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多難領主と椿の精  作者: 春紫苑
第十三章
388/515

覚悟

 グラグラと沸き立つような何かが、腹の底を満たしている……。

 石や小枝の散乱する林の中を、俺は裸足で歩いていた。だから、既に足の裏はズタズタ。枝か何かが刺さったままなのか、同じ箇所が痛い。

 でもこれくらい痛くないと、暴れそうになる感情を堪えてられなかったろう……。

 一歩を踏みしめる度に感じる痛みが、俺を踏みとどまらせてくれている。


 これは、死を目前にした足掻き。冷静になれなければ死ぬのだと、俺の頭は理解している。

 だから歩き続けながら、俺はあの男の思考を模倣するに努めていた。

 情報は少ないけれど、やってやれないことはない。これだけの苦痛を刻み付けられた。シザーの命まで、奪われたかもしれない。

 だから理解できるはずだ。この傷を遡れ。この男がどんな風に思うか、考えるか。行動するか。


 これ以上を許しはしない……。だから、今のこの瞬間すらも情報を得る糧として、あの男の思考を辿る。


 サヤと、カタリーナたち。

 この三人は生かされる。レイモンドと、誰かが望んでいるから。

 だけど俺と、子供らは多分、そう遠くないうちに殺されることになるだろう。


 俺は逃亡用の保険。

 子供らは、標的を確保するための手段。

 あの男は、そんな風にしか考えていない。

 だから、森の中に隠してあるだろう移動手段……馬車まで辿り着けば、俺たちは用済みとなる。

 きっと、行商団か傭兵団。その辺りに偽装するのだろう。人数や様相を考えればそうなる。

 そうなると大きな荷物は邪魔だし、逃亡の妨げにもなる。そもそも子供五人を連れた旅団なんて、悪目立ちするだけだ。

 足がつかないようにするためにも、余計な者は排除する。あの男はきっと、それを躊躇わない。


 俺の胸には未だ、犬笛があった。

 そして、縛られた腕の間には小刀が潜められている。

 サヤと俺の間には、大人二人程の間隔が開けられていた。その周りを子供らと、男らが囲んでいる。俺たちがやりとりできないようにと設けられた、間隔と、見張り。

 けれど……。


 サヤは耳が良いのだと、この連中は知らない。

 俺が息を吐くような小声で呟いたことも、この距離ならば、サヤは聞き取る。

 そのサヤが、先程ちらりと俺を見て、視線が合うと、上に逸らした。

 俺を気にかけていると思った周りの連中が、サヤに卑猥な言葉を吐いていたけれど、彼女はそれを無視し、視線を進む前方に戻した。


 子供らはきっと殺される。

 そうサヤに伝えた。

 足手纏いは捨てるだろう。まだ連れて来ているのは、子供たちも共に逃亡したと思わせるため。

 子供がいれば、進みは遅いと考える。そして子供を連れていれば、目立つ。子連れの団体が捜索されることになるだろう。

 この子らを捨てるだけで、追っ手の目を欺くことができ、更に早く移動できる。取り分も増える。

 この時期なら、痕跡を残さず、時間も手間もかけず、悟らせないで、確実に子らを処分する方法があるのだ。

 この男はきっと、それを選ぶだろう……。


 普段ならば、言うのを躊躇ったかもしれない。

 心優しいサヤには、聞かせたくない。関わらせたくない話。

 けれど敢えて伝えた。サヤを奮起させるために。

