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気持ち

久々の投稿です。

矛盾があったりするのでそこのところは勘弁願いたい。

間違いの指摘やアドバイスお願いします。

 

 この世界は不公平だ。凡人である人間そんなことはいくらでも考えたことがあるだろう。それには僕も賛成だ。ただ、今、そんな事も考えられない状況に陥っている。

 3年前、勇者は世界を魔の手から救うため僕の幼なじみを含めた仲間達と魔大陸へと赴いた。ついに魔王を倒し、先程帰還した。僕は幼なじみの帰りを心から喜んだ。3年前僕は彼女と将来を近いあった。そうだったはずだ。なにせお互いの初めてを捧げあったのだから。

 しかし、今見ている光景に僕は心が壊された。彼女の家に赴いた時見た光景。


 ---勇者と彼女が唇を合わせている光景に。




 ーーー

 ーー

 ー


「お~い!りゅーちゃーん!」

 そう言いながら手を振りこちらに走ってくる少女がいた。

 艶やかで赤く長い髪を揺らしている。僕の幼なじみのミサだ。

 そんな彼女が呼んでいる相手は僕ことリューだ。当時お互いに12歳。

 僕らは小さな村に住んでいて家が隣同士で親の仲もよく典型的な幼なじみだと言えよう。ただ一つ気になることがある。それはミサはこれ以上にあるのだろうかと思うくらいの美少女なのだ。村には僕ら以外は同年代がおらずよく父のダインからは「ライバルがいなくてよかったなぁ!」とからかわれるほどだ。


「ねー!ねー!りゅーちゃん!起きてるんでしょ!畑に行こうよ!」


 今現在僕は布団の中にいる。毎朝と言っていいだろう、彼女は太陽が出たらすぐに僕を起こして畑仕事を強要してくる。全く、困った元気っ娘だ。


「ちょっと待っててミサ!今から行くよ!」


 颯爽と布団を畳み部屋の隅に寄せ、汚れてもいい服に着替えてそそくさと家を出る。


「お待たせ、行こうか!」


「りゅーちゃんは私が来るの分かってるんだからもうちょっと早く起きるべきだと思うな~。」


「いやいや、そんなことしたら負けず嫌いのミサがもっと早く呼びに来るでしょ?」


 そうなのだ。ミサは負けず嫌い故に僕が早く起きたら次の日にはその時間よりも早く呼びに来るのだ。その結果で太陽が出たらすぐに畑仕事になってしまったのだ。


「もう!りゅーちゃんのそういう所嫌い!」

「はいはい。」


 ぷくぅと頬を膨らまし起こっている。そんなところも可愛らしい。


 そしてその日の昼頃、お弁当を食べ、近くの河原でミサと休憩している時のこと。


「ねえ、りゅーちゃんはさ。成人の儀の後はどうするの?冒険者になりたいって言ってたけど...」


 ミサの言う[成人の儀]とは15歳で受けることになる将来の職業を決める上で大切になる儀式の事だ。神父様曰く女神様が人間にランダムでスキルを与えるらしい。一様僕の将来の夢は冒険者だ。冒険者ギルドに登録して英雄になりたいとか考えたりしている。


「そうだなぁ、戦うためのスキルを貰ったなら僕は冒険者になりたい。けど僕が勝手に決めていいことでもないしね。両親にも相談しなきゃいけないし。それに、ミサを放っておくわけにもいかないから」


「なっ、べ、別にりゅーちゃんが居なくても大丈夫だもん!」


 顔を赤くして答えるミサ。からかいがいがある。でも、これは本気で言っている。僕はミサのことが好きだし誰にも取られたくないと思っている。幼なじみだからとかそんな理由じゃなくても絶対にミサの事は好きになっていた。


 沈黙が長く続く。

 お弁当箱を片付け始めた時ミサが顔を真っ赤にして呟く。


「ね、ねぇ、りゅーちゃん。その、えっと、もし私が大したことないスキルだったとしても、ずっと一緒にいてくれる?」


 僕は思いもよらないミサの発言に緊張してしまった。


「そ、それはプ...ロポーズ?」


 コクんと小さく頷くミサに僕はそっと彼女を抱き寄せた。


「そんなこと。当たり前じゃないか。僕は一生一緒にミサと生きていきたい。こっちからお願いしたいぐらいだよ。たとえミサがどんなスキルを貰ったとしても絶対に僕が助けてあげる。だから、成人したら...け、結婚しよう!」


