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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
40/147

40:火の指輪製造Ⅰ-4-

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

2015/3/30:文章手直し

 さて、どうしてこうなった脳内会議の時間だ。


 俺は未だにギルド内にある机につっぷしたまま休憩をしている。勿論、激しく疲れているからである。整理しよう。

 シャーケギルドが受けた依頼とは、メイさんが出したもので。それを完了する為に向かったタナダタの町東部。そしてオープンワールドのツリィムへと没入した。

 そこで再度出あった神様(自称)だ。続いて、現実に戻ると鳥の群れが俺達を囲っていた。思い出してみよう。

 意識が戻った時には現実世界(ただし異世界)に居た。没入する前はサーモとフレクの二人と一緒だったが、何故か俺はシャーケギルドの六人全員に囲まれていた。


「よっと」


 俺は声を出しながら立ち上がった。


「あ、遊多兄ちゃん!物は!?」


 急いでるような感じで話しかけてくるフレク。


「ああ、無事持ち帰ったよ。ほら」


 パラパラと本のページをめくってみせる。データが収納されていない時は中央の一頁のみしか開かないので、持ち帰りには成功しているようだ。


「おお、流石だな。歩けるか?」


 ベンが俺に激励の言葉をくれる、ふふ。俺だってモロ流の体作りをしているのだ、やればできるのだよ!


「応、戻ろう!」


 俺が元気よく答えてみせるが六人が揃って声を出す。


「「「「「「えっっ!?」」」」」」


 声が重なる。つられて俺も声が出る。


「えっ??」


 疑問符を浮かべる。


「お前、大丈夫なのか」


 無口そうなオギリ君が心配そうに尋ねるので、再度答える。


「お、応。ほら!」


 その場で跳ねてみせた。


「「「「「「えっっ!?」」」」」」

「えっ?」

「「「「「「えっっ!!!?」」」」」」

「えっ?」


 無限ループ怖い、尋ねてみよう。


「いや、なんでそんな皆して驚くの。むしろクマノジン? は終了?」


 シャーケギルドの面々が驚いたまま固まっていたが、モクが動く。


「動けるのは正直ありがたい。ツリィムに入ったら大抵動けなくなるからな」


 更にモクが語る。


「それで、上を見上げたらこの陣形の意味はわかってもらえると思う」


 モクにいわれるがまま上を見上げる、と鳥が飛んでいた。


「鳥っているんだなー」


 呑気にそんな発言をすると、パシンとサーモにどつかれた。


「深浦さん、冗談いってる場合じゃないでしょ。コカリリスよ、コ・カ・リ・リ・ス。それも軽く五十はいるじゃない」


「コカリリス、はて。コカトリス? はて。コカリリスて何だろうか」

「お前は何も知らないのな、あれはな」


 とベンが語ろうとすると俺たちのいる近場に何かが落下し、ベチャッと音をたてて砕けた。


「もうきやがった」


 俺は何が起こったんだと、思っていたが。


「深浦さん、タマゴ料理って食べたことあるでしょう? あれですあれ。コカリリスの口から飛んでくるアレがこの町の食糧源ですよ」


 フライが丁寧に解説してくれる。やさしいな。


「飼っているコカリリスがいるから、討伐してもいいんですが……」

「数がなぁ」

「やばいよな」

「無理無理」

「えっと、あのタマゴって……」

「当たるとベチャベチャになる。そしてとてつもなく痛い」


 無口そうなオギリ君が顔をゆがめて教えてくれる。


「全部倒せたりは」


 と、発言したところで皆の弓筒をみせつけられる。


「既に矢は緊急時用しか残ってない、残念だが」

「全力で逃げろ!」


 最後の最後でベンはそう言葉を発して、俺を囲んだままの陣形で駆け出す。俺も書物を胸に抱きしめ、落とさぬよう必死に駆けだしたのだった。


結果ー卵の被弾

ベンー0

オギリー1

モクー4

フレクー3

サーモー秘密

フライー秘密

俺ー50以上


 といった結果となった。勿論、火の鎧を纏い衝突緩和は出来るのだが、被弾する度にベチョッと卵が砕け臭いと衝撃によるダメージが蓄積されたのである。


 何故かベンだけは無傷という、流石はリーダーしてるだけである。でも、オレマモッテホシカッタヨ……。


 で、途中シゼルが楽しそうな事してるな! と乱入。あの人空飛べるの? って感じで空をかけてコカリリスを狩りつくしてくれましたとさ。

 ギルドに戻ると、すぐに俺たちはシャワー室へ。蛇口が一つだけで、シャワーノズルから水がでてくるのだが。


「ギャー」


 と、最初冷水を浴びて悲鳴を上げたのはここだけの秘密である。すぐにフレクがシャワーの使い方を教えてくれた。水が流れて来るホース内で火の制御をして自力で適温にするのが普通なのだという。

 そんな感じで依頼完了させたらメイさんが依頼主で、何やら不穏な事をいってましたとさ。


 間違いなく、あの神様(自称)がこのコカリリスの異常発生に絡んでるわー。マジないわー。


脳内会議結果

1つ『神様(自称)のいう太陽の都へは向かわないと何されるかわからない』

1つ『メイさんが指輪作って、俺に填めようって何の儀式なのか不安です』

1つ『シャーケギルドの皆と仲良くなれたよ。たぶん』

1つ『モロさん会いたいよ』


ーー脳内会議はここまで。



「そうだな、明日タイミングみてモロを探しに動き出すか」


 心の中で発言したつもりも、ツリィム内での感覚の折り合いがまだついておらず、一人誰に言うでもなく声をだしていたのだった。


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