表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
37/147

37:火の指輪製造Ⅰ-1-

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

2015/3/30:文章手直し

 視界が戻り、一瞬の暗闇旅行は終了する。


『無事没入っと』


 周囲を見回そうとすると、首が動かない。


『そうだった』


 俺は意識を集中し、マウスとキーボードを出現させた。


『カチカチカチカチッ』


 慣れたものである、周囲を確認して正面の建物に向き直る。


『オープンワールドって……』


 見た感じ、先ほどまでいた場所と似た景色が見て取れる。だが廃墟だらけだった建物は全て綺麗な建造物に。足元のアスファルトもどきも綺麗に舗装されていた。


『元の世界思い出すなぁ』


 これが俺の感想である。正面にある建物の中に書物があるとの事なので、俺はガラス扉をあけようとする。


『これオートロック式、かな』


 書物を開けた位置には0-9の数字ボタンが設置された台がある。


『ピピピ』


 適当に押してみるが勿論反応はない。


『ええいママヨ』


 俺は思い切って扉に体当たりをかましてみる。


『バリン』


 痛みはなくガラス扉を突き破り、建物の侵入に成功する。無駄にガラス片が腕に突き刺さっているが、痛みはない。が、このままでは見た目痛々しいのだ。


「えいせいへーい!」


 俺はイメージする、衛生兵が治療してくれるイメージを。キーボードのV,5とボタンをカチカチ操作するとラジオチャットの要領で声を絞り出す。ノイズのかかったような声が喉から発せられて、気分はまるでFPSである。


 体が一瞬だけ発光してすぐに収まる。腕に刺さっていたガラス片は消え去り、傷跡も残っていない。


『おお、ボイスチャットで治るとか神やな』


 俺のカスタムした一つ、ボイスチャット機能が治癒に役立ったのである。ありがたや。


『さて、階段を上った先にある部屋から探索しますか』


 俺は階段を駆け上り、扉前まで接近する。もちろんShiftキーがカチッと押し込まれたままである。何でかって? ダッシュボタンなんだよ。


『扉をあけるにはRキーやな、いや扉の奥から敵がでてくる事想定して扉は爆破か?』


 そんな事を考えていたら無駄に気分が高まってきた。


『よし、爆破を試そう。そうしよう』


 俺はそう思うと、マウスのホイールをススッと滑らしセット装備2を選択する。


『これがオリジナル第二弾セット装備、FPS装備だぜ……』


 ヘルメットに防弾チョッキ、そしてロケットランチャーをイメージして作りだした火の武装。


 実際にはセット装備1の方が防御面は安定しているのだが、この装備は特殊である。


 まず頭、ヘルメット型に火を纏わせているだけである。脳天以外は無防備である。そして防弾チョッキ、こちらも胴体のみ火を纏わせ、腕などは無防備である。この二か所のみを火操作により防御にまわし、武器は何といってもロケランである。


 一発限りの豪炎を飛ばす火の制御である。トリガーを引き火の制御を切り離すと、豪炎ブースターを五重に重ねた豪炎が、豪炎ロケットの煙により演出を重ね飛んでいくという傑作である。


 勿論、使うのは初めてですが。


『おーし、ファイオー!』


 カチッ、というクリック音と共に俺の豪炎は扉に向かって発射される。ブースターによる加速が想像以上のスピードを豪炎に与える。


 ゴオオンと豪快な音をたてるが、目の前にある扉は無傷でそこに残っていた。


『デスヨネー』


 俺の豪炎はツリィムの世界でも破壊力がゼロであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