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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
72/147

72:Ⅷ騎士会議-2-

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

「暴食の神様、ですか……?」


 俺は神様(自称)へと確認をすると、続けて教えてくれる。


「そうなんだよ師匠様、あ、先代の火の神様ね、がつい最近まで構ってあげてたんだけど、相当お疲れのようでこっちに仕向けたんだよね。いい迷惑だよ全く」


 肩をすくめてみせるが、この場の視線は真剣そのものなので神様も茶化さないで話を進める。


「それで、南側から歩いて来るから何とか機嫌損ねないようにね? 俺より下位の神様だけど、俺より実質めちゃくちゃに強いから」


「火の神様って、一番偉いんじゃないのかよ……」


 俺が突っ込みをいれると、コホンと咳払いをして呟く。


「そりゃ火の神様が創造した世界だから、一番って言えば一番だよ。ただね、初代様が先代に神様の資格を譲った際に力の一部を譲歩して作られたわけだよ。その先代の力を譲歩して作られたのが俺なわけ。勿論長い時間かければ力は初代様を超えるようにはなってるけど、それまでの間は俺ってば今までで一番弱い神様なわけ。だからここ数百年は争い事があっても火の加護をばら撒くくらいしか出来ないんだよね。他の神の信者がこぞって暴れるからそれも問題だな、うん」


『何というか、こいつやっぱり偽物なんじゃないか……』


 俺がそんな事を思うと、部屋の温度が一気に上がったように思えた。


「深浦クン、君失礼な事を毎回考えるよね」


 そんな言葉を発する神様、ご機嫌斜めみたいだ。同席している他の面子も今の温度上昇に参ったのか苦しそうな顔をしている。


「俺の加護だからな、俺の力で防ごうとしても無駄だからな? と、いじわるはこれくらいでいいか」


 部屋の温度が戻ったと思いきや、今度は扉をドンッ! とあけて入って来るゴツイ男が入ってくる。


「ワシを除け者にしよって、アラートの対象もいると聞いたぞ! 排除してやるワシにまかせグァァァァ」


 急にその場にうずくまるゴツイおっさんを見下しながら、神様は言う。


「俺の話の途中に入ってきよって。ちょいと罰だわ」


「あづづづづづ、あづづづづづづづ」


「安心せい、少し加護をなくしただけだって。すぐ返すからホレ」


「だっ、はっ……はぁはぁ」


 どうやら神様は火の加護をなくしたようだが、どうやらこの砂漠地帯では人は生存できないほど過酷な熱さらしい。


「と、こんな感じで俺の加護があるからこの大陸でも人や生物は生きてるわけ、ついでに水が蒸発しないのもそのおかげな! と、俺のありがたみがわかっていただけたと思うが、そんな俺よりも現状はるかに格上な力をもっとる暴食の神がここに来る。奴は危険だ、が機嫌さえ損なわなければ問題ない。後はわかるな?」


 ドクンっと心音が聞こえる程一瞬にしてイメージが流れ込んでくる。


『これが……暴食の神』


「ここにおる全員にイメージは送っといたぞ。俺は先ほどまで構ってたのだが疲れたので寝る。後は任せたぞ? 俺の好きなこの都が無くなっていないことを祈るよ。神なのに祈るとか面白くね? ははは、じゃあな!」


 一方的に話すだけ話して姿を消す神様。そしてこの場にいた全員がイメージを植え付けられたのだろう、顔色が悪い。


「あれが神様、なんですね……」


 やっとの想いでセンチがそんな感想を出す。


「ありゃヤバイな。そしてよくあんな状態で普通に会話してたなおい」


 パリイがそんな発言をするが、俺は頭にクエッションマークを浮かべる。


「あのな、あんなに一方的に火を操作されて発言なんて容易じゃない状態だったって事だよ。きくと精霊世界でも火を使ってたようだし、お前本当に何者さ……まぁいい、急いで配置につこう」


 そんなこんなで、俺達は急いで南門へと向かうのであった。




「はぁはぁ……アラートの原因を探ってるどころじゃない、のはわかった。が、誰か俺にも詳しい説明を……」


 入り口付近で転がっていた8人目の騎士にバウバウが近づき、顔をそっと舐めてこういう。


「バウバウ」(いいから、急ぎなさい)


 その光景はとても無慈悲であった。

次回より厄災こと暴食さん登場です。

ここのシナリオが終われば一章終了です、後僅か。

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