 卑猥な言葉すらも跳ね除けて、サヤが無言で歩いているのは、怒りを原動力としているからだ。

 シザーのこと。子供らのこと。

 それらが、彼女の中の恐怖を一時的に抑え込んでいる。


 今必要なことは、動ける身体を確保すること。

 サヤを恐怖で竦ませてはいけない。それは彼女自身を窮地に追いやることだ。まずは絶対に、皆で生きて、ここを脱する。

 そうやって、やることを明確にしておかなければ…………。

 俺も、折れてしまいそうだった。


 あの状況を、必死で耐えたのは、孤児院から離れるためだ。


 抵抗しなければ、最悪の事態を回避できると考えていた。

 孤児院での殺しは行われない可能性が高い。子供は言葉や恐怖では制御できない。恐慌をきたし走り回られれば、己の首を絞めることになる。

 何より、貴族の膝下で殺生沙汰など、首を飛ばしてくれと言っているようなものだ。そこまでの愚行は起こすまいと。

 けれど、何十人もの幼子を、可能性の低さだけで、危険に晒したくなかった。

 サヤが襲われかけた際も、今ここでそれを進めることは無いと、心の底で考えていた。

 逃げなければならない。時間も無い状況でそれはしない。これはただの脅しだと……。

 下手に動いて、後に響くことを恐れた。

 だけど、想定以上にサヤは虐げられ、結果がシザーの……っ。

 そう考えると、心の軸が挫けそうになる。


 常識や可能性なんてものは、当てにならないのだと、やっと理解した。

 そもそも村に野盗を引き入れられた。そこで理解すべきだった。

 まだ現実を見定められていなかった。

 敵というのはそういうもの。獲物と定めたこちらに、配慮なんてしないと…………。


 明確すぎるほどに確かな悪意。これを覚えておこう。次は絶対に、こんなことは許さない……。


 覚悟を固めた。これ以上犠牲を出さないために。

 俺を含め、まともに戦える者がいないこの状況で、子供らを守るならば、先手を打つしかない。

 こちらの武器は小刀一本。それで活路を見出す方法は、ひとつきりなのだ。

 サヤをこれ以上苦しめるなど、許さない……。


 縄は自力で外せるか。それを聞いたら外せると頷いた。

 俺も外せる。トゥーレが小刀を仕込んでくれたと伝えた。

 吠狼の助けは望めそうかを問うた。

 上を見る視線を寄越した。いるんだな。よし。


 なら、俺が合図したら、頼む。



 ◆



 雨足が弱まりつつある。

 木々の間を進み、たどり着いたのは……奇しくも、メバックに向かうならば使う、休憩場所の一つだった。

 成る程。ここならば馬車を停めておけるし、それを怪しまれることもない……。この雨季の最中ならば、夜半に人が来ることもない……。


 そしてここならば、川はすぐそこだ。

 斬って捨てる手間は掛けない。雨の中とはいえ血が残るのは得策ではない。六人もの血となれば、全て流されてくれるとは限らないから。


「女どもは中に入れ」


 頭の指示で、カタリーナとサヤは馬車に押し込められた。後方にひとつだけ扉が付いた形状。

 そうして無慈悲にも、扉は外から鍵を掛けられてしまった。

 馬車の管理をしていた者は三名のみ。幌馬車と、四人乗りの馬車。あとは馬が十頭ほど。

 馬車の馬、耳栓はされているな……。ならば上々。

 馬車の数、馬の数ともに想定よりかなり少ない。どうやら初めから、囮の大多数は切り捨てる予定であったようだ。

