表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
火の世界の豪炎  作者: PP
二章-精霊降臨-
85/147

85:帰ってきました

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

「だぁー、はぁはぁ」

「はぁはぁ」


 二人の息遣いが静かな森辺にひっそりと響き渡る。


「つ、着いたぞ!」

「そ、そうですね」


 三十分以上、忍法水蜘蛛の術と豪炎ブーストを使い続け、片足が沈む前にもう片方の足を前に出すという動作を続けていた為お疲れなのである。サーモはサーモで、尋常じゃない移動速度と、いつ沈んでしまうのかわからないという不安で、無駄に力が入り気づかれしているようである。


「少し一休みしよう、この先に町があるからそこで休もう」

「は、はい。て、こんな森の中に町なんかあるんですか?」

「町、というか家がぽつぽつ建ってる、というのが正解かな。樹の上にだけど……」

「はぁ、遊多さんがあるっていうなら信じます」

「応」


 俺とサーモは休憩もそこそこに、森の中へと入る。


『あー久々に来たなぁ、懐かしいなぁ』


 モロとの修行の日々を思い出す、がそのモロを助ける為にも俺は前に進まなければならない。


「ねぇ、遊多さん。あれって何ですか?」

「あれって……あれ?」


 俺の記憶ではリーモの町があり、モロの家もある場所に辿り着くコースを辿った筈なのに、いつの間にか通り過ぎお城のシルエットが姿を現す。


「って、何か様子がおかしい……」


 俺がそう警戒したと同時に、それはやってくる。


「貴様、どこから来た!?」


 この世界の服装ではない、と思われる男性が突然正面に現れる。


「えっと、俺達の事、だよな……」

「そうだ、みっつ数えるまでに答えろ。さもなければ俺が」

「私達は太陽の都から今来たばかりです。貴方こそ、何者なんですか?」

「お、おう。俺は 金色かねいろ 理深りみだ、よろしくな!」

「宜しくされる覚えはないですが、敵意はない、事はなさそうですね……」


 サーモと金色 理深が勝手に話を進める中、俺はおや? と思いに至る。


「お前ってまさか」

「問答無用!」

「どわっ」


 驚異的な加速で間合いを一瞬で詰められると、蹴りを俺の腹部へと放ってくるが間一髪後退して躱すことに成功する。


「ま、まてまて。俺は」

「せいっ」


 話をしようとするも、一方的に攻めてくる理深(りみ)は拳を躊躇なく俺の顔面めがけて穿つ。が、それが届く前に俺達は動きを止める。


「やあ、久々ですね。そして理深、相手はしっかりみなさい」


 この場にいる三人が重力場に押さえつけられるも、やっとの思いで顔をあげるとその先には見知った奴が立っていた。


「か、海道!?」

「三代目が暴走してすまなかったね、深浦君。まさかこの世界で生き残っていたとは、相変わらず運が良いね。して、そこのお嬢さんもすまなかった」


 海道は相変わらず真っ白なタキシード一式を身に纏い、俺達の間に割って空から降りてきた。


「えっと、まさか海道さん。この人って……」

「そうです、理深の先輩にあたる二代目ですよ。同郷の者どうし、せめて仲良くしないと」

「ご、ごめんなさい! 俺てっきり北の奴らが南から攻めて来たのかと……」


 海道(かいどう)金色(かねいろ)の話が一通り終わると、俺達は懐かしの城へと案内される。


「お、俺が行っても大丈夫なのか、な?」


 俺が尋ねると、海道は笑顔で大丈夫だ、問題ないと答えるので取り敢えずついていくことにするのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