第12話 迷宮とポイズンスパイダー
目の前に洞窟の穴のようなものがありその入口を4人の騎士が警護している。正確には2人が出入りする冒険者のカードの確認をして、もう2人がその騎士の守護という形だ。
次々に洞窟に入ってく冒険者に続いて俺達も中に入ろうとするがギルバートが呼び止められる。同僚だからか軽く事情を説明したら『頑張れよ。』と応援されて通してもらえた。
いよいよ迷宮だ。
入口を潜って気配感知を使う。生き物全てに反応するからか数が多すぎてる上魔物と冒険者の区別がつかない。まだスキルLVが低いのも理由の一つだろう。
気配感知を続けるが視界を頼る他ないな。
迷宮を進む前にギルバートのステータスを視る。
ギルバート・オルガレス
性別─男
職業─大剣士
種族─人種
種類─人間
LV 49/100
HP 638/638
MP 264/264
STR 256(+50)
VIT 238(+50)
AGI 187(+40)
DEX 256
INT 205
MND 234(+30)
LUK 211
スキル
剣技LV5
大剣技LV7
気配感知LV3
気配遮断LV3
見切りLV4
楯技LV5
縮地LV1
力持ちLV5
頑固LV3
速足LV4
丈夫LV5
思考加速LV2
魔力感知LV2
魔力操作LV2
ユニークスキル
無し
魔法
身体強化LV5
ファイアボールLV2
アースウォールLV3
装備
火蜥蜴の大剣
騎士の鎧
騎士の腰当て
騎士の手甲
騎士の脛当
レベルも高いしステータスも高いしスキルも多い。魔法は得意ではないようだが大剣士で近接戦が主だろうから気にするほどのことはない。
監視役だけのことはあって今の俺より強く守る必要がなくて助かる。
後は進むだけだ。
意気込んでみたものの魔物がなかなか現れない。理由は分かっている。
気配感知に引っ掛かっているのが冒険者だというだけだ。この階層に冒険者が多く魔物が狩られていってしまっているだけだ。
「この辺りの階じゃ無理か。」
とギルバートが言って小走りで進む。
ギルバートの後を付いて走って行くと階段が見えた。そのまま階段を降りていく。2階層は先程よりかは若干少ないがそれでも多い気がする。ギルバートはそれも気にせず小走りで進む。
(速足がLV2に上がりました。)
ナビィの知らせが届いた頃には5階層まで降りていた。途中で1、2体魔物が出てきたがゴブリンだったのでギルバートが走りながら切り伏せていた。
「この辺ならば大丈夫かもしれない。」
と言ってギルバートが俺に視線を送る。
俺達は5階層を進む。それまでの階層と違って魔物が普通に出てきた。
種族─蜘蛛種
種類─ポイズンスパイダー
LV 15/40
HP 187/187
MP 86/86
STR 149
VIT 121
AGI 171
DEX 160
INT 114
MND 154
LUK 93
スキル
操糸LV2
毒牙LV3
毒耐性LV3
毒液LV3
俺と同じくらいの大きさの蜘蛛だ。強くはないが毒持ちであるうえ同じくらいのステータスの蜘蛛が天井や壁に8匹いる。
「いきなりこの数は不味いか?」
とギルバートが大剣に手を伸ばす。俺は気にせず敵に突っ込む。ポイズンスパイダーが正面から来た俺に糸を吹き付けるが横に軽く避けて突っ込む。ポイズンスパイダーの目の前まできたがすぐ横に跳ぶ。
(危険察知LV1のスキルを取得しました。)
先程俺がいた所にポイズンスパイダーの毒液が放たれれいた。
危ないな。
と思ったそばから壁にいたポイズンスパイダーから糸が飛ばされた。しゃがんで避けてから縮地で距離を詰めて貫手で一匹を仕留める。
仕留めたついでに壁から手の平代の石を掴み抜き、真上の天井から飛んできた糸を回転しながら避けて、反対側の天井にいるポイズンスパイダーめがけて力一杯ぶん投げる。反応もできず石が頭を貫き絶命する。
(投技LV1のスキルを取得しました。)
我ながらナイススロー。後6匹。
だがすでに1匹が俺に飛びかかっている。尻尾で最初に向かったポイズンスパイダーに向けて振り払って、最初に仕留めたポイズンスパイダーを掴み真上の天井にいるポイズンスパイダーの射線に被るように投げる。尻尾で払ったポイズンスパイダーは最初のポイズンスパイダーにぶつかって2匹とも距離が開くが、最初のポイズンスパイダーの後ろにいたポイズンスパイダーの糸を避けられず腕で受ける。
これを好機と思ったのか、他のポイズンスパイダーも糸を吹き付ける。真上のポイズンスパイダーの糸は投げたポイズンスパイダーで防いだが2匹の糸は同じ腕で受ける。
飛ばされた2匹も態勢を立て直しこちらに向かって来ている。
このままでは不味いが糸を爪で切ることはできる。だがそれよりも効果的なものがある。
俺は息を飲み込む。腕に付いた糸に火の息をかける。
ちょっ!腕が熱いんだけど!
