傷跡
カナくんの名は、サヤがこの世界に来た初めの日から、耳にしていた。
俺が、サヤを好ましく思っているのだと自覚した時にも、その名があった。
彼女は常に前を向いていて、足掻いていて、前に進む努力を怠らなくて……。
運命の悪戯で、自らの世界から迷い出てしまったこの世界にあってすら、そうで。
その行動理念の根本的な部分に、彼の存在があるのだということは、早々に知った。
彼女を彼女たらしめている。
そこにカナくんという存在が、大きく作用している。
無体を働かれそうになっていた彼女を救ったのはカナくんで。
苦しみの中にいた彼女を救い出したのもカナくんで。
彼女は彼を、とても大切に想っていて……。
嫌われている……。そう言って泣いたのに、サヤはカナくんが好きで。
何度も辛い言葉を吐かれ、傷ついてきたと俺に告げるのに、それでも求めていて……。
彼女が強くなろうとするのは全て、カナくんのためで。
初めはただ、彼を妬んでいた……。
サヤの中のカナくんの大きさに。全く敵わないであろう自分に。
無理だと思っていたのだ、彼に勝ることなんて……。
今だって、その気持ちはやはりある。元の世界に戻れるならば、サヤはこの世界と俺じゃなく、元の世界とカナくんを選ぶのではないか……。
今でも彼女は、カナくんに魂を捧げているのではないか……。
けれど。
カナくんに劣らない気持ちを、俺は持っている……いや、むしろカナくんよりも絶対俺は、サヤのことを大切に想っている。
サヤに酷い言葉を何度も浴びせた相手などに、俺の気持ちは負けやしない。
もうこの世界にサヤはいる。
俺の恋人となってくれた。
抱きしめることも、口づけることも許してくれた。
将来の妻になることも、承知してくれた。
カナくんが得られなかったものを、俺は沢山得ている。
もう俺は、カナくんに負けやしないのだと。
そう思っていた。思い込もうとしていた。
だけど『あの人』として、久しぶりにサヤの口からこぼれた彼の存在に、俺は結局、恐怖を抱いた。
俺がカナくんという名を気にしているのは、サヤも理解していて……最近彼女の言葉から、その名が出てくることは、極端に少なくなっていた。
それは俺も薄々感じていて、だけどあえて指摘せずにきたのだ。
怖かったから……。
本当は、もう……察していたから……。
カナくんは…………サヤを嫌ってなど、いなかったのだと、いうことを……。
サヤの言う通りだ。
怖いは、いつまでも傍にいる……。
◆
最後の挨拶は、当然アギー公爵家。
ここは流石に、父上と共にご挨拶へと伺った。
通された部屋にはアギー公爵様だけでなく、クリスタ様に扮した姫様と護衛なのだろうディート殿、リヴィ様、クオンティーヌ様も同席しており、グラヴィスハイド様が不在であることに、少なからずホッとしたのだけど、そのことは表情に出さぬよう努める。
サヤを部屋に置いてこようか、最後まで迷ったのだ……。だけど、サヤを伴わないのは不自然すぎて、本人にも嫌がられて結局連れてくる羽目になった。
そんなわけで、連行された時の面々でご挨拶に伺うこととなったのだが……。
「久しぶりにセイバーン殿とお会いできて良かった。
これからは隣人として……そして後継殿とは同僚として、末長く縁を繋いでゆけたらと思っている。
次は戴冠式……直ぐだな。病み上がりには少々堪えようが、あの椅子は良い周知になる。ぜひ持参していただきたい」
「そうだな。
成人前の役職をとやかく言う輩を黙らせるためにも重要だろう。
申し訳ないのだけれど、レイシールには姫様の風除けにもなっていただきたいと考えている。
女性の統べる王政……色々と風当たりも強かろうからな」
姫様の影のふりをした姫様に敢えてそう言われ、俺は苦笑した。
もとより、それは重々承知しているし、当然そうなるつもりでいる。
女性の身で王となり、更には長い歴史において尊ばれてきた白を否定する姫様だ。
どれほど些細なものであっても、手は必要だろうと思う。
