表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拳王転生銀竜の武者修行  作者: 鳴神
23/31

第22話 魔法の力

 8、9階層を粗方回ったが気配感知に反応がなかった為、現在10階層を探している。MPも3分の2程回復し、セフィリアにヒールをかけてもらってHPも同じくらい回復している。

 気配感知が反応して向かっているがポイズンスパイダーやロックトータス、ウィンドバット、ハンマーローカストなどばかりでヴェノムスパイダーと遭遇していない。


やっぱり気配感知が集中してるところにいるのか?


 予想としては先程のヴェノムスパイダーと同じように広い場所で卵を守っているのではないかと考えている。

 いろいろ探し回ったが見つからず結局ボス部屋の近くまで来てしまった。

「この先はボス部屋の手前の所しか広い場所がないんじゃないか?」

「そうだな。一応この近くに行き止まりの道があるが行ってみるか?」

「なぁ、その方向って此方の方か?」

 俺は左を指差す。

「そうだが……見付かったか!?」

 気配感知が左前方に多数の反応を示す。先ずは行き止まりと言われた左の道を進む。なかなか遠いみたいで200mくらい先で壁に行き当たった。だが結して行き止まりでは無かった。

 右を見ればここまでの道よりも細い通路ある。

「ティアナ、この通路に向けてレイを使ってみてくれないか?」

「この通路に真っ直ぐ放てば良いのね。」

「あぁ。」

「レイ!」

 ティアナが放った光線が薄暗い通路を照らし、通路の先にある壁にぶつかる。途端に気配感知が感知した気配達がざわめきたつ。

「今ので向こうも警戒したようだな。なるべく数は減らしてくから討ち漏らした分は頼む。」

 通路を進んで行くと十数体のポイズンスパイダーがこちらに向かって来る。狭い通路で群がって来れば逃げ場はないがそれは向こうも同じこと。

 俺は火の息を吐き、ポイズンスパイダーを駆逐しながら進む。広場の入口まで来て良いことを思い浮かんでしまった。

「セフィリア、この広場にサイクロンを使ってくれないか?」

「使うのは構いませんけどコントロールはまだあまりできませんわよ。」

「それで構わない。俺からも一手間加えてみるからやってくれ。」

「分かりましたわ。では、サイクロン!」

 広場に小さな木枯らしができて次第に大きくなり広場の大半を埋める。

「もう一丁!」

 俺はセフィリアのサイクロンに向かって最大火力の火の息を掛ける。火がサイクロンに引き寄せられ飲まれ勢いを上げて燃え盛る。

「合体魔法フレイムトルネードってところか?なかなかの威力だな。」

 サイクロンの効力が切れると後に残されたのは僅かな数のポイズンスパイダーとヴェノムスパイダーだった。セフィリアはMPの大半を使ったのか息を荒げてる。


性別―雌

種族―蜘蛛種

種類―ヴェノムスパイダー

LV 54/60

HP 189/534

MP 327/327

STR 448

VIT 405

AGI 413

DEX 396

INT 311

MND 342

LUK 256


 ヴェノムスパイダーを見るとHPが6割削れ、身体の至る所に切傷と焦げ痕がある。ポイズンスパイダーの方は殆ど無傷だ。運が良かったのだろう。

「セフィリアは休んでると良い。後は3人で片付く。ポイズンスパイダーはあえて無視するから後は頼むぞ。」

「分かったよ。」

「分かりました。」

 そして俺はヴェノムスパイダーに突撃する。身体強化と氣の両方を練り込んだスピード重視の只のタックルで3人から距離を離す。

 そのまま壁に激突し、ヴェノムスパイダーが暴れだす。壁にぶつかるまで噛まれたが問題ない。密着状態から少しだけ隙間を空け両爪を掴み、渾身の前蹴りを毒液を放とうとするヴェノムスパイダーの顎に放つ。

 強制的に口を閉じられ顔が上を向く。振り上げた足をそのまま踵落としで降り下ろし、頭を潰して絶命する。

(レベルが2に上がり、脚技がLV8に上がりました。)

「魔法で大分削れたから呆気ないものだな。」

 振り返ってみると向こうも丁度終わったのか武器に付いた血糊を振り払っている。

「こいつは使える素材はあるのか?」

俺はギルバートに聞いてみる。

「牙と爪は使えるが他は傷が多くて駄目だな。」

「じゃあ食べるか。」

牙と爪を取り除いて食べ始める。心臓部辺りを食べていると固い感触が出てきてそのまま噛み砕く。

(魔石の吸収を確認しました。全ステータスが上昇します。)

 やっぱり魔石があった。どうやら魔石はある程度の強さを持つ魔物しか持ってないようだ。


「この後どうするか?」

「どうするっていうと帰るか進むかか?」

「あぁ。10階層、しかもボス部屋に近い場所からわざわざ入口まで帰るか、進んでボスを倒して転移陣で入口まで帰るかだ。」

「意地悪な言い方ですね。」

「流石に目の前にボスがいるのに倒さないのは勿体なくてな。」

「それじゃあ進むとするか。」

 ボス部屋の前まで来て作戦を立てる。

「ミノタウロスには俺1人で突っ込む。ギルバートはファイアボール、ティアナはアイスバレット、セフィリアはストーンエッジで俺諸ともミノタウロスを攻撃してくれ。」

「何でそんな作戦なんだ。お前はマゾか?」

「魔法の耐性を付けるのに丁度良いんだ。治癒魔法もあるし遠慮はあまりしなくて良いぞ。」

 俺を除く全員が呆れたように溜め息を付いていた。

 ミノタウロスは30秒くらいで倒れた。指示通りに俺諸とも魔法攻撃と俺自身の近接戦闘でほぼ一方的に攻撃を受けたのだ。

 解体してミノタウロスの角と皮を取り、焼いて食べたが魔石がなかった。ティアナとセフィリアが物欲しそうな顔をしていたので焼いた物を皆に渡した。美味しそうに食べているので魔石の事は置いておこう。

 扉を開けて転移陣で入口に戻るのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