 そして、ここにいる人数が、この一味の全て。


「……トゥーレ、ハヴェル。俺が呼んだら、他の皆と俺の後ろへ。どうか信じて、従ってほしい」


 男たちの視線がこちらから離れたことを確認し、そう呟いたら……うん……。という、掠れた返事が返った。


「よぉし、じゃあ最後だ」


 どこか弾んだ、頭の呟き……。

 そうして振り返った頭は、目深に被った頭巾で表情の大半を隠していても分かるほど、にんまりと楽しそうに笑い、それを見た子供たちはびくりと身を竦めた。


「お前ら、そいつを先の川まで、連れて行け」


 その言葉に、子供たちが息を飲む。

 何をしろと言われているのか、察したのだ。


「こ、この人、貴族だよ?」


 堪り兼ねてそう口にした子に、頭は「だからなんだ?」と、言葉を返した。

 その男の姿。立つ場所を、頭に刻み込む。


「いいよ。行こう」


 子供らを促し、自ら足を向けることにした。最後の足掻きとして、頭をギリギリまで睨みつけて。

 下手に抵抗して、この子らを先に斬り捨てられたくなかった。それに、状況としては俺の想定通り。このままで良い。

 進みながら、グッと腕に力を込める。男らに見咎められるかと思ったけれど、トゥーレが背後に動いて、手元を隠してくれた。

 多分トゥーレは……今回のことの、責任を取ろうとしてくれている。

 この連中のことを、俺たちに言えなかった。

 そしてこんな結果を招いた。

 今こうして歩みを進めていても、背中からごめんが染み込んでくるみたいに感じていた。


 子供らの更に後方から、男らが数名ついてきている気配……。この子供らと共に、俺を川に追い詰め、子供ら共々突き落とすのだろう。

 増水したこの川の中を泳ぐなんて、大人でも無理だ。

 あっという間に川の底へ引き摺り込まれ、死んで腐敗して、やっと川辺に打ち上げられるのは、ずっとずっと下流……。


 腕の縄が切れた。

 落とす前に小刀を手に受ける。


「サヤ、頼む」


 視界を広に切り替えつつ、振り返りざまにそう口にすると、ドバキャッ!という、形容し難くもけたたましい音がし、ドカン……バシャン!と、音が続いた。


 サヤたちの閉じ込められた馬車の扉が吹き飛び、何人かを跳ね飛ばし、木にぶつかって、最後に地面へと倒れたのだ。


 あまりの状況に子供らも含め、視線が馬車に釘付けになる。唖然と飛んだ扉を見る……。

 その間に俺は笛を咥え、吹いていた。誰もこちらを見ていない。音のしない笛が、鳴り響く。


「ハヴェル、小刀をくれるか」


 呆然と固まった子供らにそう言うと、真っ先に我に返ったトゥーレが、ハヴェルの腰帯から小刀をひったくる。


「俺の後ろに。すぐ助けが来てくれる」


 そう言うと、トゥーレは急ぎ子供らの手を引っ張って、俺の後ろ側、道の端に身を寄せた。

 それを見届けて、俺は深く息を吸い込み、腹に力を込める。


「武器を捨て、投降せよ。そうすれば、この場で切り捨てることはしない!」


 急にそう宣言した俺に、我に返った男らの視線が戻る。

 まだ気付いてくれるな。そう念じつつ、広の視界を見渡す。

 誰もかれもが、場の状況がまだ理解できていない顔。けれど、条件反射なのか、小馬鹿にしたように首を傾げたひとりが、威圧するみたいに表情を険悪に歪め、一歩を踏み出した。