「は。誠心誠意、努めさせていただきます。姫様の世を、豊かなものとするために」
「その言葉、偽りは無いな? やっぱり辞めたはもう無しだぞ」
こっちにも念を押された……。
もうしませんから……あれはだってほら、仕方なかったんですよ……。
「地方行政官の長を、王都不在の地方貴族……しかも下位の男爵家にやるというのは、納得させるのに些か骨が折れた。
ちょっと無理を通したのでな、色々口煩く言ってくる輩も多かろう。
任命式後の顔合わせは少々荒れるのを覚悟しておいてほしい。
まぁ……黙らせる為には極力実績を用意しておくことが肝要だ。できるだけ、準備しておくようにな」
アギー公爵様の助言に、俺は慎重に頷いておく。
当然のことだけど……アギー公爵様にも色々と手を回してもらっているのだろうな……。辞めるなんて言って、本当に申し訳なかった。その分を、いただく職務を全うすることで返していこうと心に誓う。
実績……。うん、それは充分、用意したと思う。あとはそれを持って、戦場に赴くだけだ。
前にも伝えたと思うが、怠っておるまいな……と、姫様の瞳が俺を見据えている。
いや、それは承知してますよ……だから色々頑張ってますって……ホントです。本当ですから。
必死で瞳で訴えたのだけど、姫様は胡乱な目で俺を見据えるばかり……。
信用無いな……いや、全部俺が悪いんだって分かってるけど……。
「あ、その実績でひとつ、お伺いしておきたいことがございましてね、ちょっと持参していたものがあるのですが。
一度ご覧いただいておいた方が良いかと思うんですよね。まだ色々試験的な段階で、実用には年単位で時間が掛かると踏んでいるので、お伝えしようか悩んだんですけど……一応、前もって?」
俺が姫様と視線でやり合いをしている最中、急にそう口を挟んだマル。
彼が何をネタにそんなことを口にしているのかは直ぐに分かったけれど、そんな話だったか⁉︎ と、一瞬呆気にとられてしまった。
慌てて振り返ると、案の定お土産にと用意していた瓶に、目隠しで掛けられていた布が取り払われる瞬間で……。
「マル……」
何か急に画策しだしたマルに、俺は頭を抱えた。
露わになった瓶を見て、アギー家ご一同様はきょとんとした顔になってるし……。
「…………それは?」
「野菜の干物です。ほら、昨日リヴィ様とクオンティーヌ様が食した赤茄子と胡瓜もここに入ってます」
「えっ⁉︎ あれこんな風なものじゃなかったでしょ⁉︎」
咄嗟にそう叫んだクオンティーヌ様に、アギー公爵様を視線をやり、口元に手をやって、まぁ! と、驚いたリヴィ様に、その視線は移り……。
「あれは調理する前に水で戻したものなんですよぅ。多少は戻るんですって。水に浸けるだけで」
「其方ら、あの干からびた野菜、食したのか?」
「……ひ、干からびてなかったのよ……昨日は遅くなって、ご飯食べ損ねちゃったって言ったら、レイシール殿が晩餐に招待してくださって、それで……」
「この季節に、胡瓜と赤茄子が使用されてましたの。まさかあんな風になっていたのね……しかも、とても美味でしたわ」
「あんなだと知ってたら食べなかったわよ!」
「あらそう? 私、とても美味しくいただきましたし、この季節に夏の野菜がいただけるだなんて、魔法ではないかと驚きましたのよ。
こうやっておいて食べられるならば、いくらだって欲しいと思いますわ。冬の味気ない食事、肌は荒れるし、代わり映えしないし、いつも嫌がっているのはクオンの方じゃなくて?」
「そ、そうだけど……そうだけどこれよ⁉︎」
「でも、美味だったのでしょう?」
「う…………だけど、だけどおおぉぉ」
何やら言い争いを始めてしまったリヴィ様とクオンティーヌ様。
その様子をよそに、姫様がトコトコとこちらにやって来て、瓶の一つをひょいと持ち上げた。
「……成る程、胡瓜と赤茄子……葉物もある……お、甘唐辛子もか」
ひ、姫様……素が、素が出てしまってますよ⁉︎ 威厳がダダ漏れです!