(火耐性LV1のスキルを取得しました。)
竜なら最初から耐性付いてるものだろう!!
(甘えはダメです。)
ナビィがそんなことを言うが火は糸を伝って3匹のポイズンスパイダーの尻に引火する。
こちらに向かった2匹も火の息に巻き込まれて少し燃えているが足で掻いて消火しようとしている。
不意に上から危険察知が反応する。俺は縮地で少し燃えているポイズンスパイダー2匹の間に入り爪で2匹同時に切り裂く。
後ろを振り向くと紫の液体が目の前まで迫っていた。
これはヤバイ。
俺は瞬間的に身体強化を使い上体を思いっきり反らしリンボーダンスみたいな格好になる。尻尾で支えているので後ろに倒れることもない。ポイズンスパイダーの毒液が目の前を通り過ぎる。
(毒耐性LV1のスキルを取得しました。)
避けたと思ったが腹を掠めていたらしい。上体を起こしてすぐに反撃に出る。
糸が鞭のように横から飛んでくるが掻い潜り目の前まで来るとポイズンスパイダーが飛びかかってくる。
足刀で一蹴し、残り3匹を見る。動かずいまだに燃えている。死んでしまったのだろう。
戦闘は終わったが体が少しだるい。毒の影響だろう。戦闘に影響がでない程度だがヒールはかけておく。自分の腕も燃やしたことだし。
ポイズンスパイダーの死体を見る。虫というだけで食欲がわかないのだが怖いもの見たさにというものもある。毒があるから生はちょっと怖いので焼いたポイズンスパイダーを恐る恐る食べてみる。
(毒耐性がLV2に上がりました。苦痛耐性LV1と悪食LV1のスキルを取得しました。)
腹が痛い。ズキズキする。全然美味くないのにこれでは大損だ。ゴブリンよりはましだったが好んで食べるものではないな。
ステータスを見るとHPが徐々に減っている。
「おいおい大丈夫か?竜に効くか分からないが解毒薬なら持ってきてあるぞ。」
とギルバートが解毒薬を手渡そうとする。
俺は手で制止し痛みが収まるまで自身にヒールをかけ続ける。お陰で苦痛耐性と毒耐性がLV3まで上がって、魔力操作もLV4になった。
悪食ってどんなスキルだ?
(悪食は体に悪いものを食べるおバカが手に入れるスキルです。)
案に俺をバカだと言ってるんだな!
(当たり前です。ポイズンと種類に付いているのに毒抜きもせず食べるのはバカとしか言いようがありませんから。)
分かっていたのに食べたのだからグゥの音もでない。
(効果はそのままです。悪いものを食べても平気になってくるだけです。)
それはある意味良かったのでは?最悪毒があっても食べられるのだから。
(先程はヒールがあったから耐えられただけです。)
反省します。
ギルバートの気配を探ると大分後ろの方にいた。戦闘に巻き込まれないように離れていたらしい。ポイズンスパイダーを食べてるのを見て呆れていた。
「さっきは悶えたのにまた食べるのか?」
と言った。もう耐性は付いたし問題ない。
俺達は先を進むのだった。




