54:再出発
2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。
2015/7/22:文章手直し
俺が寝ている間に厄災が町を襲っていたようだ、そして偶然俺は寝て過ごして生き延びたらしい。
ギルド支部での円卓会議により、俺とモロ、センチという女性の3人で太陽の都へと向かう事が決定づけられた。
そこで神様の話を詳しく問いただされたが、俺自身ほとんどわからないのである。実際に今も、神様(自称)はどこにも見当たらないし連絡手段もわからないのだ。
『しかし、モロさんがドリルバンカーを使ったのか……見てみたかったなぁ』
と、そんな事を考えるくらいしか出来ずにいた。今、俺の手元には新アイテム、ツリィムの世界に没入できる書物を2冊程貰ったのである。
『これで俺も没入し放題だなぁ、何して遊んでみようかな……』
とか思ったが、モロさん長時間の没入って守ってくれるだろうか。少し不安である。
『そういえば、まだこっちは……』
一冊の書物を開くと、ペラペラとページがめくれる。
『フレイザーⅤの書物かぁ、使ったらどうなるんだろうなぁ。見てみたいなぁ』
そんな事を思いながら、ページにかかれた文字が読めずそっと書物を閉じる。
「で、出発準備はこんなもんでいいのかな……」
現実に戻ろう、そうしよう。俺が発言に対し、目の前にいる皆がコクンと頷く。
「センチさん、案内よろしくお願いします」
「はい」
「……行くの?」
「うん」
と応えるのはサーモ。視線を移動させた先にはシャーケギルドのサーモが居た。
「太陽の都なんて、なかなか行く機会無いし。大丈夫だよ? リーダーには了解得てるから」
「お、おう」
「それに、あそこってアクセサリーとか多いんだよねー。約束、楽しみにしてるからね!」
「お、おう」
何かモロさんの視線が非常に怖いです。う、浮気なんてしてないんだからね!
「遊多様、早く出発いたしましょう」
「……メイさん、もですか?」
「はい、あだっ」
頷くメイドのメイさんに突っ込みを入れたのはシャーケギルドのベンだった。
「お前なぁ、仕事があるだろ、し・ご・と」
「ううう」
唸るメイさんちょっとかわいいです、と。
「仕方ありません、これをどうぞ」
そういって渡されたのは赤い宝石が填め込まれた指輪であった。
「遊多様、これを身につけていつでも私の事を思い出してください」
「お、、おう」
俺はそれを受け取ると、一層モロさんの視線がきつくなりました。お、俺はモロさん一筋だからな!
「深浦君、君にサーモを預けるよ。必ず守れよコイツ」
そういい、俺とベンは拳をコツンとあわせ約束する。
「ああ、任せとけって」
『モロさんいるから大丈夫だ!』
と、心の中で付け加えておく。
「では、リーダー。行ってきます。お世話になりました」
「よせよせ、お前の選んだ道だ。太陽の都には厄災がくるんだから気をつけるんだぞ」
サーモは力強くうんっと頷き、俺の隣へときて腕を組む。
「おまっ、ちょ」
ついにモロさんが動き出し俺の空いてる腕をガシッと 力強く 掴んでくる。
「遊多、太陽の都に早く行こう?」
「よし、いざ太陽の都へ」
俺はそういい、モロが呼んだコカリリスへの背へと移動していく。
「えっと、足元に火の制御を集中すればいいんだよ、な」
俺は確認して、3人揃ってコカリリスの背に乗り込む。続いてセンチさんも乗り込んでくる。
「またコレに乗るのね……」
不穏な声が聞こえてくる、どういう事だろうか。バサッと翼を広げ、そのまま高度をあげはじめるコカリリスさん。
「……ああ、これな」
思わずつぶやく、この感覚知っている。幼い頃に体験した事がある。
『ジェットコースターの感覚じゃねーか!?』
みるみる内に高度を増し、そして……
「ぎゃーーー」
モロさんが仁王立ちで先頭に立つ中、俺とサーモ、センチの3人は必死にコカリリスにしがみつき悲鳴をあげるのであった。
旅のメンバーは深浦・モロ・センチ・サーモの4名となりました。
メイさんはモコン様のメイドさんなので、連れていけま……
それはさておき、やっと再出発開始です。




