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第 三 話






















珍しく、放課後、バイトを入れてなかったある日。早く帰って寝ようと思い、大学を出てダッシュで電車に乗り込んだ。つり革を掴み、外の景色をぼーっと眺めながめていた。車内は高校生のグループが乗っていて、その子達のキャッキャした声がする。

大学は最寄駅から数えて8駅目。座れたら寝ることができるが、立っているのは中々に辛い。絶対家に帰ったらすぐにベッドに行こう。そう私は密かに決意した。



最寄駅に着いて改札を抜けると先ほどの高校生のグループがいた。よく見るとその中に春ちゃんがいた。声をかけたかったが、女子高生のガールズトークを邪魔をするのもなぁと思い、横目に見ながら通り過ぎた。その時、




春ちゃんと目が合った…気がした。






「はぁ、情けない」




声をかけなかったことに今更後悔。まあどうせ家に帰ってきたら話せるんだけども。なんてことを考えながらゆっくりとした足どりで家路を辿る。すると後ろから足音が。コツコツという、ローファーの音みたいだ。





「ねえ、待ってよ」



後ろから聞こえた声に振り返れば春ちゃんがいた。ものすっごく不機嫌な顔で、私を睨んでいた。うん、やっぱ怖い。



「春ちゃん、今帰り?おか、「さっき駅で会ったでしょ、目…合ったのに無視するとか…サイテー」…う…」




春ちゃんの割には低い声でそう言った。どうやら気がしたのではなく、目が合っていたみたいで、それを無視したことに相当腹を立ててるようだった。



「ごめん、いや、春ちゃん友達と喋ってたから邪魔しちゃ悪いなって思って…ごめんね?」



その春ちゃんの怖さと、無視してしまった罪悪感で謝ったが、春ちゃんの機嫌はますます悪くなっていく。



「別にどーでもいいけど。じゃ」


そう言って私を追い越していく春ちゃん。一緒には帰ってくれないみたいで、寂しさがこみ上げてくる。ふと、奈緒に言われた言葉を思い出す。春ちゃんは家族だ。こんなにギクシャクした関係、早く終わらせたい。春ちゃんに頼ってもらえるようなお姉ちゃんにならなきゃ。そんな気持ちが私を突き動かした。私は春ちゃんに追いつこうと走る。



「っ…春ちゃん」


追いついて横に並ぶ。春ちゃんは前を向きながら「何?」と言った。目も合わせずに言われ、それも結構キツイけどめげてはいけない。




「一緒に帰ろ?私、春ちゃんに色々聞きたいんだ、いいかな…?」



優しく、優しく笑顔で言えば、普通にしてても大きい瞳をさらに見開きながらびっくりしたような表情でこちらを見る春ちゃん。そんな顔、初めて見る。そして頬はみるみるうちに赤く染まっていく。あ、照れているんだなって分かった。また2、3秒見つめ合った後、また俯いて静かに「…いいよ」と呟いた。













しかし、春ちゃんは美少女だ…



「何にやけてんの、キモッ」


「なっ(め、めげちゃだめだ)」







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