第五話:事件の後、変革の前
毎週土曜更新と言っておきながら………先週更新してないですね。すみません、色々とご迷惑をかけてしまって………この小説について、ふと、終わり方を考えたのですが………ううむ、今のところは相打ち(!?)しか思いつきません。
五、
関係のない出来事、そう思っていませんか?
あの日の出来事、今につづいているのかもしれません。
あの日の裏切り、今の信頼……………
今のあなたはどうですか?続きますか?それとも………
―――――
プールでは既に大騒ぎとなっていた。
「か、返してくれ!」
育ちのよさそうな女子を相手に工藤大策が襲い掛からんばかりだ。
だが、俺は何もせずにそれを見ていた。
「何してるの!止めないと!」
「え〜いや………別にいいとおもいます。だって、あいつの妹ですから」
そう、育ちのよさそうなお嬢様の名前を工藤民子という。似てないと評判の兄妹で、彼がぐれたのもこの妹の所為だといっていい。俺が保障していいだろう。
「やめてよ!お兄ちゃん!これは私が拾ったものなの!」
「やめろ!これがお前に渡ったら俺は辰也に殺される!」
ん?なんだか俺に関係しているような言葉だったが…………
もみ合っていた結果、握っていた箱は飛んでいき…………高い塀を越えて外に出て行ってしまった。
「あ〜!!もう!お兄ちゃんのせいだよ!!」
民子ちゃんはすばやくいなくなり、膝をついている工藤大策だけとなった。
「なぁ、あの箱の中身ってなんだったんだ?」
「………知りたいのか?まぁいいや………あれはお前の恥部だ」
「恥部!?」
なんだかとても危なげな響きだ。
「………民子に何か頼みごとをするときは何かを与えなくては動かんのだ……だから、渡辺徹からお前のはずかしい写真を買い取って民子のえさにしようと………」
最悪だな、こいつは………。
「それと、まだ続きがあるんだが………一週間以内にさっきの箱を回収しないと今度は俺の恥部を町中に張り出すと渡辺徹が言ってきた。冗談だとは思ったが………」
奴が冗談を言うはずがない。奴は常にまじめだ。
「………冗談だとは思えなかったから素直にここまでやってきたのだ」
その考えは正しいぞ、工藤大策。あいつ一人に対して俺たち二人の脳みそをもってしても勝てないだろうからな〜。ん?こんなところで油を売ってるほど俺には時間があったのだろうか?
「そんなことより、さっさと追いかけるぞ!」
「そ、そうだったな………」
消えていった民子ちゃんたちを追って俺らは警察の人に頭を下げて二度と来ることがないであろう高学歴の学び舎を後にしたのだが…………
「あ、お兄ちゃんたち…………」
そこにいたのはあたりをきょろきょろと見渡している民子ちゃんの姿だった。
「どうしたんだ?箱は?」
通行人にでも拾われて中身を確認されたら確実にお外を歩けなくなってしまうような写真が入っているのだろう………俺は恐怖を覚えていたのですばやく民子ちゃんに尋ねた。だが、彼女は首を振ってこういった。
「………それが、私が外に出てきた時点でもうなくて………」
「!?」
時既に遅し!俺の恥部がローカル新聞に載るかもしれない!?助けて、じーちゃんばーちゃん!
「と、とりあえず手分けして似たような箱を持っている人を………探すぞ!」
「「お〜!!!」」
即席で結成された『俺の秘密の箱を探せ!チーム』は三つに分かれて箱を探すために翻弄することとなったのだった。
―――――
「やぁ、奇遇だな、辰也」
電柱に背中を預けてたっているのは白衣をまとった徹だった。顔が非常に愉快そうだ。こちらとしてはそんな面を見るためにうろうろしているわけではない。
「徹!お前、あの学校………」
俺は後ろにそびえるでかい女子高を指差していった。
「………から何か飛んできた箱を見なかったか?」
「ん?ああ、あれか……そういえば転校生の二人組みが拾って中身を確認して………」
「!?」
絶望がこの空を覆った気がした。いや、まぁ、今では他人……隣人だから他人でもないか…………とりあえず、ちょっと自体は悪いほうに転がっていっているようだ。いや、既に転がり終えてしまったといったところか?
黙りこんだ俺に対して徹は一つ小さなため息を出してこういった。
「何、そんなにあわてなくても箱はここにあるよ」
「………脅かすなよ」
気がつけば徹の手には争奪戦を繰り広げていた目的である箱が握られていた。
「まったく、嘘までついて何が楽しいんだか………」
双子を出すところがなおさら悪いな。
「ああ、双子に渡ったのは嘘じゃないよ。彼女ら、中身も確認しちゃったし………」
「…………」
唖然とした調子で徹を見ると奴は首をすくめて弁明を始めるようだった。
「僕が職員室から出てきて君たち二人の後を追いかけていたらちょうど箱が出てきてね…………敷地外にいた双子のところに箱がやってきたのさ。彼女たちが中身を確認するのを見届けて、僕は双子に箱を返してもらったというわけさ」
「って、おい!一部始終を見てたんなら速めに返してもらえよ!」
そうつっこむと意外な言葉が返ってきた。
「おいおい、つっこむところはそこじゃないだろう?」
「?」
「何故、ここに双子がいたのか………不思議じゃないのかい?」
言われて見れば確かにそうだ…………この学校に友人がいるのだろうか?
俺の考えを見透かしてのか、徹はこういった。
「確かに、そうだろうね………だけど、何も女子だけが友達って限らないだろう?」
「おいおい、ここは女子高だぜ?女子高に男子がいるわけねぇだろ?」
俺を指差して徹は言った。
「いるだろう。ここに?考えればすぐに思いつくさ。彼女たちは君に用事があってここまできた………もしくは、君が何故、女子高なんかにはいって行ったのか知り合いとしては………結構理由を知りたいと思うけどね?」
「…………」
まぁ、確かに知り合いがこういった場所に入っていったら俺も知りたがるといえば知りたがるが……………
「………あいつら、もう帰ったのか?」
「ああ、君の写真とその箱を交換してあげたら帰っていっちゃったよ」
俺が何か言いかけようとしたその瞬間に…………
「た、大変!辰也さん!!」
走ってきたのは民子ちゃんだった。日ごろから騒がしい………失礼、元気のいい彼女がさらに騒がしい………失礼、元気がとてもよろしい。どうしたのだろうか?
「どうしたんだ?またあの馬鹿(大策)が何かやらかしたか?」
冗談でそう言ってみると彼女は頷いた。
「う、うん!お兄ちゃんが私たちの学校の女番長とにらみ合いになっちゃって………」
返答に困っている俺に徹は、言った。
「…………見捨てよう」
「あっさりだな〜おい………ほら、友人代表としていくしかないだろ?暴力沙汰とかになったら色々とやばいぞ?」
珍しく嫌がっている徹を引きずりながら民子ちゃんとともに俺たちは大策のもとへと向かったのだった。
写真はのち程どうにかして返してもらわないと…………




