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火の世界の豪炎  作者: PP
二章-精霊降臨-
88/147

88:落ち着いてすすろう

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

 城を出てかれこれ一〇分程歩いた先に、それはあった。


「はぁ、こんな場所に……」


 口を開いたのは理深である。俺達の目の前には地下に続く巨大な空洞が広がっており、着いて来いとリーダーに指示されるがまま俺達は後を追っていた。


「深浦君、本当に大丈夫ですか? 俺と理深はともかく、君たちの安全までは保障できないよ?」


 海道が俺とサーモを気遣ってくれるが、俺は大丈夫だ問題ない、と返答しておく。


「******」(この先にが我らの仮拠点がある。そこで一度我らのリーダーに是非あってほしい)


「バウ」(わかりました)


 俺は短く返答し、皆にこの先にある仮拠点の事を伝える。地下空洞は大地という名の天井まで30m程くらいあるだろう位置に地面があり、灯に火の操作を行って専用の道を照らしだしていた。


「**」(こっちだ)

「バウ」(はい)


 俺達は幻想的な灯の元に続く道を歩き、一つのテントへと到着する。


「****」(おお、よく戻ったハエン。そちらは……む)


 俺達に目をやり、ムッとした顔になるリーダーと呼ばれる人物に目をやる。が、どうやらこの集団を纏めているのは俺の想像とは若干違っていたようだ。


「******」(お前達はあのバカ野郎が居た城の異人だな。で、更に見知らぬ二人がいるが、どういう事か説明してもらうか)


「******」(はっ、この者は我らの言葉を理解してくれたので、争わずにつれて来る事が出来ました)


「******」(そうか、少しは理解者がいたか。君がその理解者かい?)


「バウ」(はい、そういう事になってます)


「******」(何か変な喋り方だな。まぁよい、腹も減ってるだろ、我に着いてまいれ)


 体格の良い女性のリーダーが、俺達を食堂と称した簡易机と簡易椅子、ずんどうで炊き出しをしている場所へと案内してくれる。そこに各自着席し、食事が提供される。


「******」(これを食べたら、詳しい話を聞かせてもらおう)

「バウ」(俺達も、よければ事情を知りたいですので是非)


 そういうと、フンッといいつつ俺達に食糧の入った器を配布する。


「おや、これはこれは」

「うおお、こっちにもあったのか!」

「お、おお。タマゴ以外とか久々だ……」

「何コレ……」


 俺達に提供された器の中には、濃いそうな汁の中に真っ白い細い塊が大量に投入されていた。俺達の世界風にいえば、間違いなく『細うどん』そのものだった。


「ずずっ、うめぇ」

「理深、フライングですよずずっ、うん、美味い」

「ちょ、俺も食う! ずずっ、うめぇ」

「はむっ、はむっ。食べにくいけど美味しい……」


 俺は久々の麺類に歓喜しながら、ズズッとすすりながら麺類をあっという間に完食するのであった。しかし、約一名食べなれていないサーモだけはパク、パクとすすれずに麺類に苦戦するのであった。


「****」(美味そうに食うな……はは、面白い奴らだ)


 食事の時間はこうしてあっという間に終了した。



「バウバウ」(ちょっとだけ待ってください)

「皆、火の操作で言葉だけでいい、わかるようになって欲しいんだが」

「はい、実は少しだけですが俺も聞き取れるようになってます」

「えー先輩、ずるい! どうやんの?」

「私は大丈夫です、理解してます」

「俺だけかよー! どうすんの? ねぇ、先輩!」

「顔がちけぇ、落ち着け。手握るぞ? いで、握力つええよバカ。そうそう、俺の火の操作を感じとって……おい、お前」


 俺が火の操作で刺激すると、あっという間に抵抗を覚える理深。そして事もあろうか一瞬で火の操作を習得する


「そうか、これが火の操作だったんだ……」

「お、お主も言葉が喋れるのか」

「あっ、初めまして? て挨拶になるのかな。理深といいます、おお、深浦さん凄いですねコレ!」


 天才っぽい理深はほっといて続いて海道にも火の操作を伝えると、こちらもすぐに習得してしまう。


「コウ、デスカネ。ワタシハカイドウトイイマス」

「ふむ。どうやら地上の言語しか持ち合わせてなかったから我等と敵対していたようだな。まぁよい、詳しい話を始めよう」

「ヨロシクオネガイシマス」


 あっという間に火の操作の一部をマスターした二人をみて、俺はこっそり落ち込んでいた。そんな俺の気持ちを察したのか、サーモが頭をそっと撫でてくれていてサーモさんマジ天使、と思う俺であった。



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