 僕の精一杯の告白は声がとても大きく恥ずかしかった。周りに人がいないようにと祈っていた。


「私もりゅーちゃん好き!だ、だから結婚もしてあげる!」


 顔を真っ赤にし俯いたままミサは僕に負けないくらいの大声で返事をしてくれた。こんな時でも負けず嫌いを発動させるとは…ミサらしいな。と思った。

 その後は恥ずかしさのあまり言葉を交わさないまま家に帰り翌日には昨日の出来事が無かったかのようにいつも通りび朝早くに僕を呼びに来て畑仕事に出かけた。

 ただいつもと違うのは行き道に手を繋ぎながら畑に向かった事だけだった。




 ーー3年後


 ついに成人の儀の日がやって来て村の小さな協会へ出向いた。もちろんミサと一緒にだ。そして神父から説明を受ける。


「今から君たちに受けてもらう成人の儀と言うのは我らが創造神ジェネシー様がか弱い人類を想いスキルを与えてくださるものだ。決してどんなスキルを受け取ろうがスキルには必ず使い道がある。それを駆使してこの世界に貢献できるように頑張りなさい。」


 僕らはゴクリと唾を飲み、女神像の前までゆっくりと歩いていく。


「さあ!膝をつき目を閉じこうべを垂れながら祈りなさい!」


 神父に従い膝をつく。胸の高まりがすごいことになっている。不安もあり期待もある。だけど僕は決めていた。たとえどんなスキルを与えられても最善の使い道を見つけミサを支え続けると。その思いはきっとミサも同じはずだ。

 祈る前にミサと顔が合い頷きあう。たったそれだけで不安が去っていく。不思議だ。

 そして女神像に向い祈りを捧げた。


 身体が暖かい何かに包まれる感覚。これがスキルを受け取っている状態なのだろう。そして暖かい何かがなくなる。これでスキルの授与が終わったと根拠のない確信がありそっと目を開けようとした。

 その時、先程の暖かさとは真逆の寒気が急激に身を包み込んだ。心の中に冷たくどこか寂しいような声が響いてくる。


『お前には**を跳ね除ける力がある気がする。俺にはもう限界だ。すまんな何もわからないだろうが負けずに生きるんだ。俺の時もそうだったあいつは何も告げずに逝ってしまった。俺から言えるのはただ一つだ。お前を含め7つだ。後は頼んだぞ。**と**の後継者よ。』



 声が聴いた僕は問うこと許されずその場で意識を失った。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ここ...は」


 意識が元に戻る。何が起きたのだろうか。成人の儀で祈りを捧げた後の事が一切思い出せない。何か大切な夢を見ていた気がする。


「おっ。起きましたか。ここは私の家です。お祈りの途中で倒れたものだからびっくりしましたよ。身体に異常もなかったので大丈夫だと思いますよ。ミサちゃんはあなたの両親に知らせに行きましたよ。心配しなくても10分も寝ていませんでしたよ。

 それはそうと、これが君のスキルですよ。どうぞ見てください。」


 そう言われ1枚のカードを渡される。


「これは?」


 手に取りカードについて訪ねた。


「それはステータスカードです。成人の儀が成功した証みたいなものですね。それに自分のスキルやステータスが載っています。他人にはスキルが見えない仕様になってます。なので君のスキルが何かは私も知りません。」


 神父は自分のステータスカードを手に持ち僕に見せてくれた。だが神父のステータスはスキルまでハッキリと見える。


 ~~~~~~~~~~~~


 カイン Lv.25


 体力 40/40

 魔力 120/120

 筋力 38

 魔攻 97

 魔防 120


【神父】


 ~~~~~~~~~~~~


 なぜ神父をやっているのかスキルを見て納得する。

 そして恐る恐る自分のステータスカードに目を通した。


 ~~~~~~~~~~~~


 リュー Lv.1


 体力 20/20

 魔力 13/13

 筋力 20

 防御 14

 魔攻 8

 魔防 7


【看破】【隠蔽】【**】

【**】


 ~~~~~~~~~~~~


(ん?この【**】ってなんだろ。二つもあるけど...)


「あ、あの...「あなたに大切な話があるんです。」」


 僕は疑問に思い神父に質問しようとした。しかし神父の言葉に遮られ打ち切られてします。神父は真剣な表情だった。僕は不安になる。もしかしたら自分に何か異常なスキルがあったのではと。


(でも神父は僕のステータスを見れていないわけだし…)


「リュー君、あなたはミサちゃんと仲がいいようですね。だからあなたにはきついかもしれませんが受け止めてください。彼女は...勇者様達と共に魔大陸へ行かなければなりません。すぐにでもです。」


 考え事をしていた僕は頭が真っ白になる。この人はいったい何を言っているのか。どうしてミサが魔大陸へ行かなければならないのか。しかも勇者様と共に。様々な疑問が頭を駆け巡る。


「実はミサちゃんは【聖女】というスキルを女神様から与えられた。【聖女】や【勇者】などのスキルは魔王が誕生した時にしか与えられない。そのスキルが発現する際に女神様から我々にはお告げがあるのだ。だから彼女が【聖女】を与えられた時分かった。」