「蓮根、大根、人参、甘藍、結構色々入ってますよぅ。どれもこの季節には、お目にかかれないはずでしょう?
ただ、これを始めたのが夏の終わり頃でして、春や初夏の作物はまだ試していないんです。
それから、途中で黴が出てきてしまったものもございまして、色々まだ検証が必要ですねぇ。
ですがこれ……土嚢以上のものに、なりはしませんか? これの作り方が、確立されたとしたら……」
マルの言葉に、姫様はうむ……と、小さく答え、暫く黙った。
「……春のものは試していない……。つまり春のものも、冬まで保つというのか?」
「理論上は。ものによりますけど、年単位での保存が可能である……と、考えています」
「……例えば、胡瓜だけでも……何か一種類だけでも、直ぐに実用化できるものはあるのか?」
「まだございません。
ですが来年以降には……夏の終わりから冬にかけての作物に関してであれば、可能性はあります」
しかし。
と、マルは言葉を続けた。
「これを世に出す際、必ず絡んでくるであろう秘匿権問題がありましてね。それが、その野菜と共に瓶に入っている袋の中身なのです。
それ、乾燥材でして。干し野菜の保存に欠かせないものなのですけれど、形状が木炭に酷似しています。その製法も」
「なに?」
「全く違うものですよ。それは僕が保証します。秘匿権も確保してあります。でも、絶対に絡んでくると思うんですよ。
これから我々、その秘匿権のあり方を根本から覆すつもりでおります。あれはもう、貴族や神職者らの金蔵でしかなくなっておりますし、フェルドナレンの文化の成長を妨げる枷となっておりますから。
なので姫様に、どうがそのことを、ご理解いただきたいと考えておりまして」
「…………それは、それ以上の価値があることなのだな」
「勿論。まず夏の野菜で冬が越せるようになります。腐らせ捨てるものが、冬を救うのですよ。これほどの価値あるものを、一貴族の利権で捨てるなど、もったいないじゃないですか」
「全くだな。……秘匿権はもう得たのだな」
「はい。得ています。元より国に譲渡する目的で所持しておりますので、受け取っていただくだけです」
「承知した。王都に戻り次第、姫様にお伝えする。戴冠式で答えを出そう」
「宜しくお願い致します。
あ、これ、お土産に置いていきますね。
この四瓶は、多分来年冬まで保つと思います。この状態を維持し、極力湿気が少なく、直射日光の当たらない場所で管理していただければ。
乾燥材は季節ごとの交換をしてほしいところなのですけど、それはまた今度。とりあえずは食してみてください。調理法は、こちらにまとめてありますので参考までに」
マルが差し出した資料を姫様は受け取った。
二部あり、ひとつをアギー公爵様へ渡す。
アギー公爵様はとても楽しそうにしており、瞳をキラキラと輝かせているようで、この人本当に珍しいものとか面白いものとか好きなんだな……と、再認識した。
「良い土産をありがとう。是非、今晩にでも食してみよう」
皆様で食べると一食で終わりそうだな……。下手をしたら五十人近くが食べるのだものな……。四瓶で足りるだろうか……。
◆
アギー公爵様との挨拶を終えると昼近くになっていた。
朝方、ユミルが準備してくれていたサンドイッチがあるし、馬車で食べれば良いと、とりあえず出発することにする。
「カタリーナたちをどの馬車に乗せるか?」
「人員がギリギリでしたし……本人らは荷車で良いと言うのですが、荷車では流石に寒いでしょう?」
「そうだな……どうしよう」
持参した食材は減っているから、荷物は格段に少なくなっている。
とはいえ、それは荷車の荷物であって、人の数は減っていない。
まさか今日人員が増えるなんて想定していなかったし、どうしようか……と、なったのだけど。
「馬を確保して参ります。馬に乗れるものがそちらを利用すれば済みます。無理であれば、相乗りで凌ぎ、道中で買い求めれば良いかと」
そう口を挟んできたガイウスに、少々驚いた。
そもそも勝手に人員を増やしたことを怒られそうだなぁと思っていたのだ。
ガイウスの言葉に、最近存在感の薄くなってしまっていた古参の方々が動き出す。それで承知した……と言うことなのだろう。え、良いの?