「はぁ? 何を巫山戯た……」


 抵抗と見なす。

 余計な動きをさせないための、見せしめになってもらおう。

 次の瞬間、俺が放った小刀が、男の喉に突き刺さった。 これで俺の手は尽きた。


「もう其方らは、それ以外の道を持っていない」

「「カッ…………ゴホッ……は……」」


 溺れてしまった人のような、ゴボゴボという音に掠れる呻き声。それが二箇所からあがる。


 一投目。俺がサヤへの合図とともに放った小刀は、過たず頭の首に突き立っていた。それにより、彼は声が出せない。呼吸も苦しいことだろう。

 喉に小刀を突き立てた男が倒れるのと同時期に、崩れるように膝をついた頭。皆は呆気にとられるだけで、状況の理解が追いついていないようだ。

 目深に被った頭巾のせいで、喉の小刀がほぼ見えないのだから仕方がない。


 残念。誰もお前を、助けに動いてはくれないよ。


 俺が早くにこの決断を下していれば良かった……。

 言い訳はいくらでも頭に浮かぶ。

 あの時は誰が指示者か特定できていなかった……とか。

 この連中の出方を探る必要があったから……とか。

 正確な人数をきっちり確認できていなかったから……とか。

 巻き込む人を極力減らしたかったから……とか。

 情報を得るために、頭は生かして捕らえたかった……とか。


 だけど結局は、俺が決意できなかっただけ。

 人を手に掛ける覚悟が、定まらなかった。甘さを捨てられなかった……。

 そのせいでサヤを、シザーを、あんな目に合わせてしまった……。


 先程の合図により集っていた吠狼の者らが、木々の間から飛び出して来た。

 馬車を囲み、俺たちを囲む。無論、こちらに背を向けて。


 闇から染み出すように現れ、増える影たち。

 いつの間にやら包囲されていた現実に、野盗一味はやっと気が付いた。

 そうしてそこでようやっと、頭も絶命したのだろう。かしいだ身体がバシャリと地に崩れたことで、もう待っても命令は飛ばないのだと、理解できた。

 動かなくなった頭の周りに、赤い輪が広がっていく……。


 俺が待っていたのは、俺と子供達。サヤとカタリーナたちが、この連中から距離を取れる瞬間。

 入り乱れていれば、誰かが人質として身を抑えられてしまうかもしれず、吠狼らが俺たちを守りやすくなる瞬間を待っていた。

 彼らは不殺の約定がある。この危険な連中から、身を守ることしかできないのだ。だから、戦意を削ぐ必要があった。


 使い慣れ、手に馴染んだ小刀は、覚悟さえ定まれば、目に焼き付けた場所に、放つだけだった。

 一瞬の隙は、サヤが作ってくれた音。

 そして指示者を失えば、彼らが動けないことも、理解していた。


 一人の人物が、恐怖でもって集団を支配するというのは、そういうことだ。

 配下に判断する余地を与えてこなかった。それがこの頭の敗因。


 子供らに刃物を向けた吠狼の一人に、そちらは良いのだと告げた。

 そうして今一度、子らをじっくりと見渡す。

 もう無条件に信じることはしない。彼らに確実に、歯向かう気持ちが無いことを、きちんと見て、確認する。そうして納得できたから……。


「……怖かったな。だけど、もう大丈夫だ」


 そう声を掛けたら、ワッとハヴェルが泣き伏した。更に馬を駆って騎士やオブシズ、ハインも到着し、後方では野盗らとの大捕物が始まっていた。

 吠狼らに子供らの保護を命じて、俺も現場の指揮に向かう。


「場が収まるまで、馬車の中の女性らは表へ出すな。血は極力見せたくない……。

 女性の吠狼は何人いる? 馬車には彼女らだけを向かわせてくれ」


 淡々と指示を飛ばし、手当をと慌てる彼らを、後で良いからと遠去けた。

 いつもなら怒りで我を忘れ、爛々と瞳を光らせていそうなハインが、今はまだ大人しい。

 だから彼に、村の状況の報告をせよと告げた。


「村人に死者はおりません。

 負傷者は多数に及びますが、真っ先に野盗らと接触したのが大工や石工らでしたので、被害は最小限と言えるでしょう。

 分散され、全員を捕縛するのに少々骨が折れたようですが、無事に全て、召し捕えました。

 現在、領主様とクロード様が村の対処を担っておられます」

「…………シザーは……」

「……死者はいないと、言いましたが?」


 その言葉でようやっと、息が吸えた。


「あれでも武官です。覚悟はしておりますし、咄嗟でも急所を逸らすくらいのことはします」


 冷めた口調でそう言ったハインは、もう宜しいでしょう? と、俺の手を取る。

