第30話 ダンジョン攻略準備
ジミーに闇魔法を教えて貰ってから四日が経った。
魔法学の講義と実習をやって来たが魔法に関しては学ぶ事が多い。ただ、授業自体カリキュラム上3時頃には終わってしまう。
授業を終えた後にレベルを上げる為にダンジョンに行くにも中途半端な時間で碌に攻略も出来ず、仕方なく魔法の自主練と筋トレをやっていた。
魔法の自主練は単純に上手くなりたい一心に既存の魔法と闇魔法の練習。
筋トレは謂わば前世の習慣だ。この世界に来てから生きる事と慣れるのに必死でほとんど時間を取れなかったが学校に通うようになり時間が出来た為気付いたら片手逆立ち腕立てをやり始めていたのだ。
今日も今日とて暇な時間を筋トレに充てている。レベルでステータスが上がるこの世界で意味があるのかは分からないがヴァンデウス兵達がやっているのを見たことがあるので意味はあるのだろう。人間に効果があるといっても魔物にも効果があるかは分からない訳だが。
(野生の魔物が筋トレなんてしてるところを見たことはないからな。)
そんな事を筋トレの最中に考えていたのも筋トレの間は暇だからだろう。
「なぁティアナ、単純な筋トレの時って何を考えてる?」
「はぁ…私に…そんな……余裕は……ありません!!」
息を荒げながら俺の質問に答える。ティアナの目の前に大剣が迫るが二本のレイピアで受け流し、すぐに距離を取る。
「シルバー、模擬戦中だ!」
端的に試合中は話し掛けるなと言うことだろう。
まだギルバートの方が強いとは言え下手をすれば怪我するから仕方ないか。
「セフィリアもう少し頑張れ。」
俺の前でセフィリアが息を切らして大の字で仰向けに倒れている。呼吸する度に年の割りに大きな胸が揺れて目に毒だ。
「そうは…言いますが…はぁ…魔法使いに…はぁ…筋力はあまり…必要ないと…思いますわ。」
「これからは休日はダンジョンに潜るんだから今から体力を少しでも付けないと足を引っ張って攻略に支障が出かねない。階層が上がれば罠もあるだろうし、対処出来ない魔物が相手の時には逃げると言う選択肢も必要だから持久力と走力はあるに越した事はない。」
元々はレベルアップの為に俺一人でダンジョンを攻略するつもりだったがティアナとセフィリアが付いてくると言い出しただ。「遊びで行く訳じゃない」と言うと「腕試しには丁度良いですね」とティアナは言い、セフィリアも「魔法の実験が出来ますわ」と二人共やる気満々のようだ。
ライオネルに聞いたところ、近くの狩場(トータスの森)では練習にならず、ダンジョンでは状態異常の手段を持つ魔物が多く、中には人間も敵になりうる可能性もありレベルもまだ高くない子供達を行かせる訳にはいかなかったようだ。
「それはそうとシルバーのそれは意味があるのですか?」
ギルバートとの模擬戦を終えて汗を拭きながらティアナが問う。
人間は個人差はあれど筋肉に負担を掛ければ回復する時に筋肉がより強くなるが魔物にそう言ったものがあるのかと言うことだろうか。エヴァンにその知識があるような気がしないので単純に魔物でも鍛えれば強くなるのかと言うことを聞きたいのだろう。
「魔物にだって個体差があるんだから環境によって能力に差が出るって事だろう。まぁ普通、魔物は生きる為に獲物を狩って強くなるから強くなる為に己を鍛えるってことは無いのだろうがそれが出来る環境で享受している俺はやはり魔物としては異常なのだろう。」
(速足がLV5に上がりました。)
訓練所を走り回っているとスキルのレベルが上がった。少なくともスキルアップには貢献しているようだ。
(明日はダンジョン攻略だから今日はこの辺にしておくか。)
名前─シルバー
性別─雄
職業─モンク
種族─竜種(希少種)
種類─リトルレアメタルドラゴン(異常個体)
LV 2/40
HP 372/372
MP 324/357
STR 608(+80)
VIT 483(+40)
AGI 446(+50)
DEX 429
INT 415
MND 399(+30)
LUK 344(+610)
スキル
MP回復速度LV2
竜の眼LV7
竜鱗LV6
飛行LV1
気配感知LV7
気配遮断LV5
見切りLV7
拳技LV8
脚技LV8
縮地LV6
投技LV3
練氣操作LV7
力持ちLV8
尾技LV5
爪技LV5
大物喰いLV6
速足LV5
思考加速LV3
並列思考LV3
嗅覚強化LV2
味覚強化LV4
聴覚強化LV2
魔力感知LV3
魔力操作LV6
物理耐性LV4
魔法耐性LV3
威圧LV2
火耐性LV3
土耐性LV2
水耐性LV2
毒耐性LV7
苦痛耐性LV7
麻痺耐性LV3
幻惑耐性LV2
睡眠耐性LV2
悪食LV5
丈夫LV4
頑固LV3
ユニークスキル
神の先導
英雄の卵LV4
成長補正
極運
魔法
火の息LV7
ドラゴンブレスLV2
ヒールLV8
身体強化LV6
雷纏LV5
鎌鼬LV1
ファイアボールLV1
ストーンエッジLV1
エアショットLV1
アクアエッジLV1
アイスバレットLV1
アイシクルLV1
ライトニングLV1
シャドウエッジLV2
シャドウバインドLV1
ダーククロスLV2
進化のお陰で低かったVITが大幅に上がり英雄の卵でVITの上昇幅も大きくなった。
STRばかりが上がっていたら下手したら自身の攻撃でダメージを負いかねなかったので本当に有り難かった。
まだ階層が低いのでダンジョン攻略の準備はアイテムボックスでほとんど済んでしまうが上がっていけば10階層を1日で踏破できるとは限らないし、11階層からの魔物のステータスも分からないので準備を怠るようなことは出来ない。
俺はともかく他は状態異常に対する耐性がないからな。出来る限り前に出て姫様を守らないとな。
子守りという新たな意気込みも抱え部屋に戻った。