「では、女中の馬車に彼女らを迎えましょう。女中から二人、他の馬車に移しますわ。
幼子がいますもの、怖い顔のおじさんの中は可哀想よね」
そう言った女中頭が、カタリーナに抱かれた少女……六歳そこらの少女に笑いかけると、怯えたのか、母親の首にかじりついてしまった。
その様子に慌てたのはカタリーナだ。粗相をしてしまったと思ったのだろう。慌てて膝をつこうとする。
「お気になさらないで。私は平民、貴族ではございませんもの。
それに、うちは男の子ばかりで全然可愛げがなかったから、女の子、可愛くって、つい構いたくなってしまったの。ごめんなさいね、驚かせてしまって」
まるで気にしていない風に、女中頭はそう言った。
お名前は、聞いておいてよかったかしら? と、カタリーナに問うと、ジーナだと返答が返る。
「ジーナちゃん、良いお名前ね。少し長旅になるのだけど、仲良くしてね」
へこたれず語りかける女中頭だったけれど、ジーナは顔を伏せたまま。
時間が掛かるだろうな……それは仕方がないことだろう。
準備を終えて、馬車に乗り込み出発するという段階になって、何故かクオンティーヌ様がお越しになった。
慌てて馬車を降りて向かうと……。
「父上の許可、取ったから。数日で追いつくわ」
「…………本気で来るんですか……」
「当たり前でしょ! だからバート商会に話、通しておきなさいよね!」
「はい。それはもう……」
やっておいたから。
苦笑する俺に、クオンティーヌ様は何を思ったが、ちょいちょいと手招き。身を屈めると……。
「バート商会の店主、面識があるの?」
「……リヴィ様の件ですか?」
「っ、し、知ってるの⁉︎」
それはもう……色々察するところがありましたし、姫様からも言われましたし……。
リヴィ様が皆さんに愛されているってことは、重々伝わりました。
「店主……ギルバートは、俺の親友ですよ。良い男です。
人物は保証します。本当、あれ以上の男前は、そうそうお目にかかれません」
「……見た目の良さは、知ってるわよ」
「見た目じゃないですよ、俺が言ってるのは。
ギルは……リヴィ様の身分に囚われませんし、そこに価値を置きません。リヴィ様自身を、ちゃんと見てくれる男です」
アギーは貴族を辞す人が多いみたいだし、そこをとやかく言ったりはしないだろう。
とはいえ、今から女近衛になると決心されていたリヴィ様だ……どうなるかなんて、分からないけど……。
そう伝えると、クオンティーヌ様は俺を睨みつけ、暫く沈黙した。
「……ふん。一応参考にしておくわ」
そうして、それだけ言い捨ててその場を去る。
けれど、俺が馬車に戻ろうとすると……。
「近いうち、女近衛の正装依頼の件、使者も向かうんだから、粗相の無いようにね」
と言う声だけが返ってきた。
馬車に戻ると、父上とガイウス、そしてサヤが迎えてくれた。
そわそわとしているサヤに、さっきの会話は筒抜けだったのだろうなと思う。
「あの……レイシール様……」
「うん。正直どうなるかなんて分からないけど……橋渡しくらいは、したいと思う。
ギルだって多分せっつかれてるんだよ。支店を任されてもう三年だ……そろそろ落ち着けって、アルバートさん辺りが」
「アルバートさん……ギルさんの、お兄様……ルーシーさんのお父様ですよね」
「うん。……ギルは多分……俺のせいで婚期逃してるし……」
俺が、異母様や兄上との関係で、ごちゃごちゃしてたから……。
俺に関わることが、危険と隣り合わせだったあの時期に、事情を知らない女性を内に入れることは、憚られたのだと思う……。
何が弱点になってしまうか分からないと……その女性にだって、累が及ぶかもしれないと……。
特別な女性を作らなかったというのは、きっとそういうことなのだ。
だから……ギルにもどうか、自分の幸せを考えてほしいと思う。
できることなら、ハインにも……。
だけどギル以上にハインは……そもそも女性に全く興味無いような雰囲気なんだよな……。
自身が獣人だったことも、絡んでそうな気はしてる。
「……でもそれを言い出したらオブシズが一番ヤバいんじゃないのか?」
一番年上のオブシズまで未婚なんだよな……傭兵業は命懸けだし、そのせい? シザーだってもう二十歳だよ?みんなもう少し自分の生活考えた方が良いんじゃないの?