「いやいやいや、ミサは可愛いけどただの凡人ですよ?ステータスだってきっと低いし!そ、それに別の強い人が魔王を倒せばいいだけじゃないですか!」


 僕は必死だった。彼女が離れてしまう。それが何よりも嫌だった。自分が魔大陸へ行ったとしてもすぐに死んでしまうのは流石に自覚している。だからもし彼女が強くて魔大陸へ行くことになっても自分は着いて行っても足でまといなのだ。


「先程言ったスキルはステータスを大幅にあげる力があるんです。それに魔王は彼女らのスキルがないと傷もつけられないのです。私もできれば彼女を魔大陸へと行かせたくはありません。しかし、魔王は生まれてすぐに討たないと私達は皆殺しにされてしまうでしょう。だから、少なくとも3年間我らの希望として魔大陸へ赴き魔王を倒してもらうしかないんです。どうか理解いただきたい。」


 何と言えばいいかわからない気分だった。僕は呆然として真っ白で皺の入った布団を見つめていた。そこに、ぽたり、ぽたり、と雫が落ちていった。



 何を考えているのか自分自身でもわからない。そんなうちにミサと両親が迎えに来て共に帰路についた。僕は晩ご飯も食べずに質素な自部屋で布団にくるまり泣いていた。


 ーーコンコンッ


 ノックが聞こえるが僕は返事をしない。もしかしたらミサが死んでしまうかもしれない。でも行かなくても死ぬかもしれない。ミサが死んでしまうかもしれないと思うだけで心が痛んだ。


「リュー、入るね。」


 入って来たのはミサだった。


「ねぇリュー、私神父さんから全部聞いたよ。私、世界を救うよ。なんでって思うかもしれない。それはね、私は少しでも長くリューと一緒に生きていたいから。勇者様達って4人もいるらしいの。だから大丈夫だよ。私はリューがいるこの村に絶対に帰ってくる。そしてリューと結婚して子供を産んでずっと幸せに暮らすの。だから...だがらざぁ、リューは、りゅーはわだじをばっててほじいの。」


 グスンと鼻をすするミサ。彼女は負けず嫌いでいつも僕より強くいたがる。こんな時でも僕を気にして元気付けようとしてくれる。


(それに比べて僕はいったいなんなんだ。自分が死ぬかもしれないわけでもないのに。1番辛いのはミサなのに!いつまでもグズグズしてたってどうにもならない!こんな時こそ男を見せないといけないのに!)


 そして僕は布団を投げ捨てミサに抱きつく。


「ごめん、ごめんミサ。1番辛いのは君なのに… 待ってる側がこんなだったらミサも心残りがあってそれこそ危険になるのにね… 僕はいっつも君を想っていたはずなのに、僕ったらダメダメだね。でも、これからも僕はずっと君のことを想って想って想い続ける。だから絶対に帰ってきてね。そしたら結婚して誰にも負けないくらい幸せな家庭を築こう。愛してるよ、ミサ。」


 ようやく立ち直れた僕はミサへの想いを語った。ミサは僕の胸元で泣き続けた。そして落ち着くと彼女はまだ目尻についた雫を払い僕を押し倒した。


「リュー、私はあなた以外嫌。だから3年以上あなたに会えないのは我慢出来ないかもしれない。だから...今夜は私を抱いて」


「もちろんいいよ。僕も君に会えないのは我慢出来ないからね。絶対に帰って来るんだよ。」


 そして熱い口付けを交わし太陽が出てくる直前まで僕らは愛し合った。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 朝になるとミサの家の前には馬車が停まっていた。迎えが来たのだろう。

 家からミサが出てくると一目散に僕の元に寄って来て熱い抱擁をする。


「ミサ、身体に気をつけるんだよ。無茶しちゃダメだからね。絶対に帰ってきてね。」


「うん。あなたの所に絶対に戻ってくるね。村のこと、私の両親のことよろしくね。」


 体を離し最後に口付けを交わす。一瞬だけ唇が触れるだけでフレンチキスではない。

 そして馬車に乗り込むミサ。無性に泣きたくなるけど我慢しなければならない。僕は男だから。彼女が胸を張って旅立てるように。


「またね、みんな!絶対に帰ってくるからね!」


 最後の言葉を言って彼女は行ってしまった。

 僕の心はいま清々しい。彼女がいない3年は長いだろうがその先にまってるであろう幸せを信じて過ごそうと思う。


 ーーー

 ーー

 ー


 ずっと信じて待っていた。彼女の帰りを。


(なのにどうして。どうして!僕が凡人だからかっ!凡人との約束なんて守る価値もないのかっ!)


 拳を強く握る。僕は裏切られた。こんな気持ちになるのは2度目だ。彼女が魔大陸へ行かなければならない事を知ったあの日。あの時と似ている。勇者が憎い感情とミサが憎い感情。もうどうしようもできないと思った。


 そして僕は嫉妬にかられ、ミサに贈ろうと思っていた指輪をその場に落としその場から逃げた。


 全てを手に入れられる力を欲しながら



リュー君、辛いよね(´。・д人)シクシク…

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