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拳王転生銀竜の武者修行  作者: 鳴神
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第3話 強敵オーガ戦

寄ってくるゴブリンやスライムを狩りながら強敵対策を考えていた。LVアップもいいが、HP、MP、スタミナが回復するわけではない。

HPもMPも時間が経てば回復するが今までの戦闘でもまともに受けてはいないが、攻撃を掠めることがある。

強敵相手ではかすり傷でも致命傷になりかねない。そうなった時、治癒は必要になる。

戦闘の合間にナビィから治癒魔法の扱い方を教えてもらっていた。


(魔力を傷口に集めて、傷を負う前の元の形をイメージすればいいのです。)


言われるままにやれば傷口が僅かに光り、傷が治っていく。確かに出来たが回復速度が遅い。

戦闘中にやるには敵と距離が空いてないと使えないな。


あとやれることは人間の時に使った氣の運用をこの身体で出来るか試さないといけない。


氣とは自身が生み出す生命力、エネルギーをいい、これを利用して自身や相手に様々な影響を与えることが出来る。


ゴブリン達に使うつもりだったが、一撃で倒れてしまい練習にならない。寄ってきたゴブリン達を狩り尽くし、強敵の気配を近くに感じる。


時間もないし先ずステータスを確認する。

プチメタルドラゴン

LV 8/20

HP 67/81

MP 39/64

STR 186

VIT 96

AGI 108

DEX 123

INT 91

MND 100

LUK 78(+334)

スキル 竜の眼LV2

竜鱗LV3

気配感知LV3

気配遮断LV2

見切りLV3

拳技LV3

脚技LV2

ユニークスキル

神の先導

英雄の卵LV2

成長補正

極運

魔法 火の息LV2

ヒールLV1


ステータスの上昇幅が大きい。スキルもこんなに早く取得できていいのだろうか。敵が強いだけに嬉しい誤算だが、一方的にやられることはないだろう。

俺はこの敵の後にもほぼ不眠不休で戦わないといけない。少しでも余裕を持って戦いたいから氣を練り上げてみる。

人間の時と違って翼や尻尾にまで氣を流さないといけないので少し上手くいかない。

でもやらなければ出来ない。敵が来るまで瞑想して限界まで氣を練る。


敵が目の前までやって来た。


「ガァアアア〰」

敵が叫びながら拳を降り下ろす。

俺はその場を勢いよく後退し、敵を視認する。


大きさは2mくらいだろうか。頭から2本の角を生やし、全体的に人に似た顔と身体をしている。ただし筋肉が大きく隆起しているうえ、肌が赤い。オーガと呼ばれる魔物だろう。


オーガが拳を打ち付けた地面を見ると拳より一回り大きく地面が抉れていた。


これは一撃でもまともに受ける訳にはいかないな。

自分のステータスは分かるがゴブリンもスライムも一撃で倒れてしまうのでその数値がどれほどのものかが分からない。

STRは高いがこのオーガに本当に通用するのか?


(ステータスを確認しますか?)


できるのか?


(できますが。)


なら最初からやってくれ!!


(分かりました。)


種族─ゴブリン種

種類─オーガ

LV 12/30

HP 283/283

MP 66/66

STR 208

VIT 178

AGI 159

DEX 112

INT 78

MND 145

LUK 68

スキル 力持ちLV7

狂化LV2


DEXとINT以外はのステータスはオーガの方が上だ。STRはオーガのVITより高いので問題なく通用するだろう。スキルが少ないのはありがたいがAGIの差が予想以上に大きい。

見切りがあるとはいえ避けきれるだろうか。大きさが三倍以上の差があり、攻撃を当てづらいと思うが油断できない。

一番ありがたいのは人型であることだ。人型なら動きがよく読める。


俺は練り上げた氣を手足に集める。

オーガは俺のところまで距離を詰め、先ほどと同じく拳を降り下ろす。

俺は地を蹴りオーガの踏み込んだ足まで詰め、回転を加えて氣を込めた拳を膝に裏拳で叩き込む。

オーガは小さい俺を見失い膝の急激な痛みに声をあげる。

中国武術の発勁を使っているのに骨を砕けなかった。多少動きが鈍るがまだ油断できない。

オーガは俺を捕まえようと手の平を向ける。殴った右手を横から左手を上から俺の逃げ道を防ぐように。

単純だが速い。狂化のスキルを使ったのだろうか先ほどの攻撃よりもだ。


駄目だ。避けられない。


そう判断した俺は迫る右手の上に飛びかかり腕の上を全身で転がるようにして受け流す。太極拳の化勁の要領だ。

攻撃を掠めただけなのにかなり痛い。だがこの回転を利用しない手はない。

続いて迫る左手に勢いを付けた廻し蹴りを親指に放ち、身体からずらす。


親指を折られたオーガは苦悶の表情を浮かべることなく右肘を俺に放つ。ほとんど前のめりに倒れているような状態の無理な態勢から放ったためか勢いがない。


俺は空中で回転し迫る右肘の下部を尻尾で打ち、急降下して着地する。

すぐに地面を蹴り、肘打ちで開いた脇腹めがけて飛び蹴りを放つ。肋骨が折れ、肺に骨が刺さる。さすがのオーガも苦痛の声をあげる。


俺は一端距離をあけ、全身にヒールをかける。痛みが徐々に引き、擦り傷が治っていく。


オーガは息を荒げて立ち上がりこちらを睨んでくる。

オーガが飛び掛かろうと右足に力を入れるよりも速く俺は間合いを詰め左膝を両手で抱え、勢いを付けて膝蹴りを放つ。

今度こそ骨が砕け、オーガは左膝と左手を地面につける。


オーガ

HP 56/283


ステータスを見てももうほとんど虫の息だ。


俺は距離を空け、止めを指すために氣を練り上げる。

オーガは堪らず右足だけで飛びかかり捕らえようとするも俺は腕を掻い潜り足を強く踏み込み同時に心臓部に掌を押し出して発勁した。

衝撃は外部に損傷を与えることなく内部に伝わり心臓を破壊してオーガを絶命させた。


(LVが8から10になりました。)


さすがにレベルの差があったから経験値が多かったようだな。


この世界に来て初めての強敵との戦いはほとんど一方的な勝利に見えるかもしれないが危ない場面があった。

このドラゴンの身体の使い方も分かってきたし近くに強い気配もないので次の戦いは楽になるだろう。

とりあえず一難は去った。次はオーガの肉の味が楽しみだ。

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