第9話 セフィリア・ヴァンデウス
部屋に入って机に置いてあるペンとインクを手に取るが紙がないことに気付いた。彼女に視線を向けると机の引き出しを指差した。
俺は引き出しを開け束になってる紙を一枚取り、ペンにインクをつけて絵を紙の上に、教えてもらった文字をその下に書く。横に他の絵と文字を4つぐらい書いてく。
一枚書いたら書いた文字を指でなぞりながら発音を確認していく。横に移動していた彼女に顔を向けて合っているか一つ一つ確認していく。
確認したら次の紙に絵と文字を書いて、彼女に文字の発音を確認していく。繰り返しているうちに外が暗くなってきた。
文字とその発音を少しだけ覚えられたと思う。
この勉強に付き合ってくれた彼女に礼をしなくてはな。
「ア、ア・リ・ガ・ト・ウ。」
俺は彼女に向けてこの世界の言葉で感謝の言葉を言った。
彼女は驚いた表情をした後、優しい微笑みを浮かべて
「いいのよ。」
と言った。まだ聞きなれてない俺は彼女の言葉を聞くよりも彼女の表情に思わず見とれているとお腹が鳴った。
そういえば夕方になっていたな。
城の物を勝手に食べる訳にもいかないから外で魔物を狩ってこないといけない。
俺はペンとインクを片付けてドアに向かう。
「待って!!」
「グアァ」
彼女に尻尾を掴まれて思わず呻き声を上げてしまった。
いきなりなんだ?
そんなことを思っているうちに彼女はドアを開けてこちらに手招きしている。
俺は彼女の後を付いていく。そういえば彼女は誰だ?
セフィリア・ヴァンデウス
性別─女
職業─魔法使い
種族─人種
種類─人間
LV 18/100
HP 143/143
MP 214/214
STR 121
VIT 102
AGI 133
DEX 187
INT 178
MND 165
LUK 98
スキル
思考加速LV3
杖技LV3
魔力感知LV2
魔力操作LV3
気配感知LV2
見切りLV1
ユニークスキル
天魔LV2
魔法
ファイアボールLV3
フレイムランスLV2
フレアLV1
ストーンエッジLV3
アースウォールLV2
ロックブラストLV2
アースクエイクLV1
エアスラッシュLV2
エアショットLV3
サイクロンLV1
アクアエッジLV3
アクアスプラッシュLV2
タイダルウェーブLV1
アイスバレットLV3
アイシクルLV3
フリーズランスLV2
ブリザードLV1
ライトニングLV2
サンダーレインLV1
身体強化LV2
ヒールLV1
装備
魔術用の杖
旅人の服
ケープ
皮のブーツ
ステータスを視てみる。
さっき戦ったのは彼女の姉だったのか。姉がやられてたのに随分冷静な対応だったな。
見た感じ姉妹、仲は悪そうに見えなかったんだが。
それにしても魔法使いなだけあって使用魔法が多い。
天魔の効果は?
(種族特有の魔法以外全ての魔法適性を持ちます。)
便利なことだ。
(貴方は治療魔法と光魔法以外は魔法適性持ちですよ。)
えっ!!そうなの!?
(希少種ですから。)
しかし姉妹揃ってユニークスキル持ちとはね。ユニークスキルはそんな珍しいものではないのか?
(ユニークスキルは基本的に先天性で得られるものです。条件によっては後天的に得られるものもありますが条件に当てはまっても素質によっては得られないことも多いです。なのでユニークスキルは強力で持つ者の数が少ないのです。貴方のように人だけが得られるものでもありませんし。)
俺はナビィの言葉に納得した。王様は娘がユニークスキル持ちでさぞ喜んだことだろう。
セフィリアの後を付いていくと厨房に入って行った。
「料理長。この子の夕食も用意してくださらないかしら?」
「こちらの竜の子ですか?大丈夫ですが姫様方と一緒には出来ませんよ。」
「その辺りはお父様に相談しますわ。」
「マ、マッテ・ク・レ」
俺は彼女の裾を引っ張って言う。
料理長に向き直って
「オ・レ・イッ・パイ・タ・ベル。」
今言える言葉をジェスチャーを交えて並べる。
「喋った!!」
さすがの料理長もこれには驚いたらしい。
「大丈夫ですわ。ここはお城ですわよ。食べ物はいっぱいありますわ。」
いやそういう問題じゃないんだが。
「それでは参りますわよ。」
俺は嬉々とした表情で王様の所に向う彼女の後を追った。