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火の世界の豪炎  作者: PP
プロローグ
7/147

7:修行はじめました2

2015/2/3:文章手直し

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

 火にイメージ付けの特訓をはじめて数分がたった今、俺のもつ火のイメージがなかなか払拭出来ず苦戦中である。


「遊多のいた世界の火のイメージって、何か拙いのにすごいねー」


 俺の豪炎、もとい火の制御に失敗する度にモロは楽しそうに俺の顔を伺ってくる。


『ねぇ、今どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち?』


 と言わんばかりの笑顔が炸裂している。言わせんなよ、超大変だってばよ。


「う、ん、これでどうよ」


 とは俺の言葉。俺は火に対して持つイメージから、徐々にファンタジーな世界観にある不思議パワーへと豪炎のイメージをシフトしていく。


「よ、し、これだ」


 そうなのである、最初から『火を鎧にする』ではなく、『鎧を作る』という発想に変えればよかったのである。鎧のもつイメージがそのまま豪炎に反映され、俺はやっと一歩前進できた気分になった。


「わぁ、本当に出来ちゃった」


「大人なめんな」


「うんうん、それで火の流れは解るようになったかな?」


「お、おう」


 火の流れ、鎧をイメージして纏っているこの豪炎ではあるが、常に無機質な物を装備している感じではなく、何かこう流動的な物に覆われている感覚を覚える。


「イメージを強くもてばその形へ、そしてそのイメージの完成形の先に火の流れがあるわけだね。それじぁ私は部屋にいてるから、登ってきてね」


 音符まじりにニコッとしたらモロはとんでもない跳躍力で自宅へと戻っていく。


「ご飯用意してるから、はやく来てねー」


「ちょ」


 あわてて手を伸ばすも、モロは既に視界外。そう、俺は置いてけぼりをくらったのである。モロが居なくなったからだろう、周囲を囲っていた樹は地面へと戻り元の大地へと戻っていた。


「これ、どうすんだよ」


 確かに豪炎の火を纏い、流れを感じることまでは成功した。しかし、俺には木登りスキルなんてこれっぽっちもないのである。


『モロの真似をしろと?』


 あの跳躍を俺にもしろというのかモロよ、無茶振り過ぎるわそれ。


「とうっ」


 スタッという音と共に垂直跳びにて30㎝程は跳躍できたと思う。


『ですよねぇ』


 そんな事を思いつつ、今度は高く飛ぶイメージを強く持つ。


『つまり、豪炎を応用すればいいってこ・と・だ・よ・なっっ』


 足元に豪炎の火が集約する、ゴウッという音と共に俺は爆発的な跳躍をする為にロケットの噴射を連想した。


『おおおおおぉぉぉぉぉ』


「とうっ」


 爆音と共に俺は浮かび上がった、ロケットの如く!


「お、おわあああ」


 両腕を高く突き上げ、上を見上げる。行く先はモロの家。


『ゴゴゴゴゴゴオ』


 盛大に足元に噴出される煙、そして浮き上がる体。だが俺は今、地表30cmのところでぴたっと高度が止まっているのだ。恥かしさのあまり、顔が真っ赤になった俺である。


『これは恥かしい』


 盛大な豪炎の演出は足元からはじまり、俺を宙に浮かべる事には成功していた。していたが30cmのところでふわふわと浮遊している現状をどうみたものか。


 そっとイメージを解き、なぜか少し涙がでてきていた。


「ねー、遊んでないで早くおいでー」


 モロは自宅の窓から顔を覗かせ、俺の浮遊魔法:豪炎ロケットを(今名づけた)みて笑いながらいうのであった。

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