 瞳の奥に、焦燥に駆られたような、憐憫のような気配をちらつかせたけれど、それは直ぐに隠された。


「傷の手当ては、帰ってからにいたしましょう。とりあえずは、村へお戻りください」

「その前に、カタリーナと話をしなければ」


 ホッとしたせいか、痛みが鋭くなってきた脚で、馬車に向かった。


 馬車の周りには女性の吠狼が五名。扉は壊れ飛んでしまったが、扉を繋ぐ蝶番が弾け飛んでしまっただけのようで、形は保っていた。

 今馬車の中には行灯がひとつ用意されており、裸足のままであったサヤやカタリーナの足裏が応急処置されている姿が闇に浮かび上がっている。

 やってきた俺に、ハッと身を硬くしたカタリーナ。

 だから極力、怖くないように、距離を置いて笑いかける。


「ひどい目に合わせてしまった。貴女とジーナは、大事ないだろうか……」

「…………あ、あの…………」


 必死に何かを、口にしようとするカタリーナ。そのカタリーナの首に、無言でかじりついたままのジーナ。

 表情を固めてしまったまま、ジーナは、泣き声ひとつ、あげなかった。今に至っても。

 それはとてつもない恐怖と心労を与えてしまったからだろう。幼い子に、酷い経験をさせてしまった……。

 そしてカタリーナ……。彼女は理解している。この状況の原因を。

 だけど、今は良いのだと、首を振った。


「まだ退けていない。この場を脱しただけだから、状況は、変わっていないんだ」


 レイモンドも、ブリッジスもまだ健在。何も状況は、変わっていない。

 俺の言葉に、ギュッと、歯をくいしばるカタリーナ。

 俺が状況を全て承知していたということも、これで理解したのだと思う。


「だけど、もう何も、させはしない。何ひとつ。絶対にだ。

 そのためにも、協力してほしい。勿論……戻って、落ち着いてからで良いから」


 そう言うと。カタリーナはこくりと頷いた。

 その瞳には強い意志が宿っており、もう彼女は大丈夫だと思えた。

 それから…………。


「サヤ」


 呼ぶと、ビクリと、身を竦ませる。


 先程から……、カタリーナと言葉を交わす間もずっと、サヤの緊張は、伝わっていた。


 どうしよう。どうしよう。どうしよう。怖い。どうしよう。


 そんな風に、サヤはずっと、暴れそうになる感情を必死で、抑え込んでいた。

 当然だ。当然のことだ。あんな…………っ。


 あんな酷い目に、合わせてしまったのだから……。


 更に二歩下がって、サヤから距離を取った。

 そうして極力怖がらせないように、苦しませないように、全力で微笑む。

 瞳は見れなかった。見る、勇気が、無い……。


「良いんだよ。大丈夫、分かってる。

 焦ることも、申し訳なく思うことも、必要無い。

 サヤの心を否定しなくて良い。

 それは、当然のことなんだから!」


 心の傷を、深く、とても深く抉られたのだ。

 その上で俺は、俺は…………サヤの前で……っ。

 俺が怖くなって当然だ。

 あの時だって俺は、サヤを助けることをしなかった。

 逃げろと言いつつ、動かなかった。自らは何も、しなかったのだ……。

 こんな極限の状態に追いやられても、サヤはここまで、必死に耐えた。一人きりで頑張った。

 だから、もう何も、我慢しなくて良い。


「まずは戻って、ナジェスタに傷をきちんと、治療してもらおう。

 それから、ゆっくり湯に浸かって、身体を温めて。その後はしっかり眠って、休んでほしい。

 ちゃんと落ち着いてから……今後のことは、それから考えれば良いんだ。

 あと……………………………………あ、……んな、……、ごめんっ」


 ごめん。サヤを見捨てたのだと、そう思われたって仕方がない。

 だから、サヤがどう考えても……それがどんな選択になっても、受け止めるから。


「引き上げる。後の対処は頼む」


 ハインに、彼女らを丁重に扱うよう告げ、俺は馬車を離れた。


「戻ったら、ブリッジスと面会する」

「手当てが先です」


 俺の表情も、状況も無視して、いつものままの調子でハイン。

 そうしてくれたことが、とても有難かった。

今週の更新を開始しました!

ていうか、近況報告としまして去年同様キーボードがご臨終間際となり、執筆できない日々が月曜日まで続くと思われたのですが……本日無事、到着しましたっ!

なので明日からまた頑張れますうううぅぅ! ご心配をおかけしましたーっ!

今週も三話更新で、先週から引っ張ってしまったこの状況の続きでございます!

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