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第六話:変革の前、その後

え〜今週もうまく更新できたのでよかったと思います。双子編はだいたい十話ほどで終了する予定です。結末も既に決めていますが………読むか読まないかはあなたしだいです。双子編の結末を見なくても一応、続けて読んでも問題はありません!感想なんかお待ちしていますのでよろしくお願いします!

六、

 写真はそのまま

 しかし、現実はそうもいかない

 変わり行く日々、変わる友人

 変えたのは時間、もしくは…………

―――――

 女子高の近くにある空き地にて、犬猿の中と称されている俺らの高校の番長と民子ちゃんたちが通っている女子高の女番長さんがにらみ合いをしていた。ああ、犬猿の仲と称されている……………というのは以前の番長同士で、今は代替わりをしており時代の流れを感じずにはいられないな。

 緊張した空気がその場を包み込んでおり、一触即発の空気にその場にいる誰もが空気を感じ取ることさえも難しく感じている。

「辰也、君が僕をここまで連れてきたのは構わないが……君がどうにかしてくれ。僕は近づけない」

 女番長は徹の従姉……弱点が存在しないと思われていた徹に対しての最終兵器である。徹が彼女の半径五メートルに入りこめば徹はボコボコにされてしまうらしい。

「………ああ、わかった」

 端正な顔立ちにトラでも睨み殺してしまいそうな眼力……すらりとしているが、強靭な一撃を相手にお見舞いするという徹の従姉、名前を渡辺律わたなべりつという。右頬に傷が入っており、年季の入ったぼろぼろの制服を着ている。

「民子ちゃん、君は今すぐここから離れてくれ…………危険だから」

 俺はここまで道案内してくれた民子ちゃんにそう告げる。

「わかった」

「じゃ、辰也よろしく」

 徹もついでに離れていってしまった。ううむ、律さんたちは五人ほどいるんだがこっちは俺と大策だけかよ…………

 平和主義である俺はこそこそと大策の背中まで言って耳打ちをする。どうやら相手にはまだ気がつかれていないようだ。すごいぞ、俺。

「大策、お前、何してるんだよ」

「…………睨まれたからな」

 おいおい、睨まれただけでこんだけの空気を出すのかよ………

「ほら、いくぞ。これ以上時間を費やすな、お前が何故、睨まれたのか思い出せよ」

「何ってそれは…………ああ、そういえば箱を探している最中だったな」

 ようやく思い出したのか、大策は相手に対して背中を見せた。

「おっと、逃げるのかい?」

「ああ、ちょっと用事があってな………友人の一大事なんだ」

 お前が引き起こした一大事でもあるんだがな。

「友人?………お、辰也じゃないか〜」

 友人という言葉に反応して律さんはこちらを見る。既にあの人は俺を標的としたに違いない。

「あ、あはは………どうも」

 俺はもてるほどの愛想笑いというスキルを持って彼女に笑いかける。

「久しぶりじゃないか、どうだ、これからお茶しないか?」

 ニコニコしながらこっちにやってきて………あれ?気がつけば大策がいないぞ?お、おいっ!何電柱の影から徹と民子ちゃん、そして大策が親指を突き出してるんだ!?

「さ、辰也行こうぜ〜勿論、あたいがおごってやるからな」

「はは………どうも」

「おら、行くぜ、お前ら」

「「「「お〜っ」」」」

 俺の肩を確実に押さえて律さんは上機嫌に空き地を後にしたのだった。

――――――

「…………うぷっ………」

 よたよたとした調子で俺は階段をゆっくりと上る。あの後、彼女は制服姿の俺に酒を飲ませ、自分も飲み、何件かはしご。

「いや〜あの岩山睨みつけた甲斐、あったな〜」

 これは律さんが言っていたことであり、間違いなく俺を誘い出すための口実だったに違いない。あの後俺の家に行くとごねまくっていた律さんを律さんの補佐をしている人たち?と一緒に説得してここまで帰ってきたというわけである。自分が酒に強い体質でよかったと思うぜ。

「………辰也」

 ふと、そう………そんな声が聞こえてきた。階段を見上げて、声の主を確認する。双子の姉…………理恵だ。

「………おえっぷ………なんか、用か?」

 気分が悪いとさすがに何にも考える余裕がないな。俺は壁伝いにあがっていって彼女を避けるようにして階段を上りきった。

「大丈夫なの?」

 彼女も上がってきてそんなことを俺に問う。

「……………さぁな」

「辰也!?」

 理恵がいきなり大声を出したのでぎょっとしたが、気がつけば俺は床に転がっている。無理をして上ってきたのが祟ったのだろうか?

 気分が悪くなってきたので下を向いて

「ごはっ………………のみすぎたかな」

「未成年なのに………」

 あ〜あ、ちょっとやりすぎて紅い液体まで出てきちまったが………理恵には気づかれていないようだった。明日の朝、さっさと処分しちまったほうがいいだろう。

「……じゃあな」

「本当に大丈夫なの?」

「良くあることだ………気にするな」

 片手を挙げてさよならを告げて俺は玄関を開けて部屋の中に入ったのだった。

「………アルバム、あるかな」

 気分が悪くて今にも倒れそうだったのだがふと、これまで一度も見ようとも思わなかったアルバムが急にみたくなった。もしかしたらもう少しで母さんたちの命日だからかもしれない。

 押入れの中にあるであろうアルバムを俺は探そうとしてやめた。写真の中の俺はきっと笑っているだろう。その自分を見るのが俺にはつらいに違いない。

 あの双子もきっと俺と一緒に笑っている。そんな彼女たちを見るのが俺はつらい。

「………寝るか」

 ベッドに倒れこみ、さて、どんな夢を見るんだろうか?といったどうでもいいことを考えながら目を閉じる。風呂にも入っていないし、歯磨きだってしていない。

 疲れていたためか、その日はすぐに寝付くことが出来た。

――――――

 これが夢であることは俺が一番わかっている。

「なぁ、何故あの双子が許せないんだ?」

「忘れたの?僕らはあの二人に裏切られたんだよ」

「それは………そうだが、もう何年の月日が過ぎているって思っているんだ?」

「だからだよ。月日が過ぎるほど忘れずに根深く残ってしまうことだってあるんだ」

「………俺はそう思わない。あれがいやな事だって俺だって知ってる……だからこそ、俺はあの双子を許すべきだと思う」

「根拠は?」

「あの二人は充分反省している」

「…………どうだか」

「人は変わるもんだ。お前や俺だって変わるべきだ」

 俺の夢を終わらせるためか、対話をしていた相手は首をすくめて影に消えた。



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