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火の世界の豪炎  作者: PP
二章-精霊降臨-
83/147

83:ギルド書庫

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

『よっしゃー!』


 俺は気分を一新して、ギルド書庫へと初めて没入したのだ。


「ッ……」


 久々の没入で声を出すにはキーボード入力が必要だという事を思い出す。気分だけでもとカチカチカチッと入力して叫んでみる。


「ひゃっほぅー!」


 真っ黒なキーボードと、メタリックシルバーのマウスを出現させると、俺は書庫の中の探索を開始する。


『広いなー、っと川を渡る術を探さなきゃ』


「あの、すいません」


 受付らしき場所があったので、そこに座っている人物に話しかける。


「おや、こんな時間から珍しい。何かお探しかな」

「川を渡る良い火具? ってないですか」

「川を渡るねぇ、ちょっと待ってな」


 受付にいた人物、御姉さんが書物のある一ページを開いてその動きは止まる。


「そうね、これなんかどうかしら。それにしても……」


 俺はどれどれ、とそのページに記載されている内容を読み取る。


「おっ、これいいですね!」


 書物に記載されている内容を読んでいると、驚いたとばかり受付嬢は俺に顔を近寄せて来る。


「わわっ」

「貴方、このツリィム内でよくそんなに自由できるわね! 私はミーネ。長い事受付してるけど貴方みたいにヌルヌル動く人初めてみたわ」


 興奮気味に話しかけて来るミーネさん。受付ごしに顔を近づけて来るその姿は、俺以上にぬるぬる動いているような気もする。それよりも、谷間が強調され目線に困るがここは妥協しないでガン視してみる事にする。俺も、女性の多いメンバーで長い時間過ごしただけはあるのである、ここは一切引かない。


「ふぅん、視線までも……こりゃ驚いたわ御姉さん。良ければ何処から没入してる誰なのか教えてくれないかしら?」

「えっと今はチャ川を渡ろうとしてるんですが、丁度そのチャ川の目の前ですね。そこから没入してます。名前は深浦 遊多っていいます。ミウラでも、ユウタでもどちらで呼んでいただいても構いません」


 俺が質問に答えると、更にミーネさんは驚きの声を上げる。


「えっと、貴方遠距離没入してるって事よね。参ったわ、完敗。これをあげるわ」

「あ、ありがとうございます」


 調べてもらったデータを受け取ると、その際に手を握られる。


「良ければいつでもギルド本部に来てみて。いつでもアタシが案内してあげるからさ」

「はい、ありがとうございます」


 俺は久々の没入だからなのか、それとも単に疲れていたからなのか。初めての没入よりもほんの少し精神力の削れが大きかった気がした。




「ふぅ、良いのあったよ!」

「はい」


 俺はデータを持ち帰り、サーモに嬉々として報告する。サーモも喜んでくれたのか、凄く良い笑顔で俺に返事をくれたのだった。

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