズの拳に触れ、今は堪えろと伝えた。
まだ、レイモンドには何も言わない。
こちらがブリッジスとお前の繋がりに気付いていることも、わざわざ知らせてやるつもりはない。
……だけど…………。
俺たちは、知っているからな。
お前がオブシズにやったことを。
拠点村にしたことを。
俺たちは、分かっているからな。
必ず、報いは受けてもらうし、お前から得られる情報は、全て搾り取ってやる。
そして、サヤを守り切ってみせる。
レイモンドの影に潜むお前。
お前の尾も、じきに掴む……。
待っていろ。