「ウーヴェさんも、マルさんもです……」
「…………ちょっと春から色々考えよう……」
セイバーンに来ると結婚できないなんて噂が立ってしまったら、ただでさえ少ない士官がもっと減りそう……。
そんな風に考えて頭を抱えたら、隣でくすくすと笑い声。
「婚活パーティーでも開きますか?」
「こんかつぱーてぃー……って?」
「えっと、夜会のようなものなのですけど……もう少し砕けているといいますか、未婚の男女で集まって、お食事をしたり、お話ししたりするんです。
趣味の合う異性と巡り会えるよう、たくさんの接点を作るというのが目的の……まぁ、お祭りですね」
「…………サヤ、出たことあるの……」
「な、無いですよ⁉︎」
そ、そうだよね! お祭りって言うからまさかって思って、もしかしてカナくんと二人で参加していたのかもしれないと、そう思ったのだ。
そう働いた自身の思考に余計衝撃を受けてしまい、なんだか気持ちが沈んでしまった……。
……今まで、逃げていたツケだよな……。
サヤを妻にと望んだ以上、俺はカナくんのことを、もっと知るべきなんだと思う……。
サヤを作り上げた礎であるのは間違いなくカナくんで……あのことも、やはりサヤに、伝えるべきなんだろう……。
本当は、もう……ずっと前から、察していた……。
カナくんは、サヤを嫌ってなど、いなかったってことを……。
それを、サヤに知られることを、俺は恐れ、避けていた。
告げないつもりでいた。
もう済んだことだ、終わったことだと、俺が勝手に決めつけて。
サヤが彼を思い出し、愛しさを思い出し、帰りたいと、泣くのじゃないかって……。
俺なんかより、彼をサヤは、欲するのじゃないかって……。
それが、怖くて……。
だけど……。
胸にしこりを抱えたままサヤは、この世界で生きるのか?
彼女の大切な記憶、故郷の思い出を、そんな苦しく、辛いものにしておいて良いのか?
サヤを幸せにすると誓ったなら、サヤの過去だって、大切にしなきゃならないんじゃないのか。
サヤが誰を想っていようと関係ない。サヤの幸せが大切だ。
本当にそう思うならば俺は……カナくんのことを、口にすることすら許さない俺は……間違っているのだと、思う……。
「どうか、しましたか?」
「ん? いや、なんでもないよ。……ちょっとね、考え事をしていただけ」
サヤの幸せを願うならば……。
全てを手放し、ここに生きるサヤが、ずっと抱えて過ごす記憶。唯一、手放さずに残るもの。
それを、俺は…………。
共に抱える覚悟を、しなきゃならないのだ。
今週は、遅刻しまくりでごめんなさい……。
でもなんとか三話、ほんまなんとか……申し訳ないけどなんとか、書いた!
というわけで、来週も金曜日の八時以降の更新を目指し、頑張ります。
ほんま頑張れよお前……最近いい加減ダメだぞ、マジだ。
では、また来週お目にかかれたらば、幸いです